S&P500は続落、50日移動平均線を割り込み、4000割れ
下げてきましたね。
上図の通り、50日移動平均線(青線)も7月以来に割り込み、昨日は同線に上値が抑えられたかたちで下向きに見える格好。
ちなみに8月中旬の高値も200日移動平均線(赤線)に上値を抑えられてますね。
短期的には引き続きFRBの議事要旨、発言内容等に市場が一喜一憂して振られる展開が予想されます。
それはある意味で自然なことで、「株価を形成する金利や企業業績は、中央銀行の金融政策や政府の財政政策でいかようにでも変わりうるから」ですね。
株価・金利・企業業績・中央銀行の関係をあらためて見ておきましょう。
株価、金利、企業業績、中央銀行の関係
「金融引き締めに入っても景気が堅調で、株価が下落しはじめた時期」では、
- 「株式に金利は関係ない、企業業績が大切」
といった論調が流れやすそうですが、注意です。金利は関係あります。
株価と企業業績(金融引き締め開始期)
「企業業績が大切」というのは字面ではその通りですが、景況感の悪化は金融引き締めからタイムラグがあるので、足もとの業績よりも将来の業績見通しが本丸です。
そこに市場のゆがみ(「今の業績がよいから問題なしと考える人」と、「今の業績ではなく見通しを重視する人」に分かれる)が生じます。
引き締め開始時期に企業業績がよいのは、景気サイクルの観点からはむしろ自然なことです。現在は逆金融相場の始まりで、景気サイクルの観点からは中期的に下降傾向か。
株価と金利
株価と金利は大いに関係あります。
金利が、「企業の資金調達や投資の意志決定、資本コスト、個人消費、住宅市場、債券価格など経済・金融の各分野に幅広く影響をあたえる要素のひとつ」だからです。
株価と中央銀行
中央銀行であるFRBが短期金利を調節する以上、FRBの金融政策には逆らわず、素直に対応することが肝要と思います。
株式市場の下落を、FRBが待望することさえあります。インフレを冷やすためです。
なぜなら、逆資産効果といって、株式市場の下落で国民が保有する株式の価値が減ることで、消費や経済活動が抑制され、インフレ抑制要因となりうるからです。
中央銀行は株価に配慮することもありますが、あくまで通貨価値や物価の安定、雇用の最大化(物価安定のために、雇用も優先されないことがある)が使命である以上、インフレが沈静化しないかぎりは中央銀行に株価への配慮はあまり期待しないほうがよいと私は思います。
期待というものは、往々にして判断を鈍らせます。ありのままの現状を大局的に認識し、判断する。
FRBのバランスシート拡大と米国株の好調には明瞭な相関性が見られるにも関わらずテーパリングや量的引き締めに対して楽観論が生じるのは、人々があまりにバブルや雰囲気に陶酔しやすい(または能動的に市場を見ていない)ことを物語っているのではなかろうか。市場参加者としてQTは相当大きな変化。
— 穂高 唯希|Yuiki Hotaka (@FREETONSHA) January 25, 2022
金融政策が大きく変化している以上は、それに応じて柔軟に変化することもひとつのスタイル。
状況に大きな転換がなければ、現時点では下方向へ備えるかたちを継続予定です。
もっとも、想定する投資期間の長さや人によって投資方針は変わってくることも念のため申し添えておきます。
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