日本株は長期金利低下で「グロース株」が「バリュー株」を大きく上回る展開
2023年11月15日の日本株式市場は、
- グロース株主体の日経平均株価:+2.52%
- バリュー株主体のTOPIX:+1.19%
という値が示すように、バリュー株よりもグロース株が非常に強い日でした。
9月末からグロース株優位の傾向がつづく
補足
上図は「バリュー株÷グロース株」を示し、下に行くほど「グロース株優位」であることを示します
グロース株が相対的に強い状況は、9月末から続いており、10月末からとくにその傾向が顕著です。
10月末というと、ちょうど米国の長期金利が反落しはじめた時期です。
米長期金利が低下し、グロース株に追い風
米国の消費者物価指数が予想を下回ったことで、長期金利が下落しました。
成長株に逆風であってきた高金利が是正されつつあることで、足元ではグロース株が好調な推移を見せています。
具体的には、保有株で言うと以下銘柄です。
- ジンズホールディングス +2.93%
- サイバーエージェント +5.67%
- 楽天グループ +4.02%
- ソフトバンクグループ +5.19%
- エムスリー +5.52%
- GENDA +5.18%
グロース株は金利上昇に弱く、低金利で強含む傾向があるため、今後さらに米長期金利が下落すると、グロース株優位な展開がつづくことが予想されます。
市場は金利低下を織り込む動き
先日の米国の消費者物価指数が予想を下回り、また労働市場の指標が最近はやや弱いことから、利上げの必要性がうすれてきていることを再確認できたような状況です。
したがって、徐々に市場の関心は「さらなる利上げがあるかどうか」から「現在の高金利がいつまで続くか」にシフトしてきています。
この状況は、やがて「いつ利下げに転じるか」という金利低下を織り込む動きにつながっていく可能性があり、その場合はグロース株にとって支援的です。
株式市場のトレンドは、常に「千変万化」
株式投資というものは、ほんとうに一寸先は闇で、たった今まで好調であった銘柄が一気に相対的に弱くなり、逆にたった今まで不調であった銘柄が一気に反騰することもあります。
直近たたき売られていた成長株がここ数日は大幅上昇。
・MonotaRO(3064)
・エムスリー(2413)
・オイシックス(3182)
・ベネフィット・ワン(2412)対して直近買われていた銀行株が下落。
たたき売られている株を買い向かうのは勇気がいるけど、反転すれば買値の安いお宝ポジションに。 pic.twitter.com/84jCFVVIP9
— 穂高 唯希|新刊 #シンFIRE論 (@FREETONSHA) November 6, 2023
そのように、まさに株価自体のトレンドが君子豹変するので、投資家自身もときに君子豹変することで、超過リターンを手にすることにつながると思います。
つまり、
- 人々が熱狂しているときに警戒し、
- 人々が悲観しているときに買い向かい、
- バリュー株が優位なときは成長株にも目くばせし、
- 逆に成長株が優位なときはバリュー株に目くばせする。
そうして大衆の裏を行くことが、結果的に超過リターンを生むことがあります。
とはいえ奇をてらいすぎるのも考えものです。その塩梅がなんとも株式投資の妙であり、難しいところでもありますね。
まとめ
- 足もと日本株は、グロース株がバリュー株を上回る展開
- 米国の労働市場と消費者物価ともに弱含んでいることで、米長期金利が低下していることで、グロース株に追い風となっている
- 市場の関心は徐々に金利低下を織り込む動きへシフトするか
- 今年はバリュー株が絶好調だったが、金利低下が続けばグロース株に追い風となるシナリオを頭に入れておきたい
上段のツイートで記したような銘柄が一例ですが、外部環境で不当にたたき売られている株をしっかり買い向かっていくことで、中長期的には大きな利益を得られる可能性が高まるので、引き続きその点を意識したいと思います。
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