FIREして4年が経ち、感じること
2019年にFIREして、もうすぐ満4年。
4年の歳月が流れて感じることは、以下です。
- FIRE後の生活がようやく1周したように感じる
- 「目標→達成」を際限なく繰り返すのはラットレース
① 「集中 → 停滞 → 模索 → 安定」という1周を経た
1周というのは、以下4つの期間を経たという意味です。
- 集中期
- 停滞期
- 模索期
- 安定期
この4つを1周したことで、力まずに、心地よいペースで人生を歩めている気がします。集中期と安定期が適度に来ている感じです。
ちなみにこの4つの期間は、FIREしてなくとも、会社員人生にも存在するのではないでしょうか。
集中期とは
「なにかに集中している」時期です。
書籍の執筆や、除雪オペレータ、旅行(と、ゲーム?笑)などが該当します。この時期は集中しているので、余念・雑念がありません。
水泳でいうと、ひたすら練習に励んでいる時期です。
停滞期とは
「進歩・成長している感がない」時期です。
水泳でいうと、一通り目前の練習メニューをやり終えて、次は何の練習をしたらいいのかわからず、停滞を感じる時期です。
模索期とは
「停滞期に、このままじゃ微妙な気がすると感じて、状況を変えようと模索する」時期です。
しかし停滞を抜け出す起爆剤や答えがすぐに見つかるわけではありません。そのため、しばらく「もがく時期」です。
したがってしんどいわけですが、この時期が非常に重要だと思います。しんどい時期に、目を背けず、自分と正対し、しっかり落ち込むということです。だからこそ、正しく現状を認識でき、そこから工夫したり、新しいことに挑戦したり、現状を変えようと努めるなかで発見があるわけです。
この模索期があるからこそ、次の安定期につながります。
安定期とは
「うん、だいたいこんな感じね」と自分なりに感覚がつかめ、俯瞰できる時期です。
会社員でいえば、自社の事業の流れを、現場・営業・管理といった各視点で業務を経験し、仕事をある程度は総覧できた時期に該当します。
FIRE後の生活でいえば、集中・停滞・模索を経たことで、自分が今どの時期なのか把握でき、力まない日々を送れている気がします。だからこそ、以下の感想につながるのかもしれません。
FIREして本当によかった。
1日1回はそう思う。ありがたき毎日。
— 穂高 唯希|新刊 #シンFIRE論 (@FREETONSHA) June 16, 2023
②「目標 → 達成」という麻薬
あと、思ったことがあります。
とある友人がいて、彼はいわゆる英俊(エリート)です。一流大卒、一流企業を経て、今は国際機関にいます。そんな彼がこう言っていました。
友人
「キリがない」というのは、共感するものがありました。
たしかに目標に向かっているときは、がむしゃらに集中し、雑念なく、のちに振り返っても輝く時期でもあります。達成すればなおのこと。
一方で、何回か達成というものを経験すると、たとえば以下2つに分岐するのではないでしょうか。
- また意図的に目標を立て、達成すべく走る
- そのときにやりたいことをやる
私は②のほうがしっくりきます。1回または数回、「目標を立てる→達成する」といった人生体験があると、達成に対する執念というか執着というか、そういったものは相当薄れる気がします。
「際限なきラットレース」に御用心
目標設定は、その内容を一歩まちがえると「目標を立て、達成することが成功」という価値観のもとに、ある種のラットレースに組み込まれることにもなりかねません。
拙著『#シンFIRE論』に詳述のとおり、だれかと競ったり、なにかに焚きつけられるというのは、競争心などによって活力が高まる利点もある一方で、一歩まちがえるとみずから際限なきラットレースに突っ込むことになります。
まとめ、今後の展望
- FIRE後の生活がようやく1周したように感じる
- 「目標→達成」を際限なく繰り返すのは、内容によってはラットレース
今後もマイペースに、主体的に、それでいて冒頭の4つの期間を見いだしたように、自分を客観視したいと思います。
客観視という行動は、自分を知るための要諦。自分を知れば、自分の人生を切り拓き、幸福な人生を歩むうえで大きな助けになります。これは確信を持って言えます。
あとは次代につながることができたら僥倖。事によってはお金も必要なので、資産運用はしっかり続けます。
身近なところでは、やはりその時々の興味や心の声を聴いて、素直に行動に反映させたいと思います。
FIREして本当によかったです。「集中・停滞・模索・安定」の期間を経たからこその感慨なのかもしれません。
停滞期や苦しい時期は、自分の状況や感情から安易に目をそむけず、正面から向き合うことが決定的に大切だと思います。安易な逃げで自分を甘やかすことは、短期的な安らぎしか得られない。私はそう思います。
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