S&P500とアルトリア・グループ【MO】の比較(ITバブル崩壊時と現在)
2022年に至るまで、ハイテク・グロース株が約3年にわたり全盛でした。
同じくIT株が全盛だったのが、2000年代初頭におけるITバブルです。
バリュー株とグロース株の優劣は時期によって循環しており、昨今はバリュー株や高配当株が比較的底堅いことから話題になりやすい時期かもしれません。
では、バリュー株・高配当株の米たばこ大手アルトリア・グループ【MO】は、現在の状況と似ているかもしれないITバブル崩壊時に、S&P500と比べてどのような動きをしていたでしょうか。振り返っておきたいと思います。
ITバブル崩壊時
当時と現在では環境や諸条件がまったく一致するわけではありませんが、2001年10月にかけてS&P500が約30%下がる中、MOは逆に約70%上昇。
2022年4月現在
では2022年4月下旬現在はどうでしょうか。
ITバブル崩壊時と似ていますね。2022年始から約15%下落したS&P500に対し、MOは約20%上昇。
過去と現在を見た場合、一応こういうことになります。
こういう銘柄を組み込んでおくと、ポートフォリオがマイルドになることがありますね(ただし、コロナショックではMOは弱かったことも、中立を期して申し添えます)。
比較的遠い将来の成長を織り込んで上昇してきた成長株などの銘柄は、現在のような金利上昇局面では負の影響を強く受け、株価の下落度合も大きくなる傾向がみられます。
対して、比較的遠い将来の成長を織り込んでいないアルトリアグループのような成熟株は、現在のような局面では逆に資金流入が生じる(株価が上昇する)ケースがみられます。
さて、一応MOが不調だった時期も振り返っておきましょう。下段に示す通り、低金利局面でもあった近年(2018年~)はS&P500に劣後しました。

1986~2022年、青:MO、赤:S&P500 (出所:Portfolio Visualizer)
上図の通り、1986年を起点とする長期ではS&P500を上回るリターンでしたが、逆に低金利局面でもあった近年(2018~)は、下図の通りS&P500に劣後しています。

2018~2022年、青:MO、赤:S&P500
盛者必衰。よいときもあれば、わるいときもあるし、「好調は永続しない」ことは歴史が示唆することですね。
個別銘柄でも同じことが言えますし、国単位でも同じことが言えるでしょう。
そして、個別銘柄へ投資する際はその銘柄のクセや過去の傾向をおさえておくと、今のような相場環境でも納得いく投資がしやすいと思います。
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