MSCIリバランス日は、除外銘柄が大引け前に反発する傾向(日本株アノマリー)
先日11月30日にMSCIのリバランスがおこなわれました。
そこで特徴な値動きを見せた銘柄群があり、その法則を理解しておけば、比較的高い確度で利益を得られるケースがあるので、本記事にまとめておきます。
MSCIによる「リバランス」とは
世界的な指数算出会社のMSCIは、指数の構成銘柄を除外したり追加します。
そうして加除をおこなうことで、指数の対象銘柄(または指数の特性に合致する銘柄)を適宜入れ替えています。
まず銘柄の入れ替えを発表し、その後、運用会社はMSCIが定めた除外銘柄は売り、追加銘柄を買うことで、ETFを指数に連動させることになります。
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これをリバランス(資産の再分配)と言います。リバランスが行われるのは5月末と11月末です。
除外銘柄は、「軒並み前場で2~4%下落後、大引けにかけ急反発」
11月30日はまさにリバランス日でした。今回日本株でMSCIが公表した除外銘柄は以下のとおりです。
- サイバーエージェント
- GMOペイメントゲートウェイ
- 博報堂DYホールディングス
- 京王電鉄
- 小林製薬
- 栗田工業
- LIXIL
- 日本ガイシ
- パーソルホディングス
- ウエルシアホールディングス
これらは前場の前半で軒並み2〜4%ほど値下がりし、前場の後半から急反発しました。
大引けにかけて、つまり15時または寸前にリバランスが行われ、出来高が急増するわけですが、実際の値動きをみていると通例大引けはむしろ反発しています。
このアノマリー(過去の経験則)に沿えば、場中の下押し局面で買い向かえば、比較的高い確度で利益を得られるのではないかと考えられます。
例:京王電鉄
たとえば今回で言うと、前場で大きく下げていた京王電鉄(9008)を買い増しました。
赤い楕円の部分が11月30日分
するとやはりその後は引けにかけて急反発し、結局プラスで終えました。
もちろんたまたまの可能性もありますが、MSCI除外銘柄はこうした動きをすることがけっこうあります。過去にはJR九州もそうですね。
まとめ
- MSCIのリバランスは、5月末と11月末におこなわれる
- 除外銘柄は、大引け15時寸前に売られるが、安値引けとはならず、むしろ場中に安値をつけ、引けにかけて反発する傾向
- この場合、場中の下押し局面で買い向かえば、比較的高い確度で利益を得られるケースあり
日本株はこうした一時的かつ特殊な需給要因で値動きに法則性や季節性が生まれることがあります。
それを知っている人は、定期的に利益を上げられる確度が高くなるということですね。
知は力なり、ということでしょうか。
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