「悠久の割安株」三菱地所(8802)の株価が動きはじめている

出所:Yahoo!ファイナンス
弊ブログで何度か報じてきた「三菱地所(8802)」の株価が9連騰と動意づいてきました。
上のチャートを見ると、綺麗な形をしつつあります。
特にこのところ、今までと異なる動きをしていて、日経平均が弱い地合いでも底堅い上昇が目立ちます。
三菱地所の状況
直近の状況をおさらいすると、以下に集約できます。
① この10年、業績は右肩上がりなのに、株価は右肩下がり

EPSの推移(出所:決算資料)

三菱地所の株価(出所:Yahoo!ファイナンス)
② 保有不動産の含み益を加味すると、純資産に対する株価は非常に割安(PBR0.4倍台)

出所:決算資料
③ 不動産株は一般的に金利上昇に弱く、日銀の政策変更は逆風であるが、三菱地所の財務は金利上昇に脆弱ではないと思われる

長期固定比率の高い有利子負債(出所:決算資料)
④ コロナ禍以降、オフィス市況は弱いが、丸の内エリアの空室率は相対的に低い

全国平均より底堅い丸の内オフィス需要(出所:決算資料)
補足
ただし、
- 含み益が膨大であることは、IR資料を確認している投資家ならば既知のことで、そこに超過リターンは望めないであろうこと、
- また、保有不動産の含み益は売却してはじめて実現益となるので、現金化しない限りは「絵に描いた餅」にすぎないこと、
なども認識しておく必要があるかと思います。
まとめ:株の利益は我慢料
以上の状況を見るに、「金利上昇に脆弱な財務でないにも関わらず、金利上昇が意識された局面で売られすぎていた」という見方は可能です。
特に直近の10年で株価が右肩下がりだったので、期待値が非常に低い雰囲気が漂っていました。そういう銘柄は相対的に上値余地もみられます。
また、長期固定比率の高い借入は、インフレになるほど有利になると考えられます。
ただし、PERについては13倍台とさほど割安感はありません。中期の材料としては、第2四半期以降に計上される売却益の規模感がいずれ材料視されるものと思います。
いずれにしても株は我慢ですから、急いて結果を求めないことが肝要かと思います。
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