中国は6か月連続で金(ゴールド)を購入

国家外貨管理局(中国)
中国・国家外貨管理局が5月7日に公表した外貨準備に関する統計によると、2023年4月の金保有量は6,676万オンスで、前月の6,650万オンスから26万オンス増加しました。
これで2022年11月から6か月連続で増加したことになります。
米国債を売り、金を買う中国
2022年3月に米国がロシアに対して米ドルによる金融制裁を実施して以降、世界最大の外貨準備を有する中国は、下図のとおり米国債を売って金を買う傾向が続いています(背景はこちらに詳述)。
この金保有量の増加はあくまで公的部門のみであり、輸入量はこれより増えていることから民間部門(市中銀行など)保有分の増加もあるでしょう。
各国の中央銀行が金を買っている

出所:Metals Focus, Refinitiv GFMS, World Gold Council
World Gold Councilによると、2022年における世界の中央銀行の金購入量は1,135.7トンと最高を記録し、前年の450.1トンから大きく増加しました。
金価格は最高値圏
直近のドル建て金価格は、下図のとおり最高値圏を推移しています。

ドル建て金価格
2022年以降、上値をおさえられている米国株とは対照的な動きをしています。
なお、円建ての金価格は、2022年始から約20%上昇。
脱ドルという大きな流れが進む場合、金はその代替逃避先として有力であり、各国の中央銀行による金購入は、金相場を下支えする要因になると考えられます。
今後の各国の金保有量の変化は、引き続き興味深いところです。
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