映画『フェアプレー』 人間心理の残酷な一面を描いた、真に迫る佳作

Twitter

映画『フェアプレー』 人間心理の残酷な一面を描いた、真に迫る作品

競争の過酷なヘッジファンドの同僚である若いカップル。ある日、片方が思いがけず昇進したことで、婚約したばかりのふたりの関係は次第に険悪になっていく。

印象に残る映画でした。Netflixで見れます。

本作は、人間が持つ残酷な一面、その真に迫る映画ですね…。

終始見入ってしまう興味深い作品です。

本作で感じた5つの「人間の一面」

以下のことが描かれていると感じました。

印象に残った5つのテーマ
  1. どうあがいても埋まらない能力差
    それに対する心理反応、そこから生じる軋轢
  2. 物事が逆回転していく転換点
  3. 負けが込むと、一発逆転をねらってしまう心理
  4. 金銭の多寡が人に与える影響
  5. 残酷な事実を受け入れられないがゆえに屈折していく人格

③の部分は投資家必見かもしれません。

① 能力差という残酷な一面

だれしも、たとえば大谷翔平選手や藤井棋手に対しては逆立ちしても野球や将棋で勝ることはないでしょう。

そこまでいかずとも、職場や学校など、どうあがいても特定の分野では勝てない人がだれしもいたはずです。

その勝てない相手が「単なる赤の他人」なら、たとえばあえて距離をとって見ないようにもできますし、意志力や仕組みである程度回避する手立てがあるはずです。

しかしもしそれが近しい人で、

日常的に残酷な事実を目の当たりにし、

さらには自分が半生を賭して獲得したいもので、

ましてやもう少しで手に入りそうと思ったそのとき、獲られてしまったら‥

そんな状況における生々しい人間の一面が描かれています。

② 物事が逆回転していく転換点

作中では「当初は順調だったことが、あることが明るみになったことがきっかけで、物事が一気に暗転していく」過程が描かれます。

おそらくそのことさえ起きなければ、明るみにならなかったかもしれない。何も知らなかったほうがが幸せだったかもしれない。そんなことが起きます。

しかし、いったん物事が反転しだすと、覆すのは難しいことがありますね。ただし、その転換点を自分で早期に認知できれば、修正も効くはずです。

そうして転換点を認知できるかが物事の好転・暗転を分かつひとつの分水嶺であるように感じました。

③ 大きく負けると、ハイリスクな一発逆転をねらう心理

これは金融投資をやっている人ならば、とくに認識しておきたい心理ですね。

いったん大きく負けたり、負けが込むと、コツコツではなく一気に早くとりかえしたくなりますね。そして大きく取り戻すために、天任せの賭け(単なる投機)に出る。私もFXが主戦場のときそんな失敗経験がありました。

だからこそ「大きく負けない」ことが重要。

投資家にとっても示唆に富む展開が本作にはふくまれています。

④ 配偶者が大金を手にしたら…

遺産相続で骨肉の争いに発展する家族がいるように、お金は人を変えてしまうことがありますね。

私が思うに、「高収入だったり資産を築いた人ほど、配偶者はお金に興味のない人だったりする」ということがままあると思います。

私がそれに近い一例です(笑)

ツッコミする人

いや自分で言うなw

妻(旧称:女神)はお金に対してさほど興味がありません。そもそも私の勤務先を知りませんでした。いわゆる「スペック」に興味を示さない人です。

それに加えて、私は付き合う前から「俺は絶対FIREするねん」と前もってその価値観を宣言しましたが、ずっと応援してくれました。

ふつうは「せっかく安定した高収入の会社に入ったのだから、やめないでほしい」と交際相手や配偶者に対して思うのかもしれません。しかしそうした気配は微塵もありませんでした。

「自分と異なるまたは正反対の人をパートナーに選ぶ」というケースはほかにも周囲で散見されます。

⑤ 残酷な現実を受け入れないと、屈折し、物事が悪化していく

私たちは「防衛機制」といって、「受け入れられない事象が目の前で起こると、大きな精神的苦痛から自分を守るために、責任転嫁をしたり現実から目をそらす」という心理反応が備わっています。

たとえば作中のように、自分より能力や実績を買われてだれかが出世したら

「あいつはゴマすりだから出世しただけ」

などと現実を直視しない‥。

しかしそうして現実に対する直視を避けていると、そのゆがみはいずれ生じると思うのです。

現実は現実として真正面から受け止めて、過ちや至らなさを認めないと前進できず、いつまでもその場に停滞し、場合によっては人格が屈折していくことにもなりかねないですね。

そんなことが間接的に描写されているように感じました。

印象に残ったセリフ

  • We all do filthy things.
    我々は皆 汚いことをする
  • I fucked up so bad…
    俺は何もかもダメにした‥

ひとつめのセリフ。これは人生体験が豊富な人ゆえのセリフのように感じますね。

きれいごとだけでは生きていけない、清廉さのみでは弾かれる。汚さや醜い部分もすべてひっくるめての人間社会であると。まさに清濁併せ呑む必要がある。

ふたつめのセリフ。これはもう本作の物語性すべてに通底するセリフです。見たらわかります(笑)

まとめ

印象に残った5つの場面
  1. どうあがいても埋まらない能力差
    それに対する心理反応、そこから生じる軋轢
  2. 物事が逆回転していく転換点
  3. 負けが込むと、一発逆転をねらってしまう
  4. 金銭の多寡が人に与える影響
  5. 残酷な事実を受け入れられないがゆえに屈折していく人格

個人的には非常におもしろかったです。

ちなみに、本作はR指定で性的な内容もふくまれるので、一緒に見る人やシーンは、あるていどかぎられるかもしれません。

関連記事

最近では、この「怪物」に次ぐ傑作でした。

映画『怪物』 だれもが怪物になりうる現代を鋭く描いた傑作
映画『怪物』、だれもが怪物になりうる現代を鋭く描いた傑作 映画『怪物』見てよかったです。なるほど、是枝裕和監督の作品だったのですね...

お金に興味がある人は、こちらもおすすめです。

映画『紙の月』:確実に1億円を盗めるなら、盗んでFIREしますか?
映画「紙の月」:確実に1億円を盗めるなら、盗んでFIREしますか? テレビ東京「午後のロードショー」で観ました。 ...

「なにも考えずに笑える映画」です(笑)

【なにも考えずに笑える映画】サンダーフォース~正義のスーパーヒロインズ
【なにも考えずに笑える映画】サンダーフォース いやこの映画は、何回か声出して笑いました(笑) 基本まじめな感じでこの...
新刊「#シンFIRE論 経済・精神の自由を手に入れる主体的思考法」
騒がしすぎる世界で、「主体的」であれ
スポンサーリンク

にほんブログ村 株ブログ 米国株へ

外国株式ブログランキング

Follow me by FREETONSHA

公開日: