「米ドル売り、円買い」開始
ドル売りポジションを建てました。米国株の買いに対して為替ヘッジをして保守的に備えておきます。
今年の相場を展望するにあたり、現時点では円高要因として以下が挙げられます。
- 日銀の利上げ期待
- FRBの利上げピークアウトが見込まれる
- インバウンドによる円買い需要
- 原油価格のピークアウトで日本の貿易収支改善
① 日銀の利上げ期待
先日日銀による実質的な利上げがありましたが、この手の変化は、「1回だけでは終わらないだろう」と経験則的には考えられます。
「1回だけやって終わりなら、そもそもマーケットに混乱をきたすようなことはしないのではないか」「小幅な変化で済む程度ではないからこそ、政策に変化を加えた」とも考えられます。
また、長期金利の上限を上げるという行為自体、そもそも予告できない性質のものですね。なぜなら、指値オペをしている以上、事前に「金利の上限を引き上げます」と予告しようものならマーケットに補助金をあたえるようなものです(投資家が金利上昇に賭けるポジションを建てれば、その後に実際に日銀が金利上限を引き上げたときに確実に利益を生む一方で日銀はほぼ無限に損失をこうむってしまう)。
この構造的・性質的な理由もあって、そもそも事前告知はできず、市場はサプライズ利上げを織り込みにいきやすいのでしょう。
② FRBの利上げピークアウト
現時点では、市場はピークアウトを見込んでいます。近年は日米金利差でドル円が動いてきた以上、利上げの停止は円高要因と考えられます。
③ インバウンドによる円買い需要
インバウンドが本格化するまでは、年間で兆円規模にならないと予想されることから、影響は限定的かとは思いますが、実需としての円買い要因ならびに「サービス収支の改善=経常収支の押し上げ」という観点からは円高要因です。
④ 原油価格のピークアウトで日本の貿易収支改善
2022年に貿易収支が大幅に悪化した最大の要因は、LNGや原油という原油価格に連動する資源価格の急騰です。
足もと原油価格は、ピークアウトしています。よって、貿易赤字のピークアウトが見込めます。
貿易赤字は実需の円売りを生むので、貿易赤字の縮小は円売り需要を減らすことになり、円高要因になります。
以上が円高要因として意識されそうですね。
一方、円安要因としては
- 日銀がサプライズ的に実質的な緩和維持をする
- 原油価格が反転上昇する
- 米国の賃金インフレ等が根強い、またはインフレ第二波が起こり、FRBの利下げ期待がしぼむ
といったことが考えられます。
むすび
いずれにしても市場は「思惑」で動くことから、現在は市場の注目としては日銀のさらなる利上げ姿勢を織り込んでいっているように感じられます。
米国株の買いポジションでドル建て資産を一部保有していることから、ドル売りで為替ヘッジしておきます。
テクニカル的には「ヘッド・アンド・ショルダー」を形成していることから、小幅にとどまらない下げを示唆している、というのが一応教科書的な解釈にはなりますが、現実はどうでしょうか。