30歳でFIREするのか、37歳でFIREするのか、海外駐在というチャンス。
30歳ですでに経済的自由を達成されている方からのご相談です。
「いつ別の生き方に踏み切るのか」というのは悩ましい選択だと思います。お金を取るのか、時間を取るのか、そういった二者択一の場合もあるでしょう。
一方で、ある時、急に振り切れる時が来ることもあるのもまた人生の妙かもしれません。
題名: ご質問
メッセージ本文:
穂高 様
東京都在住会社員の〇〇と申します。
いつもブログを拝見させていただいており、大変参考になっており、感謝申し上げます。
突然のご相談失礼いたします。
ご多忙の中恐縮ですが、ご教示いただけると幸いです。
【プロフィール】
30歳、男性、独身(結婚の予定はなし)、社宅住まい、ローンなし、金融資産3000万円(定期預金500万円、VOO1500万円、VYM200万円、HDV200万円、SPYD200万円、VT200万円、積立NISA全世界株投資信託200万円)
【ご相談】
37歳、金融資産8000万円~1億円でFIREを目標としており、FIRE達成後はエアビーアンドビーを活用し、物価の安い東南アジアを中心とした様々な国を転々としつつ、趣味である食べ歩きでローカルフードを巡る旅をしたいと思っております。(発展途上国における食に関わるボランティア等もしたいと考えております。)
また、33歳~37歳の期間に会社の海外駐在の経験もできる予定であることから、30歳~33歳の期間は激務ながらも、なんとか我慢して勤務をしようと思っております。
しかし、最近会社の仕事に全くやりがいがなく、楽しくありません。支出の最適化を行っており、年間支出は100万円です。いわゆる4%ルールに照らすと既に経済的自由は達成しています。
そこで、今を我慢しつつも将来の安定を重視し37歳(金融資産8000万円~1億円)でFIREを達成するか、若年期における時間や経験を重視し30歳(金融資産3000万円)でFIREを達成するか、迷っております。
何かアドバイスをいただけますと幸いです。
ありがとうございます。
究極的には人生でなにを求め、なにを成したいのかという点に帰着するとは思います。
ただ、客観的に見ても「悩ましい」と思える点がおありのようです。
33歳~37歳の期間に会社の海外駐在の経験もできる予定であることから、30歳~33歳の期間は激務ながらも、なんとか我慢して勤務をしようと思っております
海外駐在というのは、正社員の中でも限られた人にしか体験できないことですね。海外駐在になれば、一般的に、国内給与に海外手当や家族手当などが上乗せされるため、可処分所得が増えます。
また、治安が比較的よくない国であれば、保安上の観点からもグレードの高い地域や住まいが提供される傾向にあります。
そしてなにより、海外で働くという人生経験はきわめて貴重だと思います。日本からの出張者の接待など社内向けの仕事もあるでしょうが、海外顧客との会食や海外現地法人の外国人社員との人間関係の構築、サービスアパートメントの住人・地域住民とのかかわりなど、本人にその気さえあれば、日本でできない体験をしようと思えばいくらでもできます。
その気になれば、外国語を必死に習得することもできるでしょう。
上述のとおり、人生経験の観点から、海外駐在は貴重な機会ですね。体験できるに越したことはないと思います。そしてもちろん、仕事を続けた方が、単純なお金の観点からは余裕が出ます。
一方、やりがいを感じられない仕事を続けることもまた苦痛ですよね。7日のうち5日を自分らしく過ごせないのは苦痛であること、これはどれだけ苦痛なのか私も共感できるであろうことです。
やはり後悔するかしないかの観点は重要と思います。
- 30歳で辞職。海外駐在の機会より若年期の自由な時間を得たことを後悔しないか。
- 33~37歳で辞職。若年期の自由な時間より海外駐在を優先したことを後悔しないか。
これはひたすら自分で考え抜く必要がありそうですね。逆に言えば、決心がつかないのであれば、ひとまず続けることも一案です。
なぜなら、ある時、急にどちらかに振り切れることもあるからです。
あくまで私の場合ですが、会社を辞めるのがもったいないと感じた時期もありました。しかしある時、急に振り切れました。「あぁやっぱり若い時期の自由な時間の方が断然大事やな」と。以降、やめるのがもったいないとは一切感じなくなりました。そして後悔もまったくありません。
ご質問者さまの場合も、既に経済的自由は達成されており、あとはいつ踏み切るのかという段階ながら悩まれているということですよね。
つまり今は踏み切れない以上、ある程度の期間を設けてみるのがひとつですよね。無理やり振り切っても、のちに後悔する可能性が高まると思います。
自分で考えに考え、さらになんらかのきっかけがあれば、「なんでこんなことで悩んでたんやろ」と急になることもあります。その時まで少し待ってみるのもひとつと思います。
ひとえに「1度きりの人生を、後悔しないか」という目線で真剣に考えると(既にお考えのことと思いますが)、見えてくるものもあると思います。
心が無理をしていれば、遅かれ早かれいずれすんなり決心がつく時が来るはずです。私はそうでした。悩んでいる期間が長ければ長いほど、納得いく決断につながることもあるでしょう。悩む期間というのはまったく無駄ではなかったです。
経験上、人生には、時に逆らえない大きな波や流れがある気がします。そういう時はお金なんて非常にちっぽけな要素にしかならないです。無理に逆らわずに、大きな流れに身をゆだねるのもひとつだと思います。
もちろん、FIRE後に「興味ある活動」によってあとからお金が付いてくる状態だと、金銭的にはより盤石な体制が構築されるとは思います。その有無もひとつポイントにはなりそうです。
Best wishes to everyone.
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自分を知り、価値観を明確にすれば、大きな方針というのは自然に見えてくると思います。とことんやると見えやすいと思います。
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