米国高配当株ETFでFIREをめざす、どう買っていくか

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FIREをめざして高配当株ETFをどう買っていくか

心穏やかに、株式市場の動向で心理的に揺れないためには、以下3つを満たすと安心ですね。

  1. 現金比率を保守的に定め、それを守ること
  2. 配当・譲渡収入以外に事業収入など収入を分散すること
  3. 株式(たとえば高配当株ETF)を割安な時期に買えていること

②を図り、③を満たしている方からの以下ご質問をいただいています。

ご質問

ご質問

題名: FIRE後、年金を受け取れる65歳までの20年間の運用方法について

メッセージ本文:

三菱サラリーマン様

いつも多くの人に有益になるような事象を分かりやすく投稿いただきありがとうございます。
貴殿は私より10歳以上お若いのですが、その考え方に感銘を受けることが多く、三菱サラリーマンさんの犬、さながら、著書とブログを読み勉強させていただいています。

以下、不躾で申し訳ありませんが、もしよろしければこの事例でどうなさるかご助言いただけると幸甚です。

これまで2年ほどiDeCo、つみたてNISAをしてきましたが、昨年のコロナショックからおそるおそる割安の高配当株等に投資を始めました。現在息を吸うのも辛いブラック職場におり、要介護の親もいるため、一日でも早くFIRE遂げたいと準備しているところです。これまで投資や経済に疎かったもので後悔していますが、過去は変えられません。しかし投資は未来の自分を笑顔にする希望のツールだと思い自分の頭で考え最善を尽くす毎給料日です。

1.現在の投資内容

  • 米国高配当ETF(VYM、HDV、SPYD、DHS等) ¥1080万
  • 米国高配当株(MO、PM、XOM、T、VZ等)¥500万
  • 米国債券ETF(BLV、EDV)¥70万
  • 日本高配当株(JT、オリックス、REIT等)¥550万
  • つみたてNISA、ideco(slimSP500)¥225万(¥33333+¥12000/月)
  • 特定口座(slimSP500、slim全世界)¥570万(¥20000/日)
  • 社内預金 ¥2100万 (1.2%/年利)
  • 金、BTC ¥100万

2.給料からの投資可能資金 ¥300万/年(今後1~2年)

3.退職金予定(1~2年以内としたい) ¥700~800万

Q.FIRE後に年金を受け取れる65歳までの20年間の運用方法について

社内預金+退職金で退職時の現金が計¥2500~2800万程になりますが、この後どのように投資していったらよいか腹を括れるような案が浮かびません。高配当ETFをもう少し持ちたいところですが、コロナショック時に割安で買えてしまったがため、現在高騰している高配当ETFに手が出せない状況です。

FIRE後は年金受給まで

  • 支出:¥200万/年
  • 収入:個人事業主+パート労働の収入で¥50万/年、¥150万を配当金と投資信託、預貯金の取り崩し

と想定しています。(※年金は65歳から¥150万/年の予定)

FIRE後にiDeCo(¥68,000/月)を増額して運用することに節税メリットを感じてはいますが、資金を60歳まで拘束されることのリスクに当方の想定が足りていません。また、他の運用方法や生活費と定期つみたてのバランスを取る方法などのアイデアが乏しく、お忙しいところ恐縮ですがお知恵を拝借させていただけると幸いです。

 

大変恐縮です。おっしゃる通り、過去は変えられないので、まさに今の1日1日に最善を尽くすことが、よりよい将来を形作るものと思います。

回答

ご質問のポイント
  • 配当株の総額:約2,000万円
  • 投信(S&P500連動):約800万円
  • 退職時(1~2年後)には、配当・投信(・預貯金)の取り崩しで年間150万円まかないたい

ということですから、既存の配当株の配当利回り3%、投信リターン年率4%と仮定しても、「年間目標150万円のうち90万円まで進捗」されています。

残り年間60万円ですから、高配当株ETFの税引き後分配利回り3%の水準で2,000万円を投じれば、数値上はクリアとなりますね。それでも現金は500~800万円は確保できる計算になります。

心穏やかに退職後の生活をお送りになるためにも、現金等の無リスク資産を保守的に確保しておかれることをおすすめします。

高配当株ETFは、たしかにコロナショック後と現在を比較すると、当時の方が割安感があります。逆に言えば、その時に仕込めているのは心理的にも今後の方針を考える上でも大きいです。

以上の条件・状況を勘案すると、1~2年後の退職を見据え、2年程度に時間分散をして、【VYM】など高配当株ETFを買っていく形が一案と思います(理論的には一括投資でもよいですが、その後の市況変動に心理的に耐えられる方にかぎります)

ただし、たとえば

  • 退職まで1〜2年ではなく、もう少し先であったり、
  • 自分でタイミングを計ってより多くのリターンを追求したいというご希望

があったりすれば、話は変わってきますね。

とはいえ、あまり投資になじみのない方、または今までの投資遍歴でタイミング投資をしていない方におすすめできるのは、やはり「定期つみたて」のような中庸的な手法になります。

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この部分をどう捉えるかですね。なお、私はiDeCoはやっていません。資金を拘束されるデメリットを大きく見ているからです。

ご質問者さまの場合、ご年齢的に年金支給まで遠いわけではないものの、仮に上述のように年間投資収益150万円を見込む場合、資産の過半をリスク資産に預けることになります。

その観点から、iDeCoへ振り向けずに現金として手元に置いておいてくか、債券ETFなど低リスク資産に振り向けるなどでもよいかと思います。

ご状況、拝察いたします。不明点あれば遠慮なくご連絡ください。

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公開日:2021年5月11日

コメント

  1. 駄犬 より:

    質問者です。
    長文の駄文で相談してしまい失礼しました。
    ポイント絞って整理頂いたお蔭で冷静になることができました。現金比率を大切に保持しながら進めて参りたいと思います。
    ありがとうございました。