「失った過去があるから、今の我々がある」(映画『ザ・フラッシュ』の感想)

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「失った過去があるから、今の我々がある」

映画『ザ・フラッシュ』を観てきました。

ヒーローものを数多く手掛ける「DCコミックス」の出版したマンガが元になっている作品です。

以下ネタバレを少し含みます。

悲痛の衝撃が生む「模索」

本作で最も印象に残ったのは、本記事の表題のタイトルにある「失った過去があるから、今の我々がある」という旨のセリフです。

このセリフは、両親を失った過去を持つバットマンが、母を失ったフラッシュが過去に戻って母を救おうとする際に放たれたものです。

だれしも大切な人を失いたくないものですが、その失うという悲痛の衝撃を経験すれば、そこから立ち直ろうと努力と模索と試行錯誤を経て、はい上がり、また人生を歩むことになりますね。

その経験は痛みをともないますが、その後の人生を歩むうえで多くのことをもたらします。

生きていれば、いろいろ遭遇したくないこともありますね。しかしそれらの出来事がまったく無駄であったとも必ずしも言えないものと思います。むしろ何かを好転させる材料にすらなりますね。

人間を人間たらしめる感情

あと思ったのは、やはり映画のテーマには愛や情といった人間に普遍的にみられるものが多いですよね。

本作も家族愛がひとつのテーマとなっており、過去と現実という時間軸における葛藤が描かれています。

人間を人間たらしめるような普遍的な感情というのは、それだけ普遍的に刺さるものがあるでしょうし、だれしもが何かを考えるきっかけになりやすいものですね。

過去の自分にすら湧き起こる、嫉妬や葛藤

本作では、主人公のフラッシュが、過去に戻って、存命の両親と幸せに暮らす世界線の自分と一定期間を過ごします。

過去の自分に対する物言いなどを見ていると、どうも「やりきれない何か」を抱えているように見えます。

おそらく、両親が存命なのに、そのことに対する感謝や大切に思う気持ちがなくヘラヘラしている別の世界線の自分の様子を見て、嫉妬というか葛藤というか、そんな感情がうずまいているのではないかと推測できます。

そうした「いま目の前にある大切なものを、もっと大切にしろよ!」みたいなことを思えるのは、親を失った過去がある世界線のフラッシュだからこそ感じられることなのでしょう。

失うことで、得られる

目の前にある大切なものですら、なんとなくあたりまえになりがちですね。

「いま目の前にある大切なものを、もっと大切にしろよ!」

これは定期的に自分に叱咤してもよいこと。そしてこれは実際に失ったことがある人ほど、その切迫性を身近に感じられるのかもしれません。失ったことで得られた感覚、とも言えるでしょう。

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