GLP投資法人(3281)14.6%の増配、分配利回り4.3%へ
物流施設に投資するJリート「GLP投資法人(3281)」は、2023年8月権利の一口当たり分配金が14.6%増(前回発表 2,792円 → 3,199円)と発表しました。
これによって、分配利回りはコロナショック以来の 4.3% まで高まっています。
分配利回り:コロナショック以来の高い水準
8月25日時点の終値で、分配利回りは4.3%。
これは、コロナショック直後の2020年4月以来の高い水準です。
株価:3年ぶり安値水準
株価もコロナショック以来の安値水準となっています。
物流系リートはコロナ禍で物流需要が高まり株価が堅調でしたが、コロナ禍が退潮した2022年初から総じて軟調に推移。相対的な割高感が是正される局面が続いてきました。
GLP投資法人も直近高値の約200,000円から30%下落。ほか物流リートより下落幅が大きくなっています。
1倍超えが続いてきたNAV倍率も0.99まで下がり、相対的な割高感は数字上みられません。
物流系リートにおいて外部環境の変化は特段みられず、GLPのポートフォリオも大きな変化はなし。コロナ禍を終え、空室率が高まる物流施設もあるなか、稼働率99%と堅調です。
分配金:増加傾向
GLPはもともと規模が大きいですが、増資によってさらに規模を拡大。物件を新規取得し、増配傾向です。
Jリートの特徴
ちなみに、Jリートへの投資に際しては、以下をおさえておきたいところです。
- 安定・高配当 ⇔ 成長性
- 「資金調達コスト(増資・借金)< 新規取得物件の利回り」=株価・配当の成長
一般に、Jリートは利益の90%以上を配当にまわすことで法人税の免除を受けています。したがって利益剰余金を成長投資にほぼまわせず、成長投資には増資や借入が必要です。
そのため、増資や新規借入に消極的なリートは、成長性に欠ける可能性があります。
一方で、積極的な増資によって優良物件を増やすことができれば、資金調達コストと新規取得物件の利回り差分で、株価・配当の成長余地が広がります。
公募増資で一時的に需給が悪化し、株価が下落しても、上記成長期待で株価が成長するケースはよく見られます(例:最近のインヴィンシブル投資法人)。したがって、むしろ増資タイミングは中期的に買い場であることがよくあります。
なお、Jリートは、配当の分配原資がテナントの賃料であるため、安定的に高配当である傾向がみられます(ただし、コロナショックでホテル系リートは大幅な減配という例もあったことに留意)。
まとめ
- 8月権利の分配金は、14.6%の増配
- 分配利回りはコロナショック以来の 4.3% へ