サイドFIREをめざす方法・ロードマップの一例

というご質問に回答します。
補足
「そもそもサイドFIREって、なんや」という方は、以下をご参考に供します。
ご質問
題名: 貯金の投資運用割合とタイミング
メッセージ本文:
はじめまして。〇〇〇〇と申します。
サイドFIRE目指して情報収集中に三菱サラリーマン様のブログに出会い、日々勉強させていただいております。
当方、投資を始めて2カ月程度のビギナーで、自身のリスク許容度を把握しきれておりません。
題名の件でアドバイスをいただきたく連絡いたしました。何卒宜しくお願い致します。
さっそくですが、当方の経済状況は、以下のとおりです。
- 39歳 男性 独身 借家暮らし クレカ一括払い以外の借金無し
- 地方勤め正社員 年収380~450万円
- 資産 貯金1000万強、積立NISAのSP500に40万、米国高配当etfに約50万(VYM.SPYD.HDV)
- 積立NISAを含まず年150~200万円程度を投資可能。投資先は米国高配当系を想定
ブログ内にあった一括投資の一例として1000万円のうち500万円突っ込む話を参考に行動予定でしたが、市場が加熱気味の話や円高傾向が強まった近況により迷いが生じております。
私の現状で三菱サラリーマン様ならどの様に立ち回られますでしょうか?是非参考にさせていただきたいです。
回答
まずは以下のような道筋を決めるのは、いかがでしょうか。
- 目標達成時期・投資期間をイメージする
- 必要な資金額・利回りを算出
- 前提に無理が生じれば、対案を考える
(人的資本による収入・金融資本による収入の比率を調整など)
①「投資期間を想定」とありますが、なにかを想定しても、すべて想定通りにいくわけではなく、途上で暴落などに遭遇するのが資産運用ですね。
それでも、想定・イメージしておくことは、
- モチベーションの維持
- そもそも何のためにやっているのかを把握
といったことに寄与するので、やっておいたほうがよいと思います。
補足
ただし、バランスも大事ですね。
目標というのは、切迫性・焦りにつながる場合もあります。切迫性・焦りにつながると、リターンが悪化する要素になります。
ですから、あくまで「目安」といった位置づけがよいのではと思います。
① まずは、目標達成までの時間軸をイメージ
まずは、サイドFIRE達成時期の目安をイメージされてみてはいかがでしょうか。
たとえば、現在39歳ですから11年後の
- 50歳までにサイドFIREを達成したい
という目標を置くとします。
② 必要な資金投下額・利回りを算出
すると、11年後に
- 収入(想定労働収入+想定配当収入など)
- 生活費
この両者がバランスすれば、一応よいわけですね。
また、高配当株ETFをお考えとのことですね。
もし仮に「月10万円は配当でまかなう」と想定した場合、単純な机上の計算としては、税引き前分配利回り3%前提の高配当株ETFならば、4,000万円を11年かけて投じていけばよいことになります。
つみたてNISA分も一部売却によって疑似的な配当とみなせますから、ご質問者さまの条件・上記前提を踏まえますと、11年後に資産すべてを株式(つみたてNISA+米国高配当株ETF)に投じていれば、上記前提下では理論上、月10万円の配当を得ることは可能になります。
ただし、資産すべてを株式に投じるのは、経験とメンタルが必要な上に、暴落局面では全身でその影響を受け止めることになります。そのため、こういった極端な方法は慣れている方以外には積極的にはおすすめしづらいです。
③ 前提に無理が生じれば、対案を考える
すると、現実的な案になりえるのは、配当でまかなう収入を少し減らすことです。
- 配当以外の収入を増やす
- 支出を減らす
- サイドFIRE時期を遅らせる
- 運用利回りを上げる
こういった方策が考えられます。価値観次第ながら、①・④が理想的でしょうか。
この④「運用利回りを上げる」ことに注力する方法の1つとして「一括投資 or つみたて投資」のどちらにするかを考える、というご質問内容が該当する、という位置づけですね。
つまり、ここまでご覧になられてお気づきかもしれませんが、
- 「一括投資・つみたて投資のどちらがよいのか」を考えるのもよいのですが、そもそもどういった目的・時間軸を想定して投資するのかによって、投資法も変わってくる
ということです。
だからこそ、冒頭で述べたようなロードマップの手順を踏むことが、より俯瞰的にご自身の状態を確認することにつながると思います。
まとめ
まとめます。
一括投資・つみたて投資、どちらにするのかは
- 目標までの時間軸
- 目標配当額(運用収益と労働収入のバランスをどの程度にするか)
といった要素でも変わってきます。
そのために、以下手順を踏むということですね。
- まずは、目標達成時期の目安をイメージして、投資期間を想定
- 必要な資金投下額・利回りを算出
- 前提に無理が生じれば、対案を考える
あくまで過去の傾向ですが、単純な定期つみたてでも収益はプラスであってきたのが、米国株であり、米国高配当株ETFです。
あとはそのリスク・リターンをどの程度自分で変化させていくのかが、タイミングを計る投資にするかどうかを決める要素になってきますね。
平準化したリターンで満足するならば、定期つみたても一案です。一方、より良いリターンを求めたければタイミングを計ることになります。
そして、そのリスク・リターンをどの程度とるのか知る際に、上述の「時間軸・目標」などがかかわってくることになります。目標が高く、時間軸が短ければ、リスクを取ってより良いリターンをねらうことも必要になります。逆に、目標に余裕があれば、指数に連動するS&P500ETFや高配当株ETFなどが一案ですね。
ご参考になれば幸いです。
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