直近の値動きを過大認識しやすい心理
株式は、いくつかに分類することが可能です。
- 成長性が期待される「グロース株」
- 企業実態より株価が割安とされる「バリュー株」
- 配当を多く出す「高配当株」
- 配当を出さない「無配株」
NewsPickさんの記事(2020年12月)での回答を引用します。
コロナ禍の現在は、グロース株が好調でバリュー株がやや低調という市場構造です。しかし先月、12月にコロナワクチン関連で進展がみられたときには、わずか数日ながら、グロース株が下がりバリュー株が大きく上がる現象がありました。
このように、コロナが落ち着いてくると、これまで低調だったバリュー株が復活し、市場の状況がガラリと変わるケースがあります。グロース株とバリュー株の優劣は循環してきたので、「現行トレンドの継続」を無意識に信じすぎないようにしたいところですね。バランスよくどちらの株も持っておけば、精神面への配慮になります。
グロース株・バリュー株においても強い時もあれば弱い時もありますね。
トレンドに乗った株は良いときはいいのですが、時代の流れや金利動向等の要因次第では逆も然りです。
コロナを機にとくに伸びた例としてZoomが挙げられます。もちろん、その後も成長を続ける可能性は大いにあります。
ただ、自分はそこに積極的にリスクを取りに行く必要性は今のところ感じていないため、IT株はETFを通じて間接的に保有する程度にしています。
つまりトレンド株は、どうしても中短期の判断になりやすい可能性があります。その波にうまく乗れればいいのですが、長期保有志向の私からすると、穏やかに投資し続けるスタンスとは、やや方向性が異なると感じます。トレンドとあまり関係のない手堅い銘柄は、心地よく継続しやすいです。
トレンド株も強い時もあれば弱い時もありますね。
長期金利の上昇によって結果的にはそのようなシナリオになりました。
トレンド株はタイミングで大きく左右されますね。トレンドが起こる前から持っていないと、話題になってからでは遅きに失するリスクに留意したいところです。
2021年に入り、対照的な動きをしたETF
2021年に入り(あるいは2022年をふくめ)、
- 高配当株、SPYD、エネルギーセクター
- グロース株、QQQ、ハイテク系・トレンド系
この両者は対照的な動きです。以下チャートを見てみましょう。
2021年初来チャート
2021年初来チャートです。
- SPYD(高配当株ETF)
- QQQ(ハイテク系ETF)
- VTI(市場全体)

2021年初来チャート(※あくまで2か月という短期間の抽出であることに留意)
青:SPYD、黄:QQQ、水:VTI
ただし5年チャートでは以下の通り。直近やや調整がみられる程度で依然として全体としてはQQQが大きく上回っていることも併記しておきます。
要は、やはり強いときもあれば、弱いときもあるということですね。
強いときはこの先も強いと思いがち。弱いときはこの先も弱いと思いがち。
エネルギーセクターは、不調時にエクソンモービル(XOM)などを買い増した投資家が報われる局面が続きました。逆に言えば、2022年のいま絶好調なので、警戒しはじめてもよいのかもしれません。
人間には、直近の値動きを過大認識しやすい傾向
人間は、直近の値動きを過大認識しやすい傾向がみられます。
そのため、過去の傾向である「②」よりも、「①」に賭けたくなる傾向がみられます。
- 特定のセクターが隆盛を極め続ける
- 各種セクターの盛衰は循環していく
①のシナリオに賭けるよりも、②に賭けた方が、過去傾向から類推する場合は一定の合理性を見いだせます。もちろん常にそうとは限りません。
ただ、いずれにしても特定の投資対象や現行トレンドの継続を信じすぎないようにしたいですね。
特に、特定の対象が礼賛されだすと警戒してもよいと思います。「一定期間、その礼賛されている対象が好調であり続けてきた」ことを示唆します。
盛者必衰。単一の対象や国が隆盛を極め続けると信じすぎるのも考え物ですね。
特定の投資対象への集中
私たちは個人投資家である以上、運用方針に規約や制約は本来ありません。ですから、
- バリュー・グロースのどちらかに集中しなければならない
- 特定のセクターのみに集中しなければならない
といった必要は必ずしもないですね。分散してもよいわけです。
まとめ
- 人間は、直近の値動きを過大認識しやすい傾向も。現行トレンドの継続を信じすぎないようにしたいですね。
- 集団的に特定の対象が礼賛されだすと、警戒してもよいと思います(「一定期間、その礼賛されている対象がかなり好調である」ことを示唆)。
ご参考になれば幸いです。
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過去には10年にわたって低迷し続けた時期もあります。忘れないようにしたいですね。
QQQ・SPYDについては、以下をご参考に供します。