低迷する日本航空(JAL)株の状況をどう整理し、考えていくか

低迷する日本航空(JAL)株の状況をどう整理し、考えていくか

ご質問

題名: JAL株をどうすべきか

メッセージ本文:
はじめまして、久保と申します。
いつも興味深い情報を発信して頂き、ありがとうございます。
早速ではございますが、一つアドバイスを頂けないかと思っております。
旅行好きが高じて数年前にJALの株(当時4千円弱)を購入したのですが、それからどんどん株価が下がりはじめ、二度のナンピンを経た後に更にコロナがきて大打撃を受けました。恥ずかしながら、それ以上資金を投入する余裕もなく、現在は300株で40万円ほどの含み損となっております。
長い目で見て株価は回復していくだろうとは思ってはいますが、しばらくは配当金も期待できないこの状況でなかなか保有するモチベーションを保つことができません。
ちなみに最近は、ご著者で紹介されていた投資対象のひとつである高配当ETF(VYM,SPYD,HDV)を少しずつ積み立てており、今後はこっちをメインに投資していきたいと思っています。なので、JAL株はさっさと売ってしまって資金をこちらに充てていくべきか、もしくは株価が上がるのを待っているほうが得策なのか…悩み続けております。
仮に穂高さんが私と同じ状況にあるとして、どうされるのかお考えを聞かせていただければ嬉しいです。

ブログ、毎日読ませて頂いています。特に旅行系の記事はワクワクしながら読んでいます。私もいずれ配当金を得て、大好きな旅行に行きまくるのが夢です。

ご覧いただきありがとうございます。経済的・時間的・物理的制約のない旅行は、本当に刺激的です。夢の実現が楽しみですね。

回答

さて、JALは短中期的にはやはりコロナウイルス動向によって左右される展開を想定しておきたいです(ただし後述する社会システム論的な視点が政策決定に加わるケースを除く)。

JAL株価 1年チャート

1年チャートで3つ山が出来ていますが、いずれも新型コロナウイルスの日本における感染者数の推移と相関性がみられます。下図の感染者数(日本)の推移を見てみましょう。

日本の新規感染者数の推移

感染者数のである「2021年1月」「2021年5月」「2021年8月」「2022年1月」の時期に、JALの株価はいずれもを形成しています。

日本航空は国内外線のヒト輸送が主な収益源である以上、感染者数に振られる動きが続いています。

また、現下のような感染拡大期に押し目買いをねらう戦略は奏功してきたことになります(もちろん今後も奏功するかは不明であり、「Past performance is no guarantee of future results」を承知の上で同戦略を採ることが考えられます)。

あくまで現状では「長い目で見れば株価は回復する」と望めると思いますが、今のような状況で追加的に考えたいリスクは公募増資による1株あたりの価値希薄化・株価下落(またはコロナが収束しても収束前の株価まで戻りにくい)リスクです。

JALは2020年11月に公募増資(約1,800億円)を実施しています。また、2021年9月・10月に劣後債発行(約3,000億円)を決めています。

劣後債は公募増資と異なり、1株価値の希薄化を伴わない資金調達(財務基盤強化)方法です(ただしその分、負債は増えます)。

JALの直近の四半期報告書(2022年3月期 第2四半期)を見てみましょう。

営業キャッシュフローの流出を財務活動(増資・債券発行など)でまかなう構図が続いています。営業CFは、2020年には半年間で1,500億円の流出、2021年は半年間で960億円の流出となっています。

仮に2020年と同水準での流出が続けば、1年間で直近調達した劣後債3,000億円分が消失することになります。するとまた債券・借入・新株発行等の資金調達(新株発行なら株価に中期的にもネガティブ)が必要になることが予想されます。

コロナ禍を起因とするヒトの移動の抑制が続けば続くほど、JALの財務基盤悪化と1株あたりの価値希薄化リスクが高まることになります。

逆に言えば、冒頭で触れた通り、「感染者数の推移と株価の相関性が維持され、且つ感染者数の推移が山・谷を繰り返すような推移となる」かぎりは、短中期的には比較的ねらいやすい銘柄とも見れます。

仮に穂高さんが私と同じ状況にあるとして、どうされるのかお考えを聞かせていただければ嬉しいです。

私でしたら、現時点で予察し得ない状況が突発的に起こる等の状況にならない且つ大勢に影響を及ぼさない保有割合(300株と理解しています)である前提で、じっくり待ちます。

市場参加者としても日本国民としても期待したいシナリオとしては、たとえコロナ禍が続いたとしても、日本が「新規感染者数一点主義」というよりも、疫学上の視点に加えて社会システム論的な視点(つまり感染者数の抑制を考えながらも、社会システムの抑制なき維持と社会全体の利益の最大化を図る)を加えた政治的決断を推進する機運が高まり、実行に移されるケースです。

上記ケースの場合は、コロナ禍に関わらずJALの株価にもポジティブでしょう。

以上のような観点を判断材料に加え、ご参考になれば幸いです。

Best wishes to everyone.

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