生き方を変えることへの不安に、どう向き合うのか
「サイドFIREするのか、転職するのか」お悩みの方からご質問をいただいています。
人生の決断には、真剣であればあるほど不安や悩み・葛藤も同時にあると思います。
収入・婚活・家族・社会的信用などの観点から以下お答えしています。
ご質問:サイドFIREか、転職か
差出人: RY
題名: サイドFIREか転職か…
メッセージ本文:
穂高さま
はじめまして。
いつも楽しくブログ拝見させて頂いております。
住まいに関する考察や心の持ちよう、哲学的な記事もとても面白く
実は今、転職するか、あるいはサイドFIREするか…非常に悩ん
もし穂高さまが私の状況だったらどんな選択をされるのか、、、と
【現在の状況】
1. 31歳海外在住会社員(22歳新卒から同じ会社・同じ職種)、独
2. 資産4300万円
2-1. 現金1500万円
2-2. 投資信託 1300万円(米インデックス780万円、オールカントリー26
2-3. 株式 80万円
2-4. 仮想通貨 250万円
2-5. 年金470万円(確定拠出型年金50万円、ドル建て養老保険42
2-6. 現物資産 700万円(これは趣味のものです)
3. 年収(手取り): 本業800万円+副業500万円
4. 生活費:月に10万円ほど。結婚後は20万円、子育て期は30万
5. 投資信託を始めたのが2020年2月と比較的最近のため、現金比
6. もともと40歳で1億円を貯めてFIREしようと考えていました
【サイドFIRE後にやりたいこと】
2019年終わりごろから私の趣味に関するブログを書き始め、2
これらは全て趣味として楽しく活動させて頂いておりますが、毎月
サイドFIREをした暁には、さらに趣味に関する情報発信に力を
【今の会社について】
今の仕事に大きな不満はありません。この会社、この仕事を選んで
穂高様のブログにも度々書かれているように、海外で多国籍人種と
一方で、大きな責任やタイムラインなどのプレッシャーも何かと多
また副業が楽しく、会社ではなく私自身に感謝して頂ける点も大変
【サイドFIREか転職か悩み】
●サイドFIRE
「24時間365日自分の時間になる。憧れる。収入をもっと伸ば
●転職
「恐らく今の会社より年収があがることはなさそう。転職するなら
長文になってしまい大変恐縮ではございますが、穂高様であればこ
もちろん、貴重なお時間を割いて頂くのは大変申し訳ないので、例
これからもFIREの先輩、ブログをはじめとする情報発信の先輩
長文失礼致しました。
回答:両端を知り、不安を分解する
そうですね。組織でしかできないこともありますが、「独立することで自分自身に感謝していただける」というのは個人事業の特長でもあると思います。やりがいにつながりますね。
さて、ご質問の「私が同じ状況なら、サイドFIREか転職、どうするか」ということですが、私ならサイドFIREでしょうか。
「両端を知る」ということを、私は大切にしています。
両端を知ることで、片方の実像が見えます。
「会社員」と「FIRE」は、両端ですね。「どちらも経験してみて自分がどう思うのか」を客観視したうえで、その後の人生を決めます。
また、ご質問中にある懸念事項は、自分次第で解決できうるものだと私は考えます。以下見ていきましょう。
サイドFIREの不安要素は、自分でなくせる性質のものか
不安要素として「社会的信用、婚活、独立後の収入の不安、親から反対される懸念」を挙げておられます。
順に見てみましょう。
① 社会的信用への不安
「独立することで社会的信用をなくすのでは」と危惧されています。
自分への信用、つまり「自信」とは自分の日々の行動で積み上げていくものであり、自分が作り上げていくものですね。一方、「社会的信用」というのは他者からの評価や「肩書き」ですね。
FIREやサイドFIREなどの個人事業化というものは、他者からの評価をいちど取っ払うことでもあります。自分の事業に対して責任を持ち、自分も主体的に評価を下していくことでもあります。
