「配当の積み上げ」は「評価損」正当化はせず。あくまで投資を続ける仕組みの1つという「手段」。

「配当を積み上げること」と「評価損」を正当化せず

普遍的に意識したい両者の区分けとして、「目的」と「手段」がありますね。

投資においても、あくまで「目的」と「手段」を明確に区別する必要があると思います。

資産運用それ自体の「目的」とは、「資産を増やすこと」ですよね。そして、長期的に継続する手段の1つとして「配当を積み上げる」という精神面に配慮したものが挙げられます。

「配当を積み上げる」ことだけに着目するのは、その運用目的から外れやすいと想定され、あくまで「投資を続ける仕組み、つまり手段の1つ」として捉える形が適切と思います。

以下は、いただいたご質問文です。

ご質問

メッセージ本文:
いつもblog、感心しながら拝読しております。

まずは、この度、本の出版、おめでとうございます。

当方、既に50歳近く、老後に備え今までコツコツと貯蓄をして参りました。

一部株式トレードもしてきましたが、年に数十万円程度の成果しか出せず、投資方法の見直しをしていたところ、貴殿のblogに辿り着きました。

そこで質問です。

(中略)

資産評価減については、どのようにお考えですか?

配当重視で複利運用していけば、5%運用していれば15年経てば同額の配当確保できる試算になりますので株価評価損については意識しないでしょうか。

私が長年配当を重視した投資ができなかったのは、株価下落リスク(先は誰にもわからない)で長年コツコツ積み立ててきた資産が目減りするのが嫌だったからです。

以上、貴殿のお考えをお教え頂ければ、大変有難く存じます。何卒、宜しくお願いします。

ご質問、誠にありがとうございます。僭越ながら以下回答申し上げます。中略部分については、別トピックのため、別途とさせていただればと存じます。

大前提として、投資終了時にリターンがプラスでなければ、運用の意義が失われる

資産を増やすために資産運用をするので、資産評価減はその逆を行くものであり、避けたい事象ですよね。

そのため、「株価評価損を意識しない」ということ自体は、積極的におすすめしづらいです。(とはいえ、拙著にも詳述のとおり、配当は利益確定でもあるので、一定程度は評価損を容認できる精神的要素にはなり得るか)

投資期間終了時(とはいえ、そもそも出口戦略が基本的に必要ないわけですが)に、配当再投資込みでリターンがプラスになってはじめて「資産を運用する」という本来の意義が生じるものと思います。

配当積み上げは、投資を継続しやすい1つの「手段」

配当を積み上げることは、それ自体が目的というよりは、「投資を継続する際に精神面にも配慮した手段の1つ」という位置づけと推察します。

あくまで「株価は日々変動し、資産額も日々変動するので、近視眼的に一喜一憂をしない」ということですね。

その方法論の1つとして、「配当を積み上げる」という「手段」があるということです。

「配当を積み上げること自体が最優先事項という考えもありつつも、人によって長期投資を続けやすい仕組み・手段の1つ」とも換言できます。

主に以下2点が背景です。

  1. 「一喜一憂という感情に従った行動をすると、往々にして市場で負けやすい心理行動」
  2. 「投資期間が長いほど、リターンがプラスに収れんする過去の傾向」

1点目について、以下をご参考に供します。

株価に一喜一憂しないことがなぜ重要なのか
2019年11月現在、米国株式市場の主要3指数が高値更新を続ける中、市場へ臨むスタンスについて改めて記しておきます。 株価が絶...

2点目について、以下もご参考ください。

長期投資のメリットとは?投資初心者こそ長期投資がおすすめ
株式投資における再現性の高い王道として、「長期・つみたて・分散」があります。 あくまで短期トレードではなく長期投資なわけですが...

主にこれら2要素が、「投資を続けることのメリット、そして続けやすい仕組みを考えるに足る理論的・定性的要素」とも言えます。

ちなみに

私が長年配当を重視した投資ができなかったのは、株価下落リスク(先は誰にもわからない)で長年コツコツ積み立ててきた資産が目減りするのが嫌だったからです。

なお、「配当の重視(積み上げと理解)」と「株価下落リスクで資産が目減りするリスク」に直接的な相関性は見いだせないことも、如才なきことながら念のため申し添えておきます。

株式という資産クラスである以上は、どのような投資手法・投資対象を採るにせよ、期間別で下落リスク・資産目減りリスクは、共通項として存在してしまいます。(特定の対象に陶酔していると、それすら意識しない時もあるわけですが

いずれにしても、「株価が下落しても耐えられる」という想定の上で、アセットアロケーションなり、ポートフォリオなりを構築し、各人に合わせた現金比率を定めること等が必要になってくるという論に、やはり帰着することにはなります。

まとめ

以上述べたとおり、配当の積み上げは、それ自体が目的というよりは、あくまで「投資継続のための1つの手段」という位置づけと推察します。

いうなれば、「資本主義の継続、そして今後の米国経済なり世界経済の実質的な成長に賭ける・信じるという前提下では、投資期間の長期化は、合理的な選択になり得る」ということになります。

そして、その継続手段として、配当の積み上げなり配当への着目がある、ということですね。

ご参考になりましたら幸いです。

Best wishes to everyone!

関連記事を、以下再掲しておきますね。

株価に一喜一憂しないことがなぜ重要なのか
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コメント

  1. 八木 より:

    穂高様

    早速、blogにてご回答頂き、有難うございました。
    貴殿のお考えを今後の投資の参考とさせて頂きます。

    またご質問する機会があるかもしれませんが、その節は何卒宜しくお願い致します。

    取り急ぎ、御礼まで。