米国株の空売りポジションはいったん売却
S&P500の空売りに相当するポジション(SPXS)を売却しました。
数量 | 単価 | 受渡金額 | |
---|---|---|---|
売 | 4,100 | 25.04 | 102,643.78 |
買 | 1,000 | 24.10 | 24,122.00 |
買 | 450 | 22.97 | 10,358.00 |
買 | 2,650 | 19.44 | 51,551.25 |
1回目は頭と尻尾を取れましたが、今回は頭は取り逃がしたかたち。利益は合計3万ドルほど。
空売りは損失を出さないことが第一だと考えています。なぜなら、空売りは「利益は最大で2倍に限定される(レバレッジなし前提)のに対し、損失は無限に拡大する余地があるから」です。買いポジションに比べてメンタル的にも難しいリスクを負います。
「悪いニュースは、良いニュース」が続くか
S&P500は大きく2連騰。ISM製造業指数は悪かったですが、金融引き締めが和らぐと市場がとらえたならば、短期的ながら「悪いニュースは、良いニュース」。市場のとらえ方が短期的に変わったか。
現に投資家心理を表す指標の1つである「AAII sentiment survey」では、先週時点よりもFearful方向へ傾いたにも関わらず市場は続伸しています。
こうなると、悪材料も好材料になる可能性に配慮する余地が生じます。特に短期ではマクロ状況にかかわらず、市場のとらえ方次第(織り込み具合と実情の乖離)でいかようにでも動くため、短期の空売りについては保守的・順張りで動く必要があります。
企業業績
S&P500構成企業の業績修正は、現時点で下方修正65社と過去10年平均の66社と遜色ない水準。
この「思ったほど業績悪化が現時点では認められない」ことを短期で材料視する向きが市場アナリストにあります。その時点で、センチメントに変調あり、ともとれます。
景気悪化が好材料となるか
金融引き締めの影響は住宅市場で顕著にみられ、住宅ローン金利は6%超。FRBの意図するとおり、順調に冷え込んでいます。
個人消費や景気悪化の観点からは、住宅市場の冷え込みは本来は悪材料。しかし市場が「インフレの効果が出ている」「金融引き締めの終わりを意識しはじめる」「インフレ沈静化に必要な景気後退の兆し」と見なせば、一転、好材料です。
利上げが労働市場に影響しはじめたか
本日発表された雇用動向調査の求人件数は、2020年4月以来の減少幅(前月比で111万7,000人少ない1,005万3,000人)。本来は悪い数字です。しかし市場はこれも同様に以下のように好材料とみなしていると考えられます。
弱い労働市場 → 金融引き締めの減速を意識 → 金利低下・株高
つまり、短期的には市場参加者のとらえかた次第で市場はいかようにでも動きます。
中間選挙
アノマリーとしては、今年のような中間選挙のある年は、年末にかけて上昇傾向です。今年はどうなるでしょうか。
まとめ
いずれにしても市場のとらえかたが少し変わった可能性に配慮し、また一時的にこの流れが続くリスクに配慮し、空売りをいったん解消、リスクを一時的におさえた格好です。
ただしこれで大底をつけたかどうかは疑問です。1970年代のスタグフレーション相場になぞらえるならば、市場に大きな痛み(株安+景気後退)を伴ってようやくインフレ脱却です。現時点ではそのうち再度売りポジションを建てる予定です。
それにしても市場というものは不確定要素があるからこそ、おもしろいのでしょう。