子どものための資産運用。米国株式・先進国株式・全世界株式。
お子さまの資産運用に関して、以下ご質問をいただいています。
題名: 子どものための運用について
メッセージ本文:
いつも楽しく拝見させて頂いております。
穂高さんの文章は軽快な語り口でついつい時間を忘れて読み耽って
標題の件ですが、2人の子供のための運用についてご相談がござい
◾️簡単な自己紹介
私:30歳 某企業人事
妻:30歳 共働き(現在育休中)
総資産:3,500万
→現金1,800万
自社株850万
投資信託400万
個別株(ETF含む)400万
長男:2歳 ジュニアNISA開設済み
長女:0歳 同上
夫婦の趣味が運用と貯金であることや、住まいが社宅で家賃が格安で
長男はeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)とeMAXIS Slim 先進国株式インデックスを年額80万まで購入しています。
長女が今年生まれ、今後運用を始めるにあたり、運用方法について
教育費に充てる予定はなく、子供が成人した頃を目安にそのまま渡
長男と同じ方法で運用するか、はたまた利回り重視の個別株にする
※いつ始めるかが重要ではないと認識していながらも現在の株価の
長くなり恐縮ですが、ご回答頂ければ幸いです。
よろしくお願いします。
世界経済が大過なく推移すれば、お子さんが未就学児の頃から運用した場合、成人する頃にはかなり大きな金銭的なプレゼントになりそうですね。
お子さんのための資産運用は必然的に長期投資になりますね。そのため、投資対象を大きく外さないかぎり、現時点ではそれなりのプラスリターンを見込みやすいと考えられます。
子どものための資産運用。候補となる投資対象とは。
ご長男のために、以下2つの投資信託に年額80万円まで運用されています。
- eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
- eMAXIS Slim 先進国株式インデックス
さてご長女のための投資対象をどうするか、ということですね。
- 米国の継続的な成長に賭ける → 「米国株」
- 国を分散させたい → 「全世界株式」
とする形が一案と思います。過去の傾向から未来を描く場合、米国株が順当な選択になってきます。ただし高い成長がいつまで続くのかは不透明です。
世界経済全体の成長に賭ける場合は全世界株式になってきます。ただし総花的(良くも悪くも平均的)にはなります。
いずれにしても、お子さんのための運用ということで、基本的に個別株ではなく投資信託(・ETF)で十分と思います。
補足
ただし、いずれお子さんへの金融教育を予定されているのであれば、あえて個別株や多様な投資対象へ投資することで主体的に興味を持つきっかけづくり(子供への金融教育も兼ねた資産運用、適したETF・積み立て方法とは)とするのもひとつですね。
eMAXIS Slim 先進国株式インデックスの概要
ちなみにご参考まで、eMAXIS Slim 先進国株式インデックスは、国別構成比率72%が米国のため、米国株と似た動きをしています。概要は以下の通りです。
- 連動指数:MSCIコクサイ・インデックス
- 特徴:米国比率が高く72%
米国株式・先進国株式のトータルリターン比較

「モーニングスター」より
先進国株式の72%は米国株ですから、トータルリターンに大差はやはり見られません。
まとめ
結局「どういったシナリオに賭けるのか」という点に集約されます。つまり、米国株・先進国株・全世界株、どの対象の成長に賭けるのか、というところです。
過去の傾向から未来を描く場合は、やはり米国株ということになります。国際分散投資を志向する場合は、全世界株ですね。
いずれにしても、親御さんが「子供のための資産運用」を長期的におこなうかどうかで、子供にとっては成人スタート時点で資産形成規模・金融への興味において大きなアドバンテージを得やすくなることが考えられます。
金融教育を兼ねるならば、複数の対象に投資して比較してもらうのも、興味を喚起するきっかけにはなりそうですね。トータルリターンの結果も大事ではありますが、「お子さんの興味・金銭観・世界観を広げる手段としての資産運用」としてとらえるのも、やはり大事なことだと思います。
お子さんの成長とともに資産も成長していけば、楽しみも増えそうですね。
Best wishes to everyone.
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資産運用はリターンのみで語られるものではないでしょう。位置づけ次第で多様な手段になり得ます。特にお子さんがいらっしゃる場合。
なぜなら、観点を1つ増やせることになるからですね。観点は多い方が、物事の見方は広がると思います。