中国で異例の反政府デモ、動画で叫ばれている中国語と友人の状況
北京、上海、広州など複数の都市で動画が上げられています。SNS上の動画を見ると乌鲁木齐路(ウルムチ・ロード)などの標識も確認でき、私も上海で何度も通った道でなつかしいです。
警察当局が棒立ちで傍観のまま取り締まらないシーンが、印象的ですね。今までこの手のデモは速攻で当局が鎮圧姿勢を見せていました。とはいえ、警察が市民を殴打しているとされる動画もあったりと、全体像は一部のシーンだけではなんとも言えないところです。
実際にSNSにアップロードされている現地の動画では、次のような文言が叫ばれていることを自分の耳で確認しました。
- 习近平下台!
(習近平、辞めろ) - 解放新疆!
(新疆ウイグル自治区を解放せよ) - 我们要自由、平等、民主、法治!
(自由・平等・民主主義・法治主義が必要だ) - 我要看电影!
(映画見たいねん!)
①・②は政治的な色彩である一方、③は基本的な人権に関連するもの。④は「日常生活を制限されている(ゼロコロナ政策)ことに対する反発」と見てとれます。北京の友人によると、一部の公園やスーパーなどもゼロコロナ政策で立ち入り禁止だそうです。
私の友人(上海在住の上海人)は、ゼロコロナ政策の現状について、次のように話していました。
友人(上海人)
別の友人は、こう言います。
友人(北京人)
そもそも中国の賢明とされる指導者たちが「なぜ経済を犠牲にしてまでゼロコロナ政策に固執するのか」というのは疑問でした。その背景は、今年読んだ以下の書籍「数字中国 デジタル・チャイナ(著者:西村友作)」で、次の通り解説されていました。
「中国では、病院の数などの医療体制が一部の地域を除いて全体的に脆弱であり、感染が爆発すると医療体制が維持できなくなる」といった背景が指摘されていました。
なるほどその論ならば、経済を犠牲にしてまで医療体制ひいては政治体制の維持を優先することは、中国の権威主義的な思想上は納得感があります。真偽のほどは別にして。
そして、確かに私も彼の地にいた時期に思いましたが、中国の病院における医療技術の信頼性・地域間格差や、いわゆる大病院と町医者の格差、加えて医師という職業の社会的声望の有無は、日本のそれとはいささか異なります。
ちなみに、北京の友人はこうも言っていました。
友人(北京人)
こうも言っていました。
友人(北京人)
実利的な一面ですね。実利主義的な傾向はやはり見いだせると思います。
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