【元廃人が分析】APEXというFPSゲームにハマる人が続出する理由
APEX Legends(エーペックス レジェンズ)というゲーム、ご存知でしょうか。
PS4・PC・Nitendo Switchで遊べます。ひとことで言うと「オンライン上のプレーヤー同士で協力しながら生き残りをかけて戦場で撃ち合うバトルロイヤルゲーム」です。
知ってる人は知ってるでしょうし、知らない人は知らないと思います。
「ニンテンドー64のゴールデンアイ」の現代版みたいな感じです(これもわかる人はわかると思います)。
私もつい最近まで「名前は聞いたことあるけど、やったことはない」というゲームソフトでした。
古くからの読者はご存知だと思いますが、私はもともと中学生の時にFF11(ファイナルファンタジー11)にハマりすぎて廃人化した過去があります。まぁやばかったです。
ゆえに、「子供がオンラインゲームにハマっていて困っています」というご相談をいただいたこともありました。
読売新聞の2021年8月6日13面「依存社会」息子の暴力・暴言 疲れ果てと題した記事があり、ゲームに熱中して不登校気味、ゲームをやめるよう促すと息子に暴力を振るわれる実態が描かれています。
描写を見る限り間違いなくAPEXかそれに類するゲームです。
元オンラインゲーム廃人だった私が、APEXを実際にやってみて、なぜハマる人が多いのか私なりの分析をご紹介したいと思います。
なぜ人がハマるのかがわかれば、親御さんも多少は対策を立てやすくなる要素にもなり得ます。
加えて、
「特定の対象に対して、どういう原理で人がハマるのか」という観察・分析は、日常的な観点として大事だと私は思っています。なぜなら、あらゆることに応用しやすいからです。株式投資にも子育てにも事業性を見る際にも応用が利きます。SNSに対してもそういう視点は有益です。
APEXをプレイするきっかけ
きっかけは、友人の家に遊びに行った際に目にしたことがきっかけです。
ちなみにその友人も私が尊敬する友人のひとりで、私と共通点がいくつかあります。同い年で国内不動産を猛烈に買い進め、すでに実質的にFIRE達成、中国語もマスター。
どうやらオンラインでチームを組んでボイスチャットプレイできるらしいということで、「ああ、これは(ハマったら)やばいやつやw 買ったらアカンやつや…」と思いつつニンテンドースイッチでその日にダウンロード(アカーン)。
APEXにハマる人が多い理由
思い立ったが吉日、行動は速く(今回に関しては吉なのかはさておき)。
拡張メモリ・マイク付きヘッドセットを買い揃え、いざ戦場へ(友人とは、中国語で出兵のことをチュービンというので、「今日チュービンする?」「チュービンや!」と小学生感あふれる意気軒昂)。
ちなみにAPEXのプレイ経験は下図のとおり。忙しい合間を縫って(?)、チュービンしました。たまにはゲームもしますw
さて、これだけプレイしていると、必然的にゲームの
- 設計
- 特徴
- 人々がハマるフック
が見えてきます。こういう観点は大事だと思います。たかがゲーム、されどゲーム。
なぜ人々はAPEXにハマるのでしょうか。
① ゲーム設計によって完勝しにくい性質
人々がAPEXにハマる理由、1つ目。
完勝しにくい性質が挙げられます。
どういうことかというと、プレイヤースキル(実力)と運要素が、いい感じに調整されているのです。
このゲームは、最初に武器・弾薬・装備品を集めます。そして、事前に友人と打ち合わせているなら別ですが、オンラインで組むチームメンバーも基本的にはランダムです。
- 戦場に降り立つ場所
- そこにある装備品
- 組むメンバー
- どういう状況で相手部隊と出くわすのか
これら運要素が生じます。
また、課金でキャラ自体を強化することはできません。いくらプレイする本人の力量が高くとも、上述の運要素によって良い意味で限界があります(もちろんうまい人はめちゃくちゃうまいので、無双状態になっているケースも時にあります)。
さて、冒頭で「完勝しにくい性質」と述べました。
完勝しにくいとなぜ人はハマるのでしょうか。
それは、「欲求が満たせないことが多くなりやすい」からだと私は思います。
- もうちょっと高所ポジションに陣取っておけばよかった…!
- 武器の切り替えが遅かった…!
