VYMにPFF・QYLDを加え、毎月高配当で精神的余裕を得るか
- VTI(米国株式市場全体への投資)
- VYM(米国高配当株ETF)
へ定期つみたてをしている方から、「毎月配当金が欲しいので、PFF・QYLD(のちに詳述)への投資を考えているがどうか」というご質問をいただいています。
ご質問
題名: 米国高配当ETFに関するご相談
メッセージ本文:
穂高 様
初めまして。
穂高様の書籍やブログを拝読し、感銘を受けた者の一人です。
米国高配当ETFに関して、ご相談したくご連絡いたしました。
現在、25歳でメーカーの研究職として勤務しておりますが、40
理由として、仕事は楽しいのですが、会社に振り回される事もあり
株式への投資歴は1年程度の初心者で、月の投資資金 約10万円を現在以下のように定期積み立て買付しております。
積み立てNISA:33300 円
VYM: 約53000 円
VTI: 約25000 円
しかしながら、高配当ETFである VYM は現在高値であると思っている事と毎月配当金による精神的な余裕
・PFF(またはPFFD)
・QYLD
上記の銘柄をVYMが安値と思えるまで買い付けしようと考えてお
補足として、生活防衛資金はしっかりと保有しておりますが、自身
お忙しいところ恐縮ですが、穂高様のお知恵やお考えを拝借させて
末筆ではございますが、穂高様の一層のご活躍をお祈り申し上げま
回答
精神的・経済的になにかに依存すると、受動的になり、振り回されやすくなると思います。
収入が複数あれば、主体的に生きやすくなりますね。配当はその収入を得る手段になります。
留学経験もあり日本特有の同調圧力も少し苦手意識があります。
そうですね。留学などを通して異質なことを経験すると、「同質性や同調圧力というものは、よくもわるくも特殊なことなのだ」と気づく方もおられると思います。
さて投資についてですが、つみたてNISA・VYM・VTIということで、長期の成長に賭ける場合、拙著でも紹介した一般的におすすめしやすい投資対象と思います。
2022年は高配当株が好調なターンが続いています。VTIが下がる中、VYMやSPYDが上がる日も散見されました。
では毎月配当を実現するためにPFF・QYLDへ投資を検討中とのことですが、回答は以下になります。
精神的な余裕を得たいという動機は深く理解します。
株価成長・増配実績・分散・商品設計のシンプルさ、VYMはこれらの面で穏当さを見いだせます。
PFF・QYLDはVYMに比べればやや特徴的な投資にはなります。資金を入れるとしても部分的に留めておく形が穏当というのが私の個人的な印象です。その背景は以下記事に詳述しています。ひとつの判断材料としてご参考ください。
- 特にQYLDは2018年に設定されたETF。値動きの過去データが乏しい。またオプションが絡むため商品設計がやや複雑。
- 市場が弱含むときに脆弱であったり反発局面で弱い可能性は、潜在的なリスクとして頭に入れておきたい。
総括します。ご質問者さまの場合、資産運用の目標まで15年あります。客観的に見れば現在の投資対象で過去の傾向からは穏当だと思います。
ただし、精神的には近い将来に毎月配当が欲しいということですよね。(精神的な面を含む)人生があくまで主役であり、投資は手段に過ぎないですから、真っ当な動機だと私は思います。
また投資スタイルはあくまで主観的な判断です。つまり、PFF・QYLDに投資することで人生の満足度・余裕が生じるという判断であれば、それはその方なりの立派な投資スタイルです。だれに比較・批判されるべきものでもなければ、理論的に違うと言われる筋合いもまたありません。
興味がある以上は、「まずは少額だけ投資してみて様子見」というのもひとつの戦略です。実際に投資して得られた経験というものは、貴方に蓄積されます。
釈迦に説法かもしれませんが、大切なのは「だれかがこう言ってたからこうする」と盲従するのではなく、判断材料を自分なりに集めて意思決定をしていくことですね。納得いく判断をしていただければ幸いです。
同調圧力に屈することなく、主体的に人生をかじ取りしていきたいですね。そのためには経済的な基盤を整えると容易になりますし、同調圧力に屈しない人が増えれば社会全体としても健全な望ましい方向に進むのではないかという希望を添えて結びといたします。
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私自身は、キャッシュフローの状況に合わせてPFFは売却しています。以前は多く保有していました。
VTI・VYMについて記しています。両者に対する他者の見解は、市場の浮き沈みで本当によく変動しますね。傾向を理解しておけば、見解の変動に右往左往する必要はないです。
主体性というものは、健全性に必須ではないかと思います。ご興味ある方は一読ください。