リーマン・ショックでのVIX指数の動きを確認

リーマン・ショックでのVIX指数の動きと現在を比較

目下、米国株式市場は不安定な値動きが続いています。

米大手証券リーマン・ブラザーズの経営破綻を発端とした世界金融危機、リーマンショックについて簡単に振り返り、当時と比較してみましょう。

リーマンショックの概況

2008年9月15日、リーマン・ブラザーズが経営破綻。当時、世界中の金融市場に衝撃が走りました。

直後に米政府は「最大で7000億ドルの公的資金を投入し、金融機関の不良債権を買い取ること」を目的とした「emergency economic stabilization act of 2008(緊急経済安定化法)」を発表。

しかし同月29日、米下院で事前予想に反して否決となり株式市場はリスクオフ、ダウ平均株価は2001年9月17日(9.11同時多発テロ後最初の営業日)に記録した684.81ポイント安を上回る、過去最大の下げ幅777.68ポイント安を記録。

修正を加えた同法案は10月3日に賛成多数で成立したものの、一旦起こったパニック状態はその後も継続、といった塩梅です。

リーマンショック当時のVIX指数

では当時のVIX指数(投資家の警戒感を表す指標)はどうだったでしょうか。下図の通りです。

当時VIX指数は、株価が比較的安定していた2004年1月から2007年12月の平均値は14.66であったのに対し、

  • リーマン破綻当日の9月15日に31.7
  • 法案が否決された9月29日には46.7
  • 10月6日に1990年以降初となる50を超え
  • 10月9日には60
  • 10月17日には70
  • 10月23日には一時96.4
  • 10月27日には80.1

といった数値を記録しています。

現在のVIX指数

インフレの高止まり、金融引き締め、リセッションを市場が警戒している2022年5月現在、VIX指数の推移はどうでしょうか。下図の通りです。

2月末に40近くを記録、その後5月初旬に35近傍。

ということで、VIX指数の観点からは暴落局面(リーマンショックやコロナショック)と比べれば、現在はパニックとは程遠い水準です。

一方、以下記事や拙著「本気でFIRE〜」ご参照の通り、

米国高配当株ETF【VYM・HDV・SPYD】の購入タイミング・買い目安の基準
「機械的に定期的にETFなどを積み立てることで時間をかけず、ゆったりと資産形成をしたい」方々もいる一方で、「なるべく株価が安い時に買い、少な...

上昇相場ではVIX指数が30を超えた局面では、結果的にはよい押し目買いタイミングになってきました。

つまり、VIX指数の過去傾向からの観点では

  • 「現在がいまだに上昇相場であるとみなす場合は購入を検討してよい局面になりますし、暴落局面とみなす場合は下落余地はいまだ大きい」

と言えます。

インフレが急激に落ち着きを見せたり、FRBの金融政策が市場フレンドリー(緩和的)に戻ったり(戻ったとしてもインフレが加速する懸念が残る)、リセッション観測が急速に後退する等の変化が生じないかぎり、前者のような楽観はしづらい現況だとは思いますが、どうでしょうか。つまり今のところは年始の見立てからマクロ環境は大して変わっていないように思えます。

金融引き締めがはじまってもいない現在に、これだけ市場が動揺しているのは印象的です。それだけ現在に至るまで緩和的であった金融政策の転換に市場が身構えてきたように見えます。

他方、期待インフレ率(BEI)の観点からは、5年物・10年物ともに足もと垂れてきており、このまま過去レンジ内で推移すればさらにFEDが引き締めを加速させるのかは疑問が残ることも事実。

物事は多面的に見るべきだと思います。単一の観点だけ(たとえばVIX指数だけ)では全貌が見えていないこともあります。

そのようなことを踏まえた上で市場を見ていくこともまた、必要ですね。

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