2023年の米国株はどうなる、企業業績が焦点か
新年あけましておめでとうございます。
年始時点の米国株の状況を
金融機関の株価予想
2022年の予想と結果
2022年末のS&P500は、3,839.5でした。
米大手金融機関は、年始時点でいずれも強気で、年末の終値を下表のとおり予想していました。結果と大きく異なります。
2022年 | S&P500 予想 | S&P500 結果 |
---|---|---|
JPモルガン | 5,100 | 3,839.5 |
ゴールドマン・サックス | 5,050 | |
シティグループ | 4,900 |
2023年の予想
では、2023年始における、各社のS&P500予想値はいくらでしょうか。
2023年 | S&P500 予想 | S&P500 結果 |
---|---|---|
JPモルガン | 4,200 | ? |
ゴールドマン・サックス | 4,000 | |
シティグループ | 4,000 |
2023年の終値は、やや上昇を見込んでいるようです。ということは、企業収益がそこまで悪化せず、金利もピークアウトを見込んでいるのでしょう。
株価:企業収益と金利
株価は「①企業収益」と「②金利」に大きく影響されます。
- 企業収益
米国の景気後退が懸念されており、企業収益の低下が予想されています。 - 金利
米国が年央あたりで利下げに転じる、または横ばいが続くと市場は見込んでいます。
企業収益については、フタを開けてみないとわかりませんね。
金利については、インフレがピークアウトの傾向にありますから、よほど大きな変化がないかぎり、現状はせいぜい横ばいか低下傾向が見込めそうです。
金利はおおむねピークアウトを見込むことから、残る企業収益がポイントとなるでしょうか。
- 景気後退によって、企業収益が大幅に悪化すると見るのか
- 景気後退によって、軽微な悪化にとどまると見るのか
①・②のどちらの想定をするかで、今年の株価見通しが変わってきますね。
利下げに転じるための条件
ちなみに、利下げに転じる条件も確認しておきましょう。
- 深刻な景気後退
深刻な景気後退によって失業率が大幅に悪化した場合は、FRBは「物価安定と雇用最大化」という使命を達成するために、景気下支えを目的とした利下げの可能性が考えられます。 - インフレ低下が続く
インフレ退治という目的が達せられる見通しが立てば、利上げから利下げへと転じる可能性が考えられます。
まとめ
以下、再掲します。
金利はおおむねピークアウトを見込むことから、残る企業収益がポイントとなるでしょうか。
- 景気後退によって、企業収益が大幅に悪化すると見るのか
- 景気後退によって、軽微な悪化にとどまると見るのか
①・②のどちらの想定をするかで、今年の株価見通しが変わってきますね。
ただ、今年はすでに景気後退が見込まれており、サプライズ的な悪化があるかどうかが焦点だと考えています。サプライズ的な悪化がないかぎり、市場がすでに身構えている以上は、下値はそこまで深く掘らないのではないか、というのが年始時点での雑感です。
ただし、1~3月は過去の経験則(アノマリー)として、直近ではコロナやウクライナ侵攻など予測されていなかったリスクが顕在化する時期です。
米国株は買いに大きくは傾けず、あくまで余力を持たせておきたいと思います。為替においては、ドル資産は昨年縮小させたので、あとは円高を見越してさらにドル売りをするか静観するか、ですね。