映画「ヒノマルソウル」を見た感想
この映画で印象に残った点は、ずばり以下です。
- 不運な状況に陥っても、当人が幾多の苦しみと困難から立ち直ったことで、結果的にその後の人生を決定的に好転させることになった
作中で、ある選手がスキージャンプ中に「落ちろ」と主人公がおもうシーンがあります。
作品を見ればわかるのですが、これは聖人君子でないかぎり、ある意味で自然とさえ言えます。
なぜなら、その選手のジャンプによって前大会で金メダルを逃しただけでなく、自分が代表落ちして金メダルを逃す原因を作ったその選手が代表入りしているからです。
しかしそのような葛藤や苦難を経て、ましてや「テストジャンパーを務める」という当人からすれば(当初は)本意と思えないことをやって、目の前で代表が脚光を浴びているという苦悩が主人公を覆います。
そんな苦難すらも経て、最終的にその選手のジャンプ成功を祈るまでに、主人公は「ネガティヴな状況をポジティブな感情と行動に昇華」させています。
そしてその結果、実際に映画の主人公にまでなって、自身の存在が知れ渡り、さらにはオリンピックの裏に、欠かせない裏方の存在まで世間に示すことにまでなった。
本来記、憶にも記録にも残らないテストジャンパーたちを、記録に残すことまで可能にした。
主人公と、テストジャンパーたちが役割の主観的貴賎にかかわらず務めを果たし、そして最大限に努め、文字通り逆風の中で結果を残したから実現できたことです。
- こんな役割をこなして何になる?
- 自分がやってることはちっぽけなことだ。
- 表舞台に出ない役割をこなして何になる?
- 裏方をこなして何になる?
そんな思いを持ってる人、そして逆境にある人、そんな人々に強く響くものが、この映画にはきっとあるはずです。
Best wishes to everyone.
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