先週のような株価下落局面で買い向かう姿勢が、長期的な資産形成に寄与する

Twitter

先週のような株価下落局面で買い向かう姿勢が、長期的な資産形成に寄与する

日経平均株価は上値の重い状況が続いてきました。昨日はやや反発したものの依然として過去半年では安値圏という状況です。

SNSで「ブラックマンデーの再来」が耳目を集める

上値が重い状況もあってか、SNSでは、

  • チャートの形が似ている
  • 米長期金利が高い
  • 逆イールドの解消

などの観点から「ブラックマンデーの再来」と暴落をはやし立てる投稿もみられました。

ただ、経験上、このように暴落予想がそれなりに耳目を集めて、本当にその後暴落したことは実体験として記憶にないのです。2010年代後半の米国株も同様でした。

暴落が起きるメカニズム

リーマンショックやコロナショックといった暴落には、売りが売りを呼ぶパニック売りの連鎖がありました。

① 先がまったく見通せない恐怖

不安やパニックの主因として挙げられるのが、「先をまったく見通せない不透明さ」です。

過去の暴落における「不透明感」とは
  • リーマンショック
    この先、サブプライムローン担保証券が組み込まれた商品がどの程度あり、債券格付けがどれだけ誤っていて、急激な信用収縮で金融市場が機能不全になるのではないか
  • コロナショック
    この先、疫病が蔓延して、世界経済が機能不全となり、人類が激減するのではないか

当時暴落しているとき、これら不透明感と恐怖に対して明確にNOと言える材料はありませんでした。だからこそパニック売りが起きたと言えます。

こうした不透明さがあると企業業績も予測できず、割安度を測る指標やテクニカルな下値抵抗線もなにも機能しなくなり、下値のめどがわからなくなります。

どこまで下がらないかわからない状態では、人々は最悪の事態(破産)をおそれて我先に投げ売りし、暴落に至ります。

②「陶酔」で買いポジションが積み上がる

そしてパニック売りは、大多数の人が暴落を予期していないときに起こります。

それどころか陶酔とも言える楽観的な投資家が多く存在する局面では、信用買い残が増え、そうした状況で下落すると、下落に耐えきれず損切り(=売却)をすることでさらに下落に拍車がかかります。

対して、事前に暴落を予想する人がそれなりにいると、空売りもそれなりに積み上がっているので、潜在的な損切り売り、つまり売り需要が増えにくくなります。これは株価の下支え要因になりえます。

暴落シナリオがただちに実現する可能性は低いか

たしかに今般、日本株は個人投資家の信用買残が歴史的に多く需給悪化要因ですが、リーマンショックやコロナショックほどの暴落トリガーとなる要素は、以下に挙げる程度で、今のところ考えづらいというのが正直なところです。

  1. 国債バブルの崩壊(日米の財政破綻)
  2. 貨幣バブルの崩壊(既存通貨への不信)
  3. 脱米ドル
  4. 中東情勢の悪化

たしかにこれら、とくに①・②が起こると市場が機能不全になるリスクが高いですが、メインシナリオというよりかは、ただちに起こる可能性としては低い、というのが衆目の一致するところかと思います。

もちろん、私に見えていないだけの可能性も大いにあるのですが、上に挙げたものでは「まったく先を見通せない恐怖」に至るほどのものは見いだせないんですよね。

「あおられて売る」のか、「主体的に買い向かう」のか

したがって、先週のような下落局面では、「暴落や不安をはやし立てる投稿に影響されて、ろうばいして売る」という行為が最も避けたいことだと私は思います。

むしろ、そういう局面で自分の判断で買っていく。

株式市場は、短期的には需給や思惑に左右されますが、長期的には国の経済状態や企業業績(ファンダメンタルズ)に収れんしていくことになります。

日米ともに、目先は買い材料がめだつ

米国はFRBという買い手がいなくなったことで国債の需給が悪化しているとはいえ、インフレが鈍化し、経済も強く、企業業績の見通しも堅調です。

日本も金利環境がよく、名目GDPと経常利益は過去最高を更新。TOPIXのEPSも向こう3年間は増加で、日銀短観など経済指標は堅調で、名目株価の上昇を正当化しやすいインフレ期に移行しつつあります。

したがって、引き続き日本株は妙味を感じる個別銘柄を買い進めていく方針に変わりありません。

下落局面で買い向かうことが、資産形成に寄与する

一に買値、二に買値、三四がなくて、五に買値という考えのもと、個人的には先週の下落局面は日本株を買いました。

米国株については、米短期債はすべて売って、米国株を買いもどしました。これは別途記事でまとめます。

もちろん、将来の株価はわからず、本当に暴落してしまうと買わないほうがよかったとなるわけなので、さらに下げたときに買えるだけの買付余力を確保しておくことが肝要と思っています。

上昇、下落、株価がどちらに転んでもよいように、過度なリスクをとらないことが、冷静に手堅く資産運用をしていく要諦になると考えます。

関連記事

直近の米国経済の状況は、以下にまとめています。

年末にかけての米国株投資戦略「短期債を活用、下押しねらう」
年末にかけての米国株投資戦略 目下、日本株が大ブームですが、そういうときは米国株にも目くばりしておきたいと思います。 米国経...

日本株は下押しする場面では積極的に買い進める姿勢です。

日本株は「中長期的に買い場」との認識に変化なし
日本株は「中長期的に買い場」との認識に変化なし 最近の日経平均株価は調整しており、チャートの形状もややダブルトップ気味であまりよい...

「買値が重要」という基本事項の徹底がたいせつだと思っています。

投資の教訓「一に買値、二に買値、三四がなくて、五に買値」
投資の教訓「一に買値、二に買値、三四がなくて、五に買値」 投資を20年以上やってきましたが、あらためて自戒を込めて教訓を記しておきたいと思...
新刊「#シンFIRE論 経済・精神の自由を手に入れる主体的思考法」
騒がしすぎる世界で、「主体的」であれ
スポンサーリンク

にほんブログ村 株ブログ 米国株へ

外国株式ブログランキング

Follow me by FREETONSHA

公開日: