海外滞在への同行期間中、資産形成と時間の使い方をどうしたらよいか
駐在や留学などで海外で滞在する機会もありますね。
資産形成と、海外滞在中の時間の使い方に関するご相談です。
私も海外生活を送っていました。大きな人生の転機となりました。
本記事が、実りある海外生活を送る一助になれば幸いです。
ご質問
題名: 今後の資産形成と時間の使い方について
メッセージ本文:
穂高様
いつも記事を大変参考にさせて頂いております。
以前資産運用についてご質問させて頂いた者です。質問を取り上げて頂き、丁寧ご回答下さり有り難うございました。アドバイス頂いたおかげで、本格的に投資を開始し、コロナ環境下で少額ですが利益を出すことができました。
再びご相談をさせて頂いても宜しいでしょうか。時間の使い方と今後の資産形成について、穂高様だったらどうされるだろうかと思いまして、ご意見頂ければ幸いです。
今年の夏から夫の留学に同行することになり、仕事を辞めて夫、娘3歳と約1年半海外に滞在することになりました。
① 資産形成について
手許資金は以下の通りです。
- 貯金 約1,500万円
- 国債 1,000万円
コロナショック時に800万円程度米国株を購入していたのですが、急落が怖く、今年になってから全量売却してしまいました(保有しておけば…と少々後悔しております)。
様子を見ているうちにどんどん上り調子になり、また0からのスタートでタイミングを逸しております。
やはりこの上昇局面でも0よりは小額ずつでも積み立てた方が良いとお考えでしょうか(同様の質問をされていた方がいらっしゃったと思いますので重複してしまい申し訳ありません)。
現地で仕事をしない場合、収入がなく貯金の取り崩しとなるため、慎重になっております。
② 時間の使い方について
1年半の時間の使い方について、どうすれば自分の人生にとって有意義な使い方をできるのか思案しております。
約10年間銀行員として働いて参りました。現地では就労ビザが取得できるので、何かしらの形で働くのも、今後のキャリアや自分の精神衛生上も良いのかなと考えております。
一方、数年前に思い立って司法試験の勉強を始めたものの、なかなか本腰を入れられず全く進められていないので、このタイミングで図書館にこもって専業受験生になるのも一案かと思っております。
ただ、折角海外に行くので、現地ならではの人生経験をした方が自分のためになるのかなとも悩んでおります。
穂高様でしたら海外に一定期間いるとしたらどのように過ごされますでしょうか。
現在人生模索中であり、真の充実について考えております。将来的には組織に属さず個人として細々と仕事をしながら日々を充実させ、少し自分にとっての贅沢ができるような金銭的豊かさを持てることを目指しています。
何だか人生相談のようになってしまい申し訳ありません。
穂高様の人生観に大変感銘を受けておりますので、ご意見頂ければ幸いです。お忙しい中読んで頂きありがとうございます。
利益、おめでとうございます。自分のことのようにうれしく思います。
コロナショック時に800万円程度米国株を購入していたのですが、急落が怖く、今年になってから全量売却してしまいました(保有しておけば…と少々後悔しております)。
結果にかかわらず、大きな経験ですよね。経験を蓄積すれば、自分なりの投資観やスタイルの確立につながります。無駄な経験ではないと思いますよ。
年始現在の上昇局面でも米国株を積み立てるか
やはりこの上昇局面でも0よりは小額ずつでも積み立てた方が良いとお考えでしょうか(同様の質問をされていた方がいらっしゃったと思いますので重複してしまい申し訳ありません)。
現地で仕事をしない場合、収入がなく貯金の取り崩しとなるため、慎重になっております。
そういうご事情で慎重な状態ならば、無理に積み立てる必要はないとは思います。
- 「早期にFIREを達成したい」という強い願望
- 資産形成の切迫性が高い
- 給与などのキャッシュフローが定期的に補充される
これらの場合は、定期つみたての意義を見いだしやすくなります。
逆に、そういったご事情がなく、さらに精神的に慎重ならば、その心の声を尊重してもよいのではないでしょうか。
特に取り崩しの時期ならば、無理して投資をして精神的に心地よくなければ、ろうばい売りの可能性も高まります。
切迫性がなければ、次の調整局面まで買い控えるのも立派な戦略だと思います。ただし、上昇した時にあせらないようにしたいですね。
そこで、「一部の資金を入れて、あとは様子見で置いておく」という、どちらに転んでもよいような中庸的な案が有力ですね。私が同じ立場ならそうします。
