海外留学する方へアドバイスをするとしたら
まず私は、海外留学というものは絶対やった方がよいと思います。
絶対という言葉はあまり使わないようにしていますが、留学に関しては絶対やった方がよいと思います。
大げさではなく人生を変えうる経験です。日本人留学生が減少傾向だそうですが、これは非常に残念とさえ思うほど。
金銭的に難しい場合でも、大学の制度や奨学金など活用できるものもあります。私もそうした制度を活用しましたし、留学先では周りがタクシーに乗る中、20元ほど(300円)で買った中古チャリで爆走するという方法もあります。
以下、留学に関するご質問です。
題名: 【質問】留学について
メッセージ本文:
初めまして。
単身赴任をしながら毎日ブログを楽しみにしています。
さて、ブログ内では投資に関する質問が多いところ恐縮ですが
表題の海外留学について質問がございます。
私には娘がいます。今は高校1年生でもうすぐ16歳になります。
元々、私が海外に家族とともに駐在していた経験
娘にも国際色豊かな子に育ってほしいと思い、英語とコンピュータ
早めに勉強できる環境を与えてきました。
その娘が来年の夏から1年間の留学する予定でいます。
16歳で海を渡ろうとしている娘にアドバイスをするとしたらどん
留学生の先輩である穂高さんのご意見をお聞きればと思います。
コロナのこと、安全面のこと、費用面のこと心配は尽きないのです
今できることをやっておきたいと思い、質問させていただきました
北海道の空知地方は山の上が白くなってまいりました。
これからますます寒くなってきますが、体調を崩されぬようくれぐ
ありがとうございます。空知地方は芦別スターライトホテルなど、素敵なところが多いですね。
留学は、人生に活きる様々なことが詰まっている。
日本は海を四方に囲まれています。よくもわるくも単一性・画一性・独自性がある国ですね。
16歳で留学をご予定の娘さんがいらっしゃるということで、これはもう素晴らしく貴重な機会だと思います。
自分の国・自分の置かれた環境は、「そと(=外国)から、なか(=日本)を見る」ことで、はじめてわかると思います。経験上。
まずは「自分がどういう国に住み、どういう場所で生きているのか」ということを客観的に認識することから、今後の展望を本質的に考えられるスタート地点になるとさえ言えると思います。
なにかを展望する際には、まずは現状と自分の立ち位置を客観視する。
異質なものに触れた経験や外国への一定の理解があれば、自分の国と比較する対象ができることになります。観点を増やす上で絶対的に必要なことだと思います。
私なりのアドバイスを列記させていただきます。
ひとことで言えば、「異なる国の人々との時間を最大化し、言語・文化・風俗・多様性を深く体得する」ことをめざしてみてください。そのための方法は以下の通りです。
- 留学前に語学をできるだけ上達させておく
- 自国の人と関わる時間を減らす
- ホームステイや留学生寮(ルームメイトは外国人にする)にする
- 多様な国々の人と深く交流する
- 自分からどんどん話しかける
- 買い物は自然に会話をはじめる絶好の機会
- 質問をちゅうちょしない
① 留学前にできるだけ語学を上達させる
まずは語学をできるだけレベルアップさせておきたいところです。
なぜなら、語学レベルが高ければ高いほど、密度の濃い留学を可能にしやすいからです。
本当に理想を言えば、語学は留学前にある程度のレベルにしておいて、語学よりも専攻や、(文化的・民俗的・価値観的など多方面の)体験・交流を重視する留学が理想的です。その後の人生により深いポジティブな影響が生じやすいと思います。
日本で語学をやろうと思えばやれることはあります。NHKラジオ、インタースクール(通訳・翻訳者養成所)、マッチングアプリ(Meet up)など。
留学先でも必死に語学の上達に努めたいところです。これも濃密な留学にするためです。また、語学を上達させ、濃密な留学を経験できれば、客観的な実績と自信になります。就職活動やキャリア等にも有益と思います。
② 自国の人と関わる時間は極力減らす
日本人と日本語で話すことは、日本でいくらでもできます。
一方、留学できる機会は限られています。貴重です。
せっかく海外にいる貴重な機会を得たならば、1分1秒を惜しんで海外でしかできないことをやりたいところです。
現地の人と現地のものを食べ、多くの現地のものに触れ、歴史・文化・風俗・民俗・宗教、あらゆるものを深く感じ取ってみてください。それらは必ず人生の支えになってくれるはずです。
③ ホームステイや留学生寮に住む
自分が住む場所は、過ごす時間も多くなるでしょう。
異なる国々の人との時間を多く設けるために、ホームステイや留学生寮で生活してみてください。
