2024年に年初1,000万円、年内300万円追加投資、私ならどう考えるか
以下ご質問に回答しています。
(前略)
穂高様がFIREされる前からのブログ読者です。
いつも貴重で有益で面白い情報をありがとうございます。
さて、ご相談したいことは以下になります。
- 穂高様の2024年運用環境の見通し
- 1と後述のプロフィールを踏まえ、穂高様が2024年に年初1,000万円程度、年内300万円追加投資で運用するとした場合のポートフォリオや戦略について
(中略)
・これまでの運用歴
現在金融資産1100万円程度。
積立NISA、ジュニアNISAで、S&P500やオルカンに450万円程
日本株に穂高様のポートフォリオを参考に特定口座で350万円程
企業型確定拠出年金(60才以降引き出し可能)で、外国株インデックス250万、日本株インデックス50万円といった運用をしています。
・運用に関する悩み
2024年より新NISAが始まるにあたり、これまで通り、S&P500に積立を続けてよいものか迷っています。(クレジットカード積立)
アメリカの利下げ、日本の利上げで円高が進むのではないかと思っており、これまで通りの運用でよいとは行かないのではないかと朧げに思っています。
そこで、旧積立NISA枠で保有しているS&P500を処分してでもポートフォリオを変えるかも含め、穂高様にご相談したいです。
2024年開始後のチューニングは穂高様のこれからのブログを拝見して行なっていきたく存じます。
(後略)
本記事では②について回答いたします(①は昨日の記事で回答済)。
- 右肩上がりを想定するなら、年初に一括投資が有利
- ITバブルやリーマンショックのような暴落のあった年は、定期つみたてのほうが有利
過去の傾向としては、2000~2023年の24回について、年初一括投資がよかったケースは下表のとおりです(出所:ニッセイ基礎研究所)。
S&P500 | オルカン(ACWI) | TOPIX | |
---|---|---|---|
一括投資が有利 | 22回 / 24回 | 21回 / 24回 | 19回 / 24回 |
勝率 | 79% | 92% | 88% |
背景には、これら3指数とも多くの年で右肩上がりだったので、一括投資の勝率が高くなっています。また、S&P500はITバブル崩壊(2002年)リーマンショック(2008年)といった暴落した年は、一括投資は不利という結果です。
以上から、以下のようにまとめられます。
- 右肩上がりを想定するなら、年初に一括投資が有利
- ITバブルやリーマンショックのような暴落のあった年は、定期つみたてのほうが有利
では、「年初1,000万円の運用可能資金があり、年間で追加投資できるお金が300万円あるとした場合のポートフォリオや戦略」については、以下のようにします。
- 年初に「投資妙味があると感じた日本の個別銘柄」があれば、10銘柄ほど1,000万円分買う
- その後も「投資妙味があると感じた日本の個別銘柄」に300万円を投じる
「投資妙味があると感じた日本の個別銘柄」という文言は具体性に欠けて申し訳ないのですが、そのときになってみないと具体的にどの銘柄かわからないため、このような表現に帰着してしまいます。
なお、直近の私の投資例としては、以下のようにまとめられます。基本的に成功例のほとんどは逆張りで、失敗例は買値が微妙なときに買っています。
- セリア
株価は大幅に下がっていたが、同業に比べ商品の質は高く定評あり、高配当化するほどの株価下落に加え、減益要因が原材料高・燃料高だったので、円高シナリオを見込んで逆張り購入 - スカイマーク
株価は大幅に下がっていたが、赤字転落要因が燃料高だったので、円高・原油安シナリオを見込んで逆張り購入 - サイバーエージェント、フューチャー
株価は大幅に下がっていたが、今後のAI材料視シナリオを想定して逆張り購入 - ベネフィット・ワン
株価は大幅に下がっていたが、業績は堅調であるにもかかわらず、もはや高配当株と言えるほど株価が下がっていた - SBG、楽天(失敗例)
AI材料視シナリオを想定して購入したものの、株価が上がっていた段階で買ったので購入タイミング×
この経験から言えることは、やはり買値が重要ということです。
個別株投資はこのように一般化できないため、一般化できる手法としてはインデックス投資、つまりは投資対象が「S&P500」や「オルカン」などになってきますね。
旧つみたてNISAのS&P500を処分するか
そこで、旧積立NISA枠で保有しているS&P500を処分してでもポートフォリオを変えるかも含め、穂高様にご相談したいです。
私なら、旧つみたてNISA枠で保有しているS&P500は処分せず継続保有です。
特定口座なら短期的に売却もありと考えますが、NISA枠は非課税メリットをふまえると継続保有してリスクを取り続ける、というかたちが一案との考えです。
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