自分と周囲が納得し、責務を果たしている感覚を持てる行動を積み重ねていくこと、そして後段に記す「自分がどうありたいのか」がポイントになると思います。
どのような「肩書き」であろうと、社会的責務は果たせます。興味のあることなら、それこそ貴方だからこそ得られる「社会的信用」ではないでしょうか。
一方でその社会的信用を得るには、自分の能力を磨いたり、好きなことを追求したり、学びつづけることで独自性を磨くとより効果的ですね。よくもわるくも個人事業を通して得られる社会的信用とは、個人次第だからです。
② 婚活
婚活は、正直に「自分がどのような思いを持って独立したのか」「どのようにパートナーと生きていきたいか」などをまずお相手にも共有することが大切になってきそうですね。
本質的に価値観や人生観を共有できるお相手を見つけるには、表面を取り繕わず、自分の核の部分はお相手にも明確に共有しておきたいですね。
仮に婚活で個人事業主であることを懸念するお相手ならば、そもそも価値観が合っているとは言い難いように私なら感じます。
本当に合う人であれば、貴方がどのような肩書きであろうと関係ないです。境遇にかかわらず応援してくれます。
③ 独立後の収入の不安
「独立後の収入の不安」を挙げておられます。
不安というものは、「毎日自分が納得いくまで考えて行動することを積み重ねていけば、ほとんどなくせる」ものだと私は思います。
不安なのは、もしかすると行動が足りていないサインかもしれません。試行錯誤して、考えて、片っ端から手を出していきたいところです。
※まったく関係ないことをはじめるのも一手です。たとえば地元の運動サークルに参加してみるなど。仲間と運動するのは、精神衛生上もとてもよいです。
なぜ自分は独立かサイドFIREで悩んでいるのか洗い出し(これは既に実行されているようですね)、メリット・デメリット、良い感情・悪い感情、この際すべて自分を洗い出して書き出してみるのがひとつです。
今の収入状況を拝見する限り、十分な水準であると私なら感じます。将来どうなるかはやってみないとわからないので、後悔なきよう「やりきった」と思える毎日を積み重ねていくことですよね。
教育費をどの程度想定するかにもよりますね。かければいくらでもかけられますし、逆にかけない方法もいくらでもあります。友人には「なんなら自分が全て教える」と言う人もいます。このあたりも自分と家族次第ですね。
④ 親に反対されるかもしれない
「親に反対されるかもしれない」と懸念されています。
親は世代が異なります。生きてきた時代背景が異なれば、考え方にもちがいが生まれます。
そしてなにより、「子どもに苦労して欲しくない」と切に願うのが親ごころではないでしょうか。同時に「幸せでいて欲しい」と願うのも。
そのため、一般的には独立を不安視する親御さんが多いと思います。「独立したというと、心配をかけるだけだから、親には言わない」という友人もいます。
親の理解を得たい場合は、言い続けることだと思います。私もそうして親の理解を得ました。最初は「なに言うてんのん」みたいな感じでした(笑)。それでも伝わるまで言い続けました。
とはいえ親の人生ではありませんから、最終的には自分で主体的に判断になりそうですね。
「自分がどうありたいのか」
最終的には「人生で自分がどうありたいのか」に帰着するのではないでしょうか。
「人生で大切にしたいもの」「死ぬまでにやりたいこと」を書き出してみてはいかがでしょうか。
パートナーとのことも、親御さんとのことも、書き出したものに共鳴するのか。見えてくるはずです。
社会的信用も、「他者の評価」が人生の軸でなければ、あまり関係なくなります。
自分の確固たる軸をつくるには、「人生で自分がどうありたいのか」なんですよね。軸があれば、悩みはかなり消えます。
そしてどのような選択をしても、生かすも殺すも自分次第ですね。FIREによって委ねられた自由をどう生かすのかも自分次第。
選択したならば、その選択に悔いが残らないよう、前を向きたいですね。
Best wishes.
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