- あの局面でアビリティ(必殺技みたいなもの)を使うべきだった…!
戦場での立ち回りの奥が深くて、成績を上げるために反省点と改善点を洗い出すことはいくらでも可能です。
さらに、勝った後はキリがよくなるのでよいのですが、負けた後ってもう1回やりたくなるんですよ。そこで先ほど述べた特徴である「運要素とのバランスがよく、完勝しにくい性質」ですよ。
「うーん、ここがちょっと微妙やった、くやし~。もっかいや!」みたいな人間心理に上手く働きかけているゲーム設計だと思います。
確実に勝てるより、不確実性を伴って時に勝てる方が脳は刺激を認知しやすく、適度に変化を感じられる。
② 毎回プレイするごとに変化が絶対生じる
人が飽きる際の重要なポイントって何だと思いますか?
それは、「変化に乏しいこと」です。
変化が乏しいと、人間は飽きやすいです。一定の刺激を受け続けると、人間は感覚的にマヒしやすいですね。
このゲームは、以下の点で毎回変化があるのです。
- 組むチームメンバー(自分も相手も)
- チームメンバーが使うキャラ(自分も相手も)
- 降り立つ場所(自分も相手も)
- 降り立つ場所を決める人(自分も相手も)
- 戦う場所
- 落ちてるアイテム・装備品・銃・弾薬
必ず変化がある設計だと、脳はその都度、刺激と変化を認知しやすく飽きにくい要素になるでしょう。この点もAPEXは設計上よくできています。
③ 本能由来の競争心・虚栄心・向上心・探求心を刺激する設計
運要素があるとはいえ、プレイヤーの操作(たとえば、「エイム」と言って、銃の照準を敵に上手に合わせる技術)が上手いと、やはり勝ちやすいのです。
そして、よい成績を残した人には、勲章(バッジ)が付与されます。これが人々の競争心・虚栄心を刺激するのでしょう。
男性は基本的に本能由来の競争心が備わっています。いくら他者に対して美辞麗句を並べたり張り合っている姿勢を見せずとも、虎視眈々とその座を狙っていたりするものです。
そういった競争心・虚栄心に火をつける設計がしっかり組まれていますね、このゲームは。
とはいえ、人はいろいろです。①競争心・虚栄心が強い人もいれば、②向上心・探求心・匠の域を望む人もいます。
後者にも、このゲームはしっかりアプローチできていると思います。先ほど述べたように、反省点・改善点は、いくらでも探し出すことが可能です。なぜなら、運要素とのバランスがよいからです。
仮に「運要素が排され、課金でいくらでもキャラを強くできてしまう設計」であれば、①競争心・虚栄心が強い人は刺激できても、②向上心・探求心・匠の域を望む人に対しては刺激できないでしょう。
なぜなら、向上心・探求心・匠の域に到達するまでの要素として、プレイヤースキルの比重が小さくなるからです。
さて、ここまで読んで「うお~めっちゃやってみたい」と思ったあなた、要注意ですw ほどほどにしておきましょう。しかしそれもまた人生なのでしょうか。
「なるほどなぁ」というかたちで留まったあなた、引き続きリアルに没頭が吉です。
たかがゲーム?いえいえ、されどゲーム
いずれにしても、ゲーム1つ取っても、学べることは無限に転がっていると思います。映画と同じです。
そしていずれにしても、自らを律することができれば、どのような対象でも適切な距離を取ることが可能です。SNSであれ、ゲームであれ、欲求であれ。
自らを客観視できる人であれば、何事においても中毒に陥ったり、度が過ぎるということはないでしょう。ただしその域に達するには、1度中毒になるほどドハマりした経験が間違いなく活きると思います。
毒を持って毒を制す、ハッカーとホワイトハッカー、元薬物中毒者が行う社会復帰セミナー。これらのワード群と、根底に繋がっているものがあることは確かでしょう。
ちなみに、主に使う武器はR301(近距離)とランページ(中距離)、主に使うキャラはヴァルキリー(目標物確認、積載弾を発射!)ですw
Best wishes to everyone.
関連記事
こういう経験もFIREしたからこそなのでしょう。なお、プロフィール記事にAPEX廃人と追記することは‥‥ないでしょう。笑
この時からもう2年が経ちましたか。速い!
ある程度やらないと見えてこないことはよくあります。