映画『紙の月』:確実に1億円を盗めるなら、盗んでFIREしますか?

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映画「紙の月」:確実に1億円を盗めるなら、盗んでFIREしますか?

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テレビ東京「午後のロードショー」で観ました。

本作は6年前、つまりFIRE前にも観たことがあります。以前は本作に対してさほど興味を示していなかったそうです。

しかし今見ると、非常に興味深い作品です。

いかにして平凡な主婦だった銀行員が自壊していくか

本作は古い作品なので、あらすじ(ネタバレ)を含めて書きます。

ざっくり言うと、元専業主婦で平凡な銀行員が、巨額の横領をしていきます。

最初はデパートの化粧品を買う際に手元のお金が足りず、出来心で顧客の預金1万円を懐へ。

しかしこの時は一時的な出来心で、すぐにATMで自分のお金をおろして補填・返済します。横領には至りません。

ところが徐々に自壊していきます。

崩壊しはじめる「なにか」

同僚

不倫してるんです。

いろいろ我慢するのバカみたいで。

やりたいことはやりたいじゃないですか。

この同僚の一言で、人妻である彼女の何かが崩壊しはじめます。大学生の男と逢瀬を重ね、彼の借金を用立て、さらには豪奢な暮らしに没入していきます。

大学生の彼は、経済難から150万円の学費をサラ金で借りていたことが発覚し、うち60万を用立てると言い出します。

蟻の一穴

しかし結局、60万円どころか、勤務先の銀行で横領して得た200万円を彼氏に貸します。その際、以下のようなやり取りが交わされます。

彼氏(大学生)

これ受け取ったら何か変わっちゃいそう…

主人公(銀行員)

200万円くらい、何も変わらないよ

しかし、変わっていくわけですね。彼氏の直感は正しかった。

最初は出来心で1万円を顧客から借り、次は200万円を横領し、その後も額がふくらんでいきます。

顧客のうち1人が認知症で、「これなら(さらに)横領できる…」と主人公は気づいてしまう。

そうして横領を重ねていく。蟻の一穴で千丈の堤が崩れていくわけですね。

得た大金で、大学生の彼氏と高級スイートルームに泊まり、酒池肉林。高価なパソコンも彼に買いあたえます。

「お金を使って、何が変わったの?」

しかし、禍福は糾える縄の如し。よいことも永くは続きません。

やがて銀行員の先輩が感づき、横領がバレます。すべてが明らかになったとき、以下のやりとりが交わされます。

銀行員の先輩

何千万も一生かけて稼ぐようなお金を使って、何が変わったの?

(中略)

お金じゃ自由にはなれない。

ここでいうお金とは、(他人の)お金 という意味だと思うんですよね。

主人公は前半で「お金なんて、みんな一緒なんだから」と言っていました。

主人公は幼少期に「父の財布から盗んだお金で恵まれない子供たちに寄付をして、そのことを悪いと思っていなかった」という出来事があります。

つまり、「お金に色はない。どんな手段で手に入れたお金であろうが同じ。それがたとえ汚い手段で得た黒いお金でも」という含意と伏線があるでしょう。

だからこそ、横領という「(他人の)お金」で豪遊することに対して理性や倫理観がはたらかなかった。

「(他人の)お金を使って、何が変わったの?」

つまり、こういうことです。

銀行員の先輩

(他人の)お金を使って、何が変わったの?

(他人の)お金じゃ自由にはなれない

(他人の)お金では、空虚な愛と悦びしか得られなかった

横領がバレる前に、大学生の彼氏が浮気している現場を目撃し、その流れで主人公は別れを切り出されます。

いいものを食べて、飲んで、ほしいパソコンは買ってもらえて。それでも彼氏は空虚だった様子が描かれています。結局、貢がれて得たお金、つまり「他人のお金」で豪遊しても、空虚でむなしいということなのでしょう。つまり他人のお金とは、横領にかぎらず、貢がれたお金もふくまれるということです。

なお、大学生の彼はある意味まともで、主人公を「金づる」としては見ていなかったわけですよね。まだお金を貢いでもらえる状況で自分から別れを切り出したわけですから。

彼からすれば、お金があってたのしいけど、(そして横領しているとは知らずとも)、こんな豪奢な生活はいつか終わりが来る気がしていて、達成感のない空虚な悦びだったと。

横領という他人のお金を使うのは、「会社のお金で食べるご飯はおいしい」とかそんなレベルじゃないわけで。かりそめの快楽なわけですね。

お金の出所が黒ければ、幸せにはなれない。本当の幸せをつかみたいなら、清いお金を。

本作はそんな主題があるようにも思います。

確実に1億円を盗めるなら、盗んでFIREしますか?

FIREに関連づけると、本作からはこんな問いを連想することができます。

「相手が認知症で1億円盗んでもほぼ確実にバレない状況なら、FIREを望むあなたは1億円を盗み、そしてそのお金でFIREしますか。それで幸せですか」

「使えるお金」と「使えないお金」

ときどき、粗大ごみで1000万円出てくる話ってありますよね。

あれはおそらく「使えないお金」なのではないかと思ったりするわけです。

手元に持ってるだけで危険なのか、または良心の呵責にさいなまれるようなお金なのかもしれません。

まとめ

本当の幸せを得るには、「気持ちよく使えないお金」ではなく、「気持ちよく使えるお金」であることが求められると思います。

自分でまっとうに稼いだお金ならば、やはり気持ちよく使えます。

ほか、相続を受けるなどの場合も、まっとうな使い方をすることが、結局は自身の心の平寧につながるのではないでしょうか。

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