【DPZ】ドミノ・ピザの株価が11%急騰した背景
7月13日の米国株式市場で、ピザ宅配大手「ドミノ・ピザ(DPZ)」の株価は11%高と急騰しました。
株価が急騰した2つの背景
以下が挙げられます。
- Uberアプリで注文可能に、売上高20%増の可能性
- そもそも株価が割安だった
① Uberとの提携で、売上高20%増の可能性
- 全米でUberのアプリでドミノ・ピザを注文可能へ
- ドミノは10億ドルの売上増(従来の20%増)となる可能性
同日ドミノ・ピザ(DPZ)とウーバー・テクノロジーズ(UBER)の提携が発表され、年末までに全米でUberのアプリでドミノ商品を注文できるように。
CEOのラッセル・ワイナーは「一部の顧客がUber Eatsアプリからしかデリバリーを注文しない場合、この取引によってドミノ・ピザが世界中の何百万人もの新しい顧客に利用可能になる可能性がある。Uberのアプリにメニューを掲載することで新たに10億ドルの売上を生み出すことを目指している」と語っています。
今までドミノ・ピザは、弊ブログでも紹介してきたとおり、自社アプリで宅配サービスを一元管理していました。
関連記事:【DPZ】ドミノ・ピザ、IT駆使して成長続く、宅配ピザ世界2位
ところが今般Uberでも注文できるようになったことで、今後も同業他社へ拡大する可能性があり、販路の多様化と売上の拡大が示唆されます。
現在アメリカやカナダでは、Uberが10代から利用可能になるなど、利用層が拡大しています。ふだんUberでしか宅配を利用しない層がドミノ・ピザを注文する機会が増え、新規顧客となることが見込まれます。
ドミノ・ピザの売上高は2023年決算で年間45億ドル。今般の提携で目標とされる10億ドルの売上増が実現すれば、全社売上の2割増に相当し、影響は大きいものとなります。
したがって、今回の株価11%増はその半分程度を織り込みにいったと整理できます(売上が利益に比例する前提)。
② 直近株価は過去10年で最も割安だった
株価が割高な状態では、好材料が出てもむしろ格好の利益確定のタイミングとみなされ、急落することがあります。しかし株価が割安な状態では反対に急騰につながる傾向がみられます。
ちょうど1か月前、弊ブログで記したように、ドミノ・ピザのPERは23倍と過去10年で最も割安でした。
2023年6月14日現在、米宅配ピザチェーン大手ドミノ・ピザ(DPZ)は、1株利益13.28ドルに対し株価305ドル。したがって、株価収益率(PER)は23倍。
PER23倍という値は、過去10年で最も低く、PERの観点にかぎれば現在の株価は割安と言えます。
下図は、上から順に「①株価・②1株利益・③PER」の推移を表しています。
同社はこの10年、PERが30倍以上の株価でしたが、ここに来て23倍と指標上は割安感があります。
私もこのとき購入しており、逆張りが機能した一例といえそうです。株価は1カ月で約30%上昇。ただし、逆張りはそのまま下がり続ける危険性もはらみます。
配当は5年で倍
なお、ドミノ・ピザの配当実績は以下のとおりです。
直近5年で倍。コロナ禍で絶好調でしたが、2023年は人件費やコスト高を背景に、増配率は10%と減速しています。
まとめ
- ドミノ・ピザは1か月前には過去10年で最も割安だった
- 以降株価は約20%上昇し、今回のウーバー提携でさらに11%上昇
- 背景にウーバーアプリでも注文可能になることで売上高20%増の可能性
- 教訓として言えること「割高時の好材料は急落となることもあるが、割安時の好材料は急騰となる傾向」
株式投資で利益を上げるには、安く買って高く売るに越したことはありません。結局は買値が重要になります。自分なりに成長が期待できる株をリスト化しておき、株価が下がっているときに「これは割安だ」と思えるものに投資をすることが一案です。
当然、失敗もありますが、買値が低くおさえられることもあり、そして長期的にはプラスサムゲームの株式投資は時とともに利益を得られることが多く、さらには失敗から学びを得ていくことで利益を得られる蓋然性も上がっていくと思います。
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