高値から84%下落、ベネフィット・ワン(2412)は買いか
高値6,000円からなんと84%下落している「ベネフィット・ワン(2412)」を買いました。
最近の日本株は、グロース株の下げが目立つ
以下はベネフィット・ワンと業種が関連する銘柄や、同じく小型成長銘柄の10月13日の値動きです。
グロース株のなかでも時価総額が大きくない小型株の下げが大きいことがわかります。
インフレ・金利上昇で、この2年間はバリュー株優位
最近にかぎらず、この傾向は直近2年ほど続いています。
上図は「TOPIXバリュー指数 ÷ TOPIXグロース指数」の推移です。
世界的なインフレ・金利上昇が起きた2022年以降、一貫して上昇、つまりバリュー優位が続いていることがわかります。
金利が上昇すると、債務比率が高いグロース株は、利払い増加によって収益が圧迫される度合いがバリュー株より大きく、売られやすい傾向があります。
そしてさらにバリュー株に追い風となったのは、2023年3月、東証による「PBR1倍割れ是正要請」です。割安さが着目されるカタリストとなり、バリュー株の好調が続いています。
いつまでもバリュー株優位ということはない
ただ、そろそろグロース株を買い始めてよいかなと思って最近買っています。グロース株とバリュー株の優劣は循環するので、いつまでもバリュー株優位ということはありません。
世界的なインフレが沈静化し、長期金利の上昇が一服すれば、グロースが盛り返しやすくなります。現に最近は日経平均株価がTOPIXより強い状況が少しずつ見られ始めています。
米国のインフレも高止まりは続きそうですが、ピークは過ぎ、徐々に「金利をどこまで上げるか」から「いつまで高止まりさせるか」にフェーズが移ってきています。
「お宝ポジション」の構築
加えて、株式投資の鉄則として、
- 株は買値が重要
- 買値の安い「お宝ポジション」があると、心地よい投資が実現する
ということが挙げられます。
したがって、好調がつづいて割安さがかなり是正されてきた大型バリュー株よりも、逆にベネフィット・ワンのような直近下げが目立つグロース株柄を最近は購入しています。
以上が、相場全体に対する視点です。では次にベネフィット・ワンという個別企業について。
福利厚生の内容は可もなく不可もないが、企業にとってはメリット
同社は、官公庁や企業の福利厚生を代行するサービス「ベネフィット・ステーション」を運営しています。
私も会社員時代に、利用を検討したことがあります。スポーツクラブや映画館など割引がありますが、個人的には「可もなく不可もなく」といった印象です。勤務先の福利厚生の手厚さに比べると見劣りしました。
ただ、一般の企業からすれば自社で保養所や個別契約を持たずとも、ベネフィット・ワンと一本契約すれば一手に福利厚生がまかなえてしまう、というのは大きなメリットなのでしょう。
業績は現時点で順調に推移
上図のとおり、売上・利益ともに成長傾向。
直近はワクチン事業の反動で減益も、2024年3月期の業績予想は再び成長回帰としています。
野心的な長期展望
今後の長期戦略は、利用者を現在の7倍となる6,700万人まで引き上げるという、かなり野心的な展望です。
現在のトレンドを考えると、たしかに「自社で保養所や福利厚生サービスを提供する体力のある、または経営姿勢の企業」は明らかに減ってきていますし、保養所運営も今は子会社化や外注をすることで人件費を下げる傾向がみられます。
そういう意味で、時代(というか企業側)のニーズとは合致しているのでしょう。個人的には個社ごとの保養所のほうが味わい深くて断然好きですが…(笑)
指標面:成長株なのにPER20倍で、4%近い高配当
- PER:20.8倍
- PBR:7.45倍
- 配当:3.75%
最近のすさまじい株価下落により、成長株なのにPERはもはや20倍と、成長株らしくない水準の低さまで下がってきています。
また、配当利回りも3.75%ともはや高配当の領域。
配当も増やし続けており、何気に減配なしの連続増配企業です。
まとめ
- 2022年以降、インフレ・金利上昇でグロース株よりバリュー株が優位
- しかし、グロース株とバリュー株の優劣は循環する
- 世界的なインフレ・金利上昇が落ち着いてこれば、グロース優位の展開へ回帰する可能性が高いと考える
- 直近の高値からの下落率は84%で、PERは20倍、配当3.75%の高配当株に
- 業績は成長傾向で、同社の長期展望は10年で会員数7倍と野心的
今後も引続き、逆張りで、安値買いによるお宝ポジション構築をまったりねらっていきたいと思います。
関連記事
ほか最近買った日本の成長株です。