米国株は下落相場らしい動きをみせる展開
最近の米国株は下落相場らしい動きを見せています。
上昇相場では、往々にして大した調整を頻繁には挟まずにじりじりと上値を追い続けていくケースが見られます。近年は比較的そのようなかたちでした。
下落相場では、コロナショックのように誰も予測していなかったような事象が原因でパニック的な売りを呼ぶような展開ですと、たいした調整もなく一気に急落するケースが見られます。
しかし今回の下落は、背景に金融政策の転換やリセッション、インフレといったようなある程度マクロ状況を見ていれば突発的に起こった事象というよりかは、大まかな流れが方向づけられたマクロ環境懸念による下落と言えます。
そのため、ヘッドラインや投資家心理による一喜一憂や反発はありつつも、上値はしっかりと切り下げていくようなジリ下げの展開が今のところ続いているのも納得感があります。
このような局面では投資家自身も相場に振られやすいですね。
少し反発すれば、「お、下落はもう終わりだろうか」と思いがちです。
しかしご案内の通り、じりじりと相場が下がっていくような局面では、年単位で反発を挟みながら下げていくということがあります。
SPXSを買うことでヘッジまたは空売りをするのはハードルが高いかもしれませんが、買い持ちをするにしてもそのような大局観でもって、ある程度の時間軸になることも頭に入れて覚悟を決めておかないと相場に振られて消耗しかねません。
投資というのは、あくまで人生における副次的な存在でしょうから、日常生活に影響を及ぼしすぎることは避けたいですよね。
2022年は、米国株投資家のスタンス、つまりブレなさと柔軟性という本来相反する両方が試される展開になりそうです。
ここでいうブレなさとは、投資の核となる自分のスタイルですね。柔軟性というのは、過去にとらわれずに柔軟にスタイルや投資対象・見る時間軸を変えていくのかどうかというところでしょうか。
一見相反するように思えますが、どちらも表裏一体です。朝令暮改や君子豹変、なんでもアリなのが金融市場だからです。そういう世界で自分がどのように泳いでいくのか、ということです。
- どのようなスタンスで株式に投資しているのか
- なんのために株式に投資しているのか
- 見ている時間軸は短中長期どれなのか
- どの程度の確度とシナリオで投資対象に賭けているのか
- リスク管理は適切な水準なのか
- 現在のマクロ経済環境をどのように認識しているのか
- 歴史という過去を見れば、現在はどういう局面なのか
このような問いに対して自分なりの回答を用意している投資家であれば、ブレなさと柔軟性の本来相反する両方を備えていると言えるかもしれません。
そしてそのような状態であれば、相場の状況に関わらず、たとえ下落局面であっても攻め、そして応分の結果も得られやすくなるのではないでしょうか。
投資というものは、将来の不確実性に対してポジションを取っていく行動に相当します。特に平時ではなく今のような相場が大きく動いているときは、自身がどのように相場と向き合っていくのかを常に試されることにもなります。
そのためには、やはり自分と向き合って、そして謙虚に市場と向き合って、上述したような問いに対する答えを自分の中で持っておくことも、ときに必要ではないかと思います。
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