異なる国の人々とぜひ寝食を共にしてください。
理想を言えば、2~4人部屋などドミトリーの寮で、ルームメイトが多様な国の出身者であることです。
必然的に日本語を使わない環境を実現できますし、文化・歴史・民族・日本に対するイメージや所感など深い話に発展しやすいと思います。
一生の財産となる海外の友達ができれば、人生の選択肢・観点・入ってくる情報など、あらゆるポジティブな影響が生じると思います。
今回のコロナでも、他国の実情など気軽に情報交換ができたり、気づきとなったり。そのメリットは枚挙にいとまがありません。
④ 多様な国の人々と深く交流する
留学先の国籍の人だけでなく、ぜひいろいろな国の人々と友達になり、深く交流してみてください。
兵役がある国、食べてはいけないものがある国、紛争を抱える国、迫害から逃れてきた人がいる国、オープンマインドな人が多い国、福祉がしっかりしている国、そうでない国。
ほんとうに様々です。
日本から見た海外、そして海外から見た日本。深く知る国や人々が多ければ、その分きっと多様な観点を学べると思います。多様な観点を学べれば、俯瞰的に物事を見やすくなるはずです。観点に独自性が生まれます。
⑤ 自分からどんどん話しかける
知らない人でも、どんどんはなしかけてみてください。
日本、特に東京で知らない人に話しかけると、「え、なんなんこの人(怪訝)」といった反応が一般的かもしれません。
しかし経験上、海外ではあまりこのようなことはないです。
むしろ国によってはそのまま仲良くなって、そのまま相手の自宅に上がり込んで食事を共にすることだってあるぐらいです。
つまり、自分次第で交友関係や世界をいくらでも広げることができます。知らなかった世界をいくらでものぞくことができます。そして、自分に潜んでいた積極性を呼び覚ますことになるかもしれません。
ぜひ勇気を出して、積極的にはなしかけてみてください(とはいえもちろん女性であれば、安全上の観点からある程度は人をえらんだ方がよいとは思います)。
⑥ 買い物は会話をはじめる絶好の機会
とはいえ、自分から他人に話しかけるのが億劫な人もいると思います。
そういう方にもできることとして、「買い物」があります。スーパーマーケットやデパートに行ってください。
すると、店員の人が話しかけることがあるはずです。店員の方々はモノを売りたいです。会話は歓迎してくれます。話してくれます。
商品の利便性、ポイント、産地、機能など商品によって話題はいくらでもあります。単語がわからなければ、会話を止めてでも1つずつ電子辞書で調べて理解してみてください。私もそうしていました。
携帯ショップ、家電量販店、服飾店、時計屋さん、いろんなお店があります。たくさん話して、店員の方々とも仲良くなってみてください。
⑦ 授業では、気後れせずに質問する
日本では、授業で積極的に質問することは稀だと思います。
しかし海外では、発言しない人に対してはむしろ「なぜ発言しないの?質問しないってことは、なにも意見や感じることがないの?」といった感じです。
わからないことがあれば、どんどん聞く。気後れするなら、授業後に先生を捕まえて質問攻めでもいいと思います。
質問すること自体がスピーキングとリスニングの訓練にもなります。質問して知ったことは、印象や記憶にも残りやすいです。
留学は、知らない人、そしてあらたな自分とも出会える
7つ挙げました。
これらはあくまで目的のための手段です。おすすめできる目的とは「異なる国の人々との時間を最大化し、言語・文化・風俗・多様性を深く体得する」ことです。
この目的を達成する過程で、きっと新たな自分にも出会えると思います。
「あ、こんな風に会話していいんだ」「あ、こんなタブーがあるのって日本だけなのかも」「あ、日本ってこんないい点(もしくはそうでない点)があったんだ」「あ、こんな自然体で接していいんだ」
いろいろなことを感じるはずです。人間は付き合う人、環境によって大きく変わります。
環境を変えれば、新たな視点を得られます。新たな自分とも出会えます。知らなかった世界も知ることができます。
人は日本人だけではないし、国は日本だけでもないですね。日頃接する人が多様になれば、考えもより柔軟に、生き方も考え方もより柔軟になると思います。
私も留学によって人生が変わった人のひとりです。もう一度行きたいとさえ思います。いずれにしても、留学は人生を好転させる絶好のチャンスと言っても過言ではないです。
娘さんがひとまわり大きくなってご帰国されるとよいですね。実り多い留学となることを祈念しています。
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