高配当株「セリア(2782)」の株価が急反発、背景に円高あり

セリアの株価チャート(出所:TradingView)
100円ショップ業界2位のセリア、やはり円高を機に株価が急反発、少なくとも短期的には底入れした感じですね。
セリアの株価が、円高で上昇する理由

セリアの株価、ドル円チャート(出所:TradingView)
水色のドル円チャートとセリアの株価を見比べると、とくに2022年以降、綺麗に逆相関となっています。
- 円安のとき:セリアの株価は下落
- 円高のとき:セリアの株価は上昇
これは、以前「高値から72%下落、高配当株となった「セリア(2782)」は買いか」の記事で記したとおり、セリアは円安で「①原価上昇、②輸入エネルギーによる光熱費の上昇」でコスト増、減益要因となるからです。
減益要因は、あくまで「一時的な現象」か

2023年3月期 決算説明資料(出所:同社IRライブラリー)
- 実際に、原価と水光熱費の上昇、つまり「原材料価格の上昇、および円安によるエネルギー単価の上昇」が影響していることが見てとれます。
であるならば、円安と原材料高が反転すれば、業績の回復が見込めるという判断につながり、構造的な要因というより、円安・資源価格の上昇による一時的な現象となる可能性を念頭におきたいところです。
今後のドル円相場はどうなるか
では、今後は円高となるのでしょうか。
日米の金融政策と米景気の動向から探ってみましょう。
CME Fedwatchによると、市場参加者は2024年内にFRBが3~4回の利下げを実施することを織り込んでいます。

出所:CME Fedwatch
背景として、以下が挙げられます。
- 今月発表された雇用統計で労働市場が弱含んでいることが確認され、
- さらには消費者物価指数が予想を下回ったことで、FRBのインフレ退治が奏功しつつあることを再確認できた
したがって、このままその傾向が変わらなければ、米長期金利が軟調に推移し、日米金利差縮小から円高圧力がかかりやすい状態と言えます。これは米国側の金融政策要因です。
では日本側の金融政策はどうでしょうか。日銀の植田総裁は、YCC柔軟化によって日本の長期金利が1%を超えて上昇することを実質的に容認したような恰好です。
これは、YCCで人為的に日本の長期金利をおさえていた以前よりも、円高方向に圧力がかかりやすい状況と言えます。
したがって、日米の金融政策、ならびに米景気が減速傾向にあることをふまえると、ドル円相場は以前よりドル高圧力がかかりにくい状況と言えると思います。
つまり、今後、円高方向へ傾くシナリオに賭ける人は、セリアの株式を買うことで値上がり益と高配当を両どりできる可能性があります。
まとめ
以上から、以下のように整理できると思います。
- セリアの足もと減益要因は、円安による原価上昇・エネルギーコストの上昇
- 実際、円高傾向にあるいま、セリアの株価が急反発している
- 今後も円高方向に進むシナリオに賭ける場合、セリアの株式を買うことで、値上がり益と高配当を両どりできる可能性を見いだせる
もちろん、株価を精緻に予測することは困難で、予期せぬ突発的な事象でシナリオは千変万化します。
ただ、そうした事象がなければ、以上のように整理できると思います。
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足もと、グロース株が顕著に優位となっています。
保有株に対しては、現時点では年末まで強気の姿勢で臨みたいと思います。