海外滞在で、どう時間を使うか
現地では就労ビザが取得できるので、何かしらの形で働くのも、今後のキャリアや自分の精神衛生上も良いのかなと考えております。
一方、数年前に思い立って司法試験の勉強を始めたものの、なかなか本腰を入れられず全く進められていないので、このタイミングで図書館にこもって専業受験生になるのも一案かと思っております。
ただ、折角海外に行くので、現地ならではの人生経験をした方が自分のためになるのかなとも悩んでおります。
穂高様でしたら海外に一定期間いるとしたらどのように過ごされますでしょうか。
現地ならではの経験を最優先
私でしたら、「現地ならではの人生経験」をします。
海外で生活することは、日本以外でしか得られない経験を得るチャンスだからです。
特別な事情を除いて、海外では日本人と関わることはほどほどにします。そして、現地語を学び、現地に深く入り込もうとします。
たとえば食材の買い出しでも、
- 地元の人が行くスーパー
- 日本人駐在員が行くような高級スーパー
の両方で買って料理して比較する、店員さんにあれこれ質問してみるなど、そこらじゅうに貴重な経験のきっかけが転がっています。
現地に入り込めば、現地の人から知り得ない情報も得られます。異文化を解し、多様な価値観に触れることもできます。日本という国を客観的に俯瞰するきっかけにもなりやすいですね。
これら無形資産は、人生における貴重なものです。その後の人生に必ずと言ってよいほど役に立つと思います。経験上、確信しています。
真の充実と人生を模索中ということですから、そういう時には、人間はなおさら漫然と過ごさないものですね。なにかしらの気づきがあるかもしれません。すべてを吸収してやろうぐらいの姿勢と気概があればなおのことと思います。
1つの言語をマスターするには、興味と努力があるに越したことはないと思います。子育てなど諸事もあるでしょうから、語学もできれば、というところでしょうか。
違いを楽しみ、すべてを吸収する
釈迦に説法とは思いますが、海外生活では環境が異なり、心の余裕がなくなる人もいることから、以下2ケースに分かれやすいようです。
- 家族の絆が深まる
- 家族間の衝突が増える
「違いをたのしもう」という姿勢が大切と思います。海外では、日本と違うことだらけですから、違いをたのしみたいですね。
そういう部分が試されるのも、海外生活というものだと思います。家にこもらず、どんどん外に出て首を突っ込んでいくぐらいでちょうどよいと私は思います。
司法試験の件は、環境的な理由など、自身の気持ち以外の外部要因ならば、そこまで興味や意義を現時点では見いだせていない可能性も考えられます。
本当に興味があり、積極的意義を見いだしていれば、なんらかの形で取り組みたい気持ちがふつふつとわいてきそうですね(当初そうでなくとものちにそうなるかもしれません。もちろん、子育て等でご多忙でしょうから、時間的な制約などの原因もおありとは思います)。
いずれにしても海外生活は、人生において大きな経験になり得ると思います。生かすも殺すも心持ち次第であれば、ぜひ生かしたいですね。
通り一遍の滞在ではなく、現地の人とも交友を深めることで、文化や歴史・価値観・語学も学べ、濃密な経験が人生を豊かにすると思います。
ご無理なさらず、実りある生活になることを祈念しております。ご参考になれば幸いです。
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語学の学習については、以下も参考に供します。
こんなことも、日本では考えにくいかもしれませんが、海外ならではのことです。
工夫次第で、環境を最適化することができそうですね。
コメント
穂高様
早速取り上げて頂き有り難うございました。御礼が遅くなってしまい申し訳ありません。お忙しい中丁寧にご回答頂き深謝致します。
やはり現地ならではの経験は貴重な財産になるとのこと、実際に海外で生活された方のご意見大変参考になりました。
今後のキャリアや人生について考えていましたが、今までと違った経験を貪欲にして幅を広げる機会にしたいと思います。
試験についても改めて本当にトライしたいのかを考えて、今後時間を有効に使いたいと思います。
資産形成についてもアドバイスありがとうございます。焦らず少しずつ着実に蓄えを増やしていこうと思います。
迷っているところでしたが、アドバイスを頂いて腑に落ち、自分の気持ちも再確認できました。
この機会を活かして人生を楽しもうと思います。
穂高様の益々のご活躍を応援しております。
ありがとうございました!