高配当株の売却判断基準とは(FIRE前・FIRE後)
人間が特定の活動を続ける場合において、精神性・メンタルというのは、非常に大事ですね。
株式投資も同様に「心地よく投資を継続できること」も大切ですね。あるいは、投資をしていることを忘れてしまうぐらいならば、必然的に長期投資につながるのでしょう。
さて、株式投資には高配当株投資もあります。高配当株投資の場合、「含み益+高配当」ですと、心地よい状態になります。
そういった場合、利益確定も選択肢としてはありますね。ご質問を以下いただいています。
ご質問
題名: 高配当株式の売却判断基準について
メッセージ本文:
お世話になります。わたくし〇〇〇〇と申します(47歳独身)。
題名の点についてお考えをお聞かせ願えると幸いです。
2020年秋頃より早期リタイアを意識して、日本株高配当銘柄を
(平均利回り5.5%程度、年間配当250万円(税引前)>年間
ここ最近の株価高騰でかなりの含み益が出ています。(全銘柄合計
せっかくの配当利回りをこのまま生かすのか、一旦利益確定し銘柄
以前高配当株の売却に関する記事を見かけた様な気もするのですが
もし設定されているのでしたら、なぜその基準なのかお教え願えた
高配当株でかなり含み益が出ていらっしゃるということで、よろこばしいですね。おめでとうございます。
回答:高配当株の利益確定基準(わたしの場合)
さて、お問い合わせの「私の高配当株の利益確定基準」について、以下のとおりです。
- FIRE前:売却ほぼなし
- FIRE後:業績の堅牢性・事業の将来性を信じられるか
FIRE前
セミリタイア・FIRE達成前は、1日でも早く達成すべく、ひたすら配当を積み上げていました。そのため、配当が減ることを意味する高配当株の利益確定も、基本的にしませんでした。
FIRE後
売却・入れ替え・無配株への投資など、特に制限は設けていません(背景は後述します)。
利益確定は、保守性を意識しつつ、必要と判断すれば実施する形です。
利益確定の主な判断基準としては、
- 「業績の堅牢性・事業の将来性を信じられるかどうか」
でしょうか。
信じられないと、心穏やかに投資を継続しづらいですし、下落局面での積極的な買い増しもしづらいですね。
利益確定基準が変わった背景
利益確定基準が上記の通り変化したことには、背景があります。
- 人生ステージの変化
- キャッシュフローの変化
① 人生ステージの変化
- 配当というキャッシュフローが、経済的自由の達成度を測る最重要指標
- 配当は、FIRE達成前でも明確に算出・想定できるキャッシュフロー
- 配当が、自由な人生を描く(FIRE)決断の際、大きな後ろ盾・安心材料
- とにかく1日でも早く達成したい気持ちが強い。ゆえにリスク選好的。
- 収入が複線化し、配当の重要性が想定より相対的に低下
- 積極性より、保守性
達成前は、「達成の進捗尺度となる受取配当金」を減らすことになる利益確定には消極的でした。よって、その意味でも売却は選択肢から外れます。
対して達成後は、運用上の制約がありません。FIRE前にあった「切迫性(1日でもはやく達成したい)」がなくなったことも挙げられます。
② キャッシュフローの変化
2015年後半より高配当株をひたすら購入してきた結果、2020年の株式からの受取配当金は税引後で月平均20万円を超える見込みです。これで生活費は賄えますので、今後は高配当株だけに限らず、低配当でも増配率の高い好配当株にも積極的に投資して参ります。そのような銘柄も今後紹介していきます。
— 穂高 唯希|Yuiki Hotaka (@FREETONSHA) May 19, 2019
- 2019年以前:配当額 < 生活費
- 2019年以降:配当額 > 生活費
さらなる配当必要性の低下
利益確定・売却に関する私の判断基準については、以上です。
仮に私がご質問者さまなら…
ここまでご質問の趣旨に沿って回答しましたが、状況・環境が異なれば、やはり参考にならない可能性もあります。
そのため、仮に私がご質問者さまなら、という視点も記すと、以下のとおりです。
- 日本株高配当銘柄を10銘柄購入
- 年間配当250万円(税引前)>年間生活費の状態
- 全銘柄合計で3年分の生活費相当の含み益をどうするか
私なら、該当の日本株高配当銘柄の事業堅牢性・将来性があると判断すれば保有継続。将来像を描けない場合は、利益確定とします。
理由は、次の通りです。
配当の主たる源泉は「事業から生み出される利潤」ですね。ですから、ほぼ一義的に事業継続性・堅牢性・将来性が重要です。
逆に、10銘柄の将来性を信じられないのであれば、利益確定し、米国高配当株ETF【VYM】などに乗り換えることを検討されてもよいと思います。
いずれにしても、「配当>生活費」の状態を実現されていらっしゃいますから、精神的な余裕を持ってご決断できるのではないでしょうか。この精神的な余裕というのは、本当に大きいですね。
まとめ
- 「業績の堅牢性・事業の将来性を信じられるかどうか」
信じられないと、心穏やかに投資を継続しづらいですし、下落局面での積極的な買い増しもしづらいですね。
そして、他人が信じているかどうかが重要なのではなく、自分が信じられるかどうか、ということです。他人が信じていなくて、自分が信じていて、そのシナリオ通りとなれば果実はより大きくなるケースもあるのが株式投資ですね。
ご参考になりましたら幸いです。
Best wishes to everyone.
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