ドルを売り増し利益確定、円安要因を考察
先日ドル売りにて為替ヘッジをして以降、上図のとおり、ややドル高が進んでいました。
よって、雇用統計前に売り増し+利益確定で、為替ヘッジの水準を引き上げるかたちとしました。
中期的にはドル売り目線ですが、一方で以下のように円安要因も挙げられます。
金利面(日米金利差)
日銀の利上げにおける円安シナリオ
「当面、利上げが見送られるシナリオ」が考えられます。
黒田総裁は緩和を維持する姿勢を、講演等のたびに強調しています。
市場関係者はさほど額面通りに受け取っていないため、発言自体は大勢に影響を与えないでしょうが、本当に利上げを見送るスタンスを貫いた場合、利上げ期待で進んでいた円高はしぼむ要因になりますね。
FRBの金融政策における円安シナリオ
「インフレ第2波が起きて利上げに転じるシナリオ」が考えられます。
ただし、ただちに第2波が起こる可能性は現時点では考えにくいとは思います。先日の雇用統計で平均時給が軟化したことで、唯一といってよいほどのインフレリスク要因となっていた賃金インフレリスクがいったんしぼみました。
実需面(貿易収支)
上述2つの要素というのは、いわば金利面でのお話。
では実需面となる貿易収支はどうか。
日本貿易協会によると、2023年度の貿易収支見通しは、以下の通りです。
- -13兆5,540億円(2023年度予想)
- -20兆4,560億円(2022年度実績)
原油価格がピークアウトし、貿易赤字も縮小する見通しとはいえ、額としてはまだまだ大きいですね。
実需としての円売り需要は、とくに東京市場で根強いことが考えられます。
また、原油は先高観を持つアナリストが増えている印象。
むすび
実需面で円売り需要は引き続き根強いと考えられることから、一方向的に円高に進む見通しは立てにくいように感じられます。
ただ、米国株は買い持ちであるため、基本的にはドル売り目線で為替ヘッジをかけたいところです。
20万ドルほどを売り(=米国株の為替ヘッジ)ポジションのコアとして保有しつつ、ちょくちょく利益を確定して、ヘッジ水準を上に持っていければ理想的だと考えています。