ジンズホールディングス(3046)好決算で株価は一時5%超上昇、決算内容まとめ
10月13日に発表された「ジンズホールディングス(3046)」2023年8月期決算はよかったです。

ジンズホールディングス 株価チャート(出所:Yahoo!ファイナンス)
週明け10月16日、株価は3,780円へ一時5%超上昇。日経平均株価が2%超下落するなか、プラスで引けました。

ジンズホールディングス 株価チャート(出所:Yahoo!ファイナンス)
同社は高値から60%下落。ただし、今回の決算でも業績の底入れ感が強まり、来期予想で野心的な計画を示すなど、下段に述べるように今後に期待が持てる決算内容でした。
関連記事:高値から60%下落、ジンズホールディングス(3046)は買いか
2023年8月期 連結業績:底入れ感あり
以下、今年度の通期決算を確認します。
営業利益が大幅に伸びる

2023年8月期 決算説明資料(出所:同社IRライブラリ)
- 対前年実績で、営業利益の額・率ともに大幅に増え、純利益も倍以上に伸長

2023年8月期 決算説明資料(出所:同社IRライブラリ)
- 対計画でも営業利益は伸長
- 純利益の計画未達は持分法適用会社の減損の影響なら、本業による影響ではないとの判断につながる
国内:復調、海外:大幅に改善

2023年8月期 決算説明資料(出所:同社IRライブラリ)
- 国内の既存店が回復、海外が大幅に伸長
なお、国内EC事業に属する「JINSアプリ会員数」が1,127万人→1,372万人へと大きく増えているのが印象的です。
実際にJINSアプリを使ってみると、フレームの色・素材・サイズ、鼻パッドを選べ、さらにバーチャル試着まで可能。
対して、同業他社「Zoff」で最近メガネを買った際は、類似のアプリはなく、LINE会員登録だけでした。JINSのほうが先進性を感じる点です。アプリレビューも良好。
コロナ禍から回復基調

2023年8月期 決算説明資料(出所:同社IRライブラリ)
- コロナ禍からは順調に回復。直近の月次売上も好調で、期待の持てる内容でした
店舗微増も、来期は出店加速

2023年8月期 決算説明資料(出所:同社IRライブラリ)
- 国内店舗は微増
したがって、飽和気味かと思いきや、そうでもない強気の姿勢が来期予想で示されています(下段で後述)。
「メガネの多機能化」で単価上昇

2023年8月期 決算説明資料(出所:同社IRライブラリ)
- 一方、国内の単価は上昇
先日の記事でも記したように、ランニング・ドライブ・ゴルフなど、さまざまなアウトドア用途にあわせた「有料オプションレンズ」を5,500円で追加できます。
こういう「今までになかった需要の掘り起こし」による単価上昇が、今後の国内事業の柱の1つになっていくと思います。現に単価上昇が足もとで現れつつあるようです(上図)。
総括
決算書全体を総括すると、「国内外は対前年で総じて増収増益となり、業績の底入れ感あり」と言えます。
2024年8月期 通期業績予想:野心的な成長加速
次に、来期の通期予想を確認します。
増収・増益、とくに純利益は大幅増を見込む

2023年8月期 決算説明資料(出所:同社IRライブラリ)
1株利益132円予想なので、予想PERは27倍で成長株としては高すぎることはない数字。
過去PERは22~50倍のレンジで推移しているので、過去と比較すると割安に類する水準です。
野心的な新規出店

2023年8月期 決算説明資料(出所:同社IRライブラリ)
やや意外ながら、海外にかぎらず国内もまだまだ出店を加速させる野心的な計画ですね。
眼鏡というと斜陽産業のイメージです。しかし、JINSの場合はバーチャル試着や多機能化などで、既存の概念と一線を画すアイウエア事業を志向しているので、こうして「新規出店+単価上昇」で業容拡大のイメージを持てる決算内容です。
オプションレンズによる単価上昇の継続を見込む

2023年8月期 決算説明資料(出所:同社IRライブラリ)
現に上図を見ると、オプションレンズの装着率を上げることで単価を上げていく戦略が見てとれます。
まとめ
以上、2023年度の実績と2024年度の通期予想から、以下のようにまとめられます。
- コロナ禍で落ちた業績は底入れ感が強い
- JINSアプリのバーチャル装着など先進技術の活用がみられる
- 既存のメガネになかった、多様なアウトドアに合わせて多機能化した「有料オプションレンズ」による単価上昇がみられる
- 国内外ともに新規出店の加速を計画しており、「数量+単価」の両面での業容拡大の企業方針を感じさせる決算内容
ジンズホールディングスは、中長期的に準主力まで引き上げてもよい銘柄だと現時点では考えています。
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購入した際の記事です。
買値が重要という事実に立ち返り、今年後半は低調な成長株に対して逆張りスタイルです。