ジュニアNISA廃止後「①子名義の未成年口座、②親名義の新NISA」どちらがよいか
以下のご質問に回答しています。
読者
子どもの資産運用をはじめたいです。
2023年末にジュニアNISAが廃止されるので、子どもの資産運用は
- 子ども本人の未成年口座
- 親名義の新NISA
どちらがいいでしょうか?
題名: 子供の資産運用について(お伺い)
メッセージ本文:
突然のお伺いメールで失礼致します。
貴殿の職場に依存しない、主体的に生きるというお考えに感銘を受けつつ楽しくブログを拝見しております。
さて、この度は標記についてご意見を賜りたくご連絡させて頂きました。
ご多用のところ大変申し訳ございませんがご見解等をお伺いさせて頂きたくお願い申し上げます。
先日、子が生まれた事もあり標記運用及び未成年口座の開設を考えるに至りました。
(資産は結婚資金等自分の将来の足しにしてくれればと考えています)
子供の資産運用といえばジュニアNISAが挙げられますが、今後は廃止される事となり「未成年口座」で運用する場合は投資信託のみになると思われます。
しかし、未成年口座の投資信託であれば利益に20%程の税金が掛けられ、その利率は今後増える可能性があるとの見解もあるようです。
つきましては、以下点に係るご見解をご教示頂きたくお願い申し上げます。
- 子供の資産運用は子供本人の未成年口座ではなく親名義の新NISA等の方がいいのでしょうか。
以上、何卒ご教示頂きたくお願い申し上げます。
いつもご覧いただきありがとうございます。また、お子さまのご生誕、まことにおめでとうございます。
ジュニアNISA廃止後は、親名義の新NISAのほうがよい
結論から申し上げますと、2023年12月末でジュニアNISAが廃止された後は、お子さまの資産運用は親名義の新NISAでおこなうことが望ましいかと思います。
親から子への日常の生活費や教育費は贈与税に当たらないため、成人後の多額の贈与等を考慮しなければ(※)、子ども名義で課税口座(特別口座)で運用するよりも、親名義の非課税口座(新NISA)で運用したほうがよいと考えられます。
もし仮に下線部が贈与税に当たるなら、親名義の資産を増やしても子のために使うときに課税されることになります。
しかし贈与税とはならない以上、親名義で運用して増やしても、子名義で運用して増やしても贈与税は生じず同じです。ならば、子名義の課税口座より親名義の非課税口座(新NISA)のほうがよい、という整理です。
ちなみに
ジュニアNISAは2023年12月末で廃止されます。すでに購入した分は保有継続できますが、新たな買付はできなくなります。
新NISAの対象者は18歳以上なので、18歳未満の未成年向けのNISAはなくなります。
※…たとえば成人後に多額の贈与がある場合は、「課税口座による税負担デメリットより、子ども名義での運用によって将来の贈与や相続税が少なくすむメリットが上回る」という可能性も考えられるため留保
また、もし入金力が年間360万円以上あって、新NISAの投資枠(年間360万円)はご自身(親)の運用分だけで埋め、さらに上積みでお子さまの運用をされる場合は、別途お子さまの未成年課税口座を開設することになろうかと思います。
しかし年間360万円以下の入金であれば、親名義の新NISAを埋めきるわけではないので、お子さまのための運用分は、やはり「親名義の新NISA」を活用することがよいかと思います。
子どもの資産運用、新NISAで何に投資するか
ここからは蛇足かもしれませんが、ご参考までに記しておきます。
子どものための資産運用ということで、親御さんの考え方次第ですが、お子さんとともに運用状況をリアルタイムで点検・確認していくという方針もあるでしょう。
いわば、「投資でお金が増える、という資本主義社会の側面を知るための金融教育」という位置づけですね。
ただ、あまり子どもの頃から金融について知るのは結果的によいかわるいか、なんとも言えない部分もあるとは思います。
「なんでも金銭を尺度に物事を考えるのは、人としてどうなのか考えものだ」といった考えもあるでしょう。
ですからあくまで教育方針次第ですが、もし投資を子どもと一緒にやっていくのであれば、新NISAで
- 無分配の投資信託だけでなく、
- 分配金ありのETFにも投資する
ことで、「お金がお金を生む」という実感を得やすいと思います。詳細は下段の関連記事に記しておきます。
まとめ
読者
子どもの資産運用をはじめたいです。
2023年末にジュニアNISAが廃止されるので、子どもの資産運用は
- 子ども本人の未成年口座
- 親名義の新NISA
どちらがいいでしょうか?
- 親から子への日常の生活費や教育費は贈与税に当たらないため、成人後の多額の贈与等を考慮しなければといった条件つきながら、子ども名義で課税口座(特別口座)で運用するよりも、親名義の非課税口座(新NISA)で運用したほうがよいと考えられる
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