1998年以来の1ドル140円突破、今回は協調介入の期待薄
1ドル140円突破ということで、1998年以来、24年ぶりの円安ですね。
1998年というと、日本の金融危機です。
1997年11月には、北日本で最大の銀行である「北海道拓殖銀行」や、日本で第4位の規模の証券会社「山一証券」が破綻し、1998年秋には、日本長期信用銀行や日本債券信用銀行が破綻。
当時は日本売りとも呼ばれる円安で140円を突破しました。その後、日米の協調介入で円安を止めたかたち。
今回の1ドル140円突破は、ドルインデックスを見るとドル自体も20年ぶりの高値。
ドル高は米当局にとって「悩みの種となっているインフレ」を抑制する要因となるため、当時のような協調介入は望めないのでしょう。
インフレ率が高いということはそれだけ米ドルの減価も意味するので、ドル安要因にはなるのですけどね。とはいえ、為替は2つの通貨の相対論であり、日米の金融政策がここまで正反対では、なかなか流れは変わらないのでしょうか。
年内に米国が量的引き締めに動いた場合、日銀はどうするか。黒田総裁は現在のインフレは「資源高の一時的なもの」という見方に留めているが、インフレが亢進しても国債市場を気にして引き締めには動かないか。しかしそうなると円安がさらに進む可能性も。その場合かなり難しい舵取りを迫られると想定。
— 穂高 唯希|Yuiki Hotaka (@FREETONSHA) January 25, 2022
財政と国債の観点から、日銀は引き続き動きづらそうですが、はたして出口戦略はどうなるのかが引き続き関心の焦点でもあります。
エネルギー自給率は11%、食料自給率も38%の日本において円安のデメリットは相応に考えられ、個人単位で外貨建て資産額が増えても、国家単位であえぐことになれば手放しではよろこべない状況ですね。
引き続き個人が採れる方策のひとつは、通貨を分散させて、リスクを分散させておくという基本に立ち返ることでしょう。
結局は「平時から有事に備えて基本を徹底しておく」ということですね。投資、為替、日常生活においても通底することです。
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