米国株は楽観に傾きつつある
S&P500は、短期的に力強い上昇を描いています。
先日のFRB議事要旨では、「利上げ幅の縮小が好ましいと考えている」という利上げペースの鈍化を示唆する文言があり、市場は好感しています。市場の関心は着実に「利上げのペース、そして利下げの時期」へと移っているように感じられます。
下図は投資家心理を表す指標「AAII Sentiment Survey」です。これは「非営利組織である米国個人投資家協会が、個人投資家に今後6ヶ月間の相場の方向性について楽観か悲観か意見を求めたもの」です。グラフが0を超えて上に行くほど楽観、0より下に行くほど投資家が先行きに対して悲観的な見通しであることを示します。
2022年に「-40%」を3度記録しています。これはリーマンショック以来の水準でした。
期間を2022年1~11月末に限ったものは下図の通りです。
9月22日を底に、市場心理は良化してきています。
市場心理が良化してくると、旺盛な消費行動によって経済に余分な刺激を与え、インフレが再燃することをFRBは懸念することが考えられます。よって、FRBは、再びタカ派姿勢で冷や水を浴びせ、市場参加者が楽観に振れすぎないように配慮しそうですね。
とはいえ、現在の経済状況を考慮すると、その冷や水は、言ってしまえばポーズに近い性質のものだと考えられます。「利上げペースは落とすけど、あんまし期待しなや!」という牽制です。利上げペースの鈍化を考えている局面である以上は、急転直下で撤回しないかぎりは、そのように考えます。
インフレ率が大きく悪化することが大きなリスク要因ではありますが、現時点では年末までは買い持ちの姿勢で臨みたいと思っています。