40代が、セミリタイアを50歳までにめざすための資産運用とは。
40代 男性
という方からご質問をいただきました。以下回答いたします。
ご質問
題名: 投資についての質問
メッセージ本文:
穂高様、初めまして。
いつも楽しくブログを拝見しております。40代会社員の〇〇と申します。
ブログで勉強させて頂いている中、自身の貯蓄の運用について悩んでおります。また、最終的にはセミリタイアを目標としているのですが、ご助言頂けませんでしょうか?
現状
当方の現在の状況ですが、42歳で独身です。両親同居ですが、両親は年金で生活できています。住居は賃貸でローン等はありません。
- 年収:350万円(手取19万ほどです)
- 貯蓄額:3100万円
- 保有証券:170万円
- 副収入:月1~3万円
投資等については全く考えておらず、単純に銀行に貯蓄をしてきました。
給与は低いですが、毎月機械的に貯蓄していたらこの金額になっていた状態です。
入社時から仕事が嫌で嫌でたまらなかったのですが、どうしても辞める踏ん切りがつかず、20年程働いてきました。
30歳頃から身体を壊し、昨年は心身体調を崩して休職し、復帰が3月中予定です。
復帰は何とかできそうですが、この先も続けていくモチベーションが保てない状況です。定期的な収入が断たれた場合なども考えると、どうしても辞められず悩んでいた時に穂高様のブログ・著書に出会い、投資を勉強し始めました。
投資内容
以下投資内容となります。
2020/10~
- 積立NISA
eMAXIS Slim S&P500米国 月33333円 - 投資信託
eMAXIS Slim S&P500米国 月66666円
2021/1~
- 米国ETF
VYM 月約10万円
HDV 月約10万円
SPYD 月約10万円
また、副収入としては8年程前からヤフオクで不要物、機材の修理改造・販売をしています。月1~3万円の収入となっています。こちらは趣味になっているので、楽しみながら行っています。
生活費
生活の最適化を実施して、月11~13万円ほどです。
目標
遅くとも50歳までのセミリタイアを考えています。ただ、残り8年は気力的には厳しいと感じており、なるべく早くしたいという気持ちもあります。
想定としては、13~15万円配当+副業+アルバイト等で合計20万円と考えています。
現在の貯蓄の割合が多いため、7割程投資に回したいと考えています。購入タイミングや月々の購入配分、購入銘柄をどのように組み合わせていけば良いか、ご助言いただけたら幸いです。
長文、乱文で失礼しました。宜しくお願いします。
※小見出し、アンダーラインは適宜弊方にて加筆
大変恐縮です、ありがとうございます。
そのようなご状況ですと、できるだけ早く目標を達成したいお気持ちになりますよね。
回答
私なら、ご記載いただいた条件を考慮しますと、以下が一案と思います。
- 配当は月5万円ほどと想定し、
- セミリタイア後の副業または労働による収入増を模索、あるいはセミリタイア後の想定収入を支出と同水準に近づける
理由を述べます。ご質問文から、以下の通り理解しました。
- 金融資産
3,270万円(働き続ける期間次第で+α) - 生活費
11~13万円/月 - セミリタイア後の想定収入
13~15万円配当+副業(1~3万円/月)+アルバイト等で合計20万円
リスク許容度によりますが、無難なのは、2,000万円ほどを投資に回し、残りは現金として確保する案です(数値はリスク許容度によるため、あくまで一例)。
今後も数年働き続けるとしても、上積みできる金額は、いただいた数字から算出すると「約120万円/年」と理解します。
当然、上積みできる金額が多ければ多いほど、その分投資に回せる金額も増え、配当額も増えます。しかし、今のご状況から拝察するに、早くセミリタイアしたいことと思います。
よって、一例として2,000万円を1~2年ほどかけて高配当株ETFを積み立てるとして、配当利回り3%が得られるとします。すると、数字上は月5万円の配当です。
現行の副業を2万円とすると、残り13万円を副業やアルバイトで貯める必要が生じます。
ただし、セミリタイア後の収入を支出と同水準(約12万円/月)まで下げると、配当(5万円/月)のほかに、副業(2万円/月)やアルバイトによる追加的な収入は約5万円/月でよいことになります。
- 副業・アルバイトの収入増を模索する
- セミリタイア後の想定収入を支出と同水準に近づける
これらが現実的な解と愚考しますが、いかがでしょうか。副業は楽しみながらされているということですから、ここを増やせると大きいですよね。あるいは、興味の持てる労働が見つかれば、というところでしょうか。
(なお、この想定はあくまで冒頭で述べたリスク許容度・投資手法を前提としているため、状況・嗜好に合わせて調整なさると納得がいくかと思います)
投資対象
投資については、購入銘柄は、主に以下2案が有力と思います。
- 高配当株ETF(VYM、HDV、SPYD)
- インデックスファンド(楽天VTI、eMAXIS S&P500)
VYM・HDV・SPYDは、3つとも特徴がそれぞれあります。過去の傾向を簡潔に言いますと、安定感が見られるのはVYM、ボラティリティがやや高いのがSPYDです。
なお、「インデックスファンドを積み立て後に定期取り崩し」という方法も一応あります。この手法が精神的に心地よいと感じるかは多分に人によりますから、ご自身の嗜好に合わせて選ばれるとよいと思います。以下記事ご参考まで。
「つみたてNISAでインデックスファンドを積み立てつつ、高配当株ETFも」という二刀流も、やはり一案ですね。
投資タイミング
無難なのは、定期つみたてだと思います。
あとは「タイミングの違いによるリスクとリターンのブレ幅をどこまで許容して、タイミングを計るのか」という点に帰着します。
タイミングを計るということは、その分、タイミングによる影響を大きくすることになるからですね。「結果的によい時期」に購入できる可能性が生じる一方で、「結果的によくない時期」に購入できる可能性も生じます。
この点にご留意されて、お決めになるとよいのではないかと思います。
まとめ
セミリタイア後の想定収入というのは、攻めすぎても不味ですし、逆に保守的すぎても不味と思います。
要はバランスが重要になってくるのですが、あくまで私の事例から申し上げますと、「日本ではなんとかなりやすい」ということは言えるのではないかと思います。
所有権が認められ、公的扶助・セーフティネット・上下水道は整備され、国民皆保険制度があり、恵まれています。
あまり保守的に見積もりすぎる必要性は、特にここ日本で同観点に限っては、必ずしも高くないとは思います。
ただし、投資については保守的に見積もっていてもよいと思います。なぜなら、ご自身が思っているよりも、リスク許容度というのは概して高くないからです。暴落した際に実感すると思います。投資は過度に期待しないことこそが、肝要と思います。ゆえに、やや保守的な投資額・配当額を一例として挙げました。
以上、回答になっていますでしょうか。心身はいったん崩すと復調させるのが大変な場合もあるかと拝察します。どうかお大事になさってください。ご参考になれば幸いです。
Best wishes to everyone.
関連記事
投資タイミングについては、以下もご参考に供します。
VYM・HDV・SPYDについて、以下もご紹介しておきます。