「年収1,000万円のバリスタFIREをしたい」というご相談
以下のご質問に回答しています。
読者
地方公務員、37歳既婚で、子は3人、運用額は6,500万円。
労働意欲はあり、欲を言えば勤労と配当で年収1,000万円。
アドバイスください。
題名: アドバイスをいただけませんか。
メッセージ本文:
こんにちは。
ブログや書籍で大変お世話になっております。
私は37歳既婚。
子どもは3人おり、上から4年生、3年生、年長になります。
資産は主に米国株式。
評価額として6,500万円ほど。
現在は田舎の公務員として勤務しておりますが、バリスタFIREくらいできないかと考えております。
それなりに働く意欲はあり、欲を言えば勤労と配当等を合わせて年収一千万世帯程の月収を得ていきたいです。
なかなか決断をできない中、なにかアドバイスをいただけませんでしょうか。
よろしくお願いします。
バリスタFIREとは、「生活費の半分を資産所得でまかない、残りの半分は労働収入でまかなう生き方」ということですね。実は米国のFIRE関連書は読んだことがなく、今しがた語義を知りました。
さて、「勤労と配当等を合わせて年収1,000万円のバリスタFIREが理想」とのこと。
数字に落とし込んで、実現性を判断する一助とする
決断をする際には、具体的に数字に落とし込んで、その実現性や妥当性を判断することが一案かと思います。
米国株の資産6,500万円ですと、
- 高配当株ETF【VYM】1本で運用すると、分配利回りは約3%なので、税後で年130万円の配当です
- VYM 7:JEPI3の比率で運用すると、分配利回りは約5%なので、税後で年230万円の配当です
- またはS&P500の年率リターンを7%(=過去と同等の水準)と仮定して、税前7%を取り崩すと、税後で年320万円の取り崩しです
最も資産所得が多くなる③の仮定でいくと、
- 年収1,000万円を得るには、残り680万円を労働でまかなう
- 年収800万円を得るには、残り480万円を労働でまかなう
ということになります。
したがって、公務員の30代後半の平均年収は600万円と理解しますので、以上の前提条件でバリスタFIREをする場合、現在お勤め分と同等かそれ以上の収入を別の勤労で得る必要があります。
ご自身1人で稼ぐのか、奥さまも働きに出るのかによっても実現性が変わってきますね。
もしあと3年ほど働いて、仮に年間200万円を貯蓄できる場合、資産は600万円増えて、資産所得は③の仮定でいくと30万円増えます。必要な労働収入はそのぶん少なくなります。
ほか資産所得に不動産投資も含める場合は、強い興味か意欲を持って、それなりに時間をかけて知見と経験を蓄積する必要があるかと思います。
ローンを組むことでレバレッジをかけて利回り10%の物件に投資できれば強いですが、人を選ぶうえに、物件によって千差万別なので、株式投資に比べると再現性は相対的に乏しくなります。簡便に資産所得を得るには、株式などの金融所得にはなってくるかと思います。
いただいた情報からですと、以上のような回答になります。
まとめ
こうして仮定を置いて、具体的に数値化していくことで実現性が見えてきますね。
そして、足りないもの、不足分を補うためにやるべきことを考える余地が生まれ、見えてくるものもあるかと思います。
労働収入のハードルを下げるには、少しでも長く現職(公務員)を続けて資産を積み増したほうがよくなります。しかし理想の生き方を実現する時期は後ずれします。
このジレンマに対して、どう折り合いをつけていくのか。そうして突き詰めて考えていくことが悔いなき人生につながるように私は思います。
そうして地道でも試行錯誤を継続することで、景色が変わる確度は高まっていくものと思います。ほかなにかありましたら、遠慮なくご連絡ください。
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JEPIは超高配当なアクティブファンドです。安定感のあるVYMをメインとして、分配利回りを上げるべくJEPIをサブとしてポートフォリオに組み込む人もいますね。
こんなツールもあります。私も試算してみたことがあります。ご参考まで。