消費者にきびしく、株主にやさしい世界

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サービス改悪、利用者損し、株主得す

昨今、日本航空(JAL)に関して、以下のような構造的な変化が見られます。

  • 特典航空券:改悪
  • 経営効率:改善

JALの特典航空券が改悪

2023年4月以降、JALの特典航空券は以下変更がありました。

  • 一部路線の必要マイル数が増加
    例:「羽田 → 那覇」は「7,500 → 9,000マイル」に
  • 予約変更は一切不可

今まで当日も日程や時間の変更ができた特典航空券ですが、変更不可となり、キャンセルする場合でも3,100円の支払いが必要になりました。

依然としてJALのマイレージサービスは魅力的な内容ではありますが、以前と比べるとやや見劣りする結果になりました。

対照的に、以下に述べるように、JALの業績は好調です。

JALの経営効率は改善

コロナ前に比べ、旅客需要が回復途上でありながら、増収増益です。

出所:決算資料

出所:決算資料

2023年4-6月の旅客需要は、コロナ前と比べて「国内線93%、国際線65%」と回復途上でありながら、増収・増益。

背景に「運賃単価の上昇」と説明されています。要は値上げです。

株価チャート

業績好調にともない、株価はコロナ禍の1.6倍に。配当も復活しました。

以上をまとめると、以下の側面を見いだせます。

「コロナ禍」以降の変化
  • 株主は恩恵を受けている
  • 消費者は、運賃が上がり、特典航空券の必要マイル数も増え、負担増

私自身、コロナ禍でJAL株を買い、特典航空券を使う利用者なので、上の両方を実感しています。対照的です。

したがって、以下の側面も見いだせます。

サービスの改悪、株主得し、利用者損す

JALの特典航空券 改悪の影響

  • 株主には経済的利得
  • 利用者には経済的損失

このように、サービスの改悪は、利用者には損失ですが、株主には往々にして利得になることがあります。

つまり、株式投資は「生活のリスクヘッジ」になることがあります。サービスが改悪されても、「利用者としては悲しいが、株主としてはうれしい」という両面を持つことで相殺できます。

社会構造がそうである以上は自分が素早く適応することが一策です。

とくに今まで日本は原材料価格が上昇しても、値上げして製品に転嫁しなかったわけですが、人件費も名目で上がり始め、昨今は製品の値上げが相次いでいます。

そのようなインフレ時代には、単価上昇によって企業収益は伸びやすくなるので、「消費者は損するけれども株主は得する」という現象が今後も相次ぐでしょう。

したがって、株式投資によって「生活のリスクヘッジ」が一案になってくるかと思います。

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