中国での銀行口座開設・資本規制、為替手数料の大きな違いなど【中国らしさ】

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中国語を勉強されている方から、「中国での銀行口座開設・日本との手数料などの違いなど」についてのご質問です。

私の経験、および中国の金融機関で勤める友人からの情報も交えて、以下回答いたします。

中国での銀行口座開設・資本規制、為替手数料の大きな違いなど【中国らしさ】

ご質問

メッセージ本文:
三菱サラリーマン 様

初めまして。○○ と申します。
30代女性です。

三菱サラリーマン様のブログ、
とても面白いので参考にしております。
私も中国語が好きで、ドラマやyoutubeで勉強しております。

中国に留学していたとの事ですが、
現地で銀行口座は開設しましたか?

中国圏や英語圏で口座開設に挑戦してみたいのですが、
外国人が開設するのは社会保障番号が必須であったり、言語の面や手数料など
心配な部分が多々あります。
もし、三菱サラリーマン様が
そういったご経験がありましたら、
体験談を教えて頂けたら幸いです。

日本から海外の投資をするのと、
海外口座で現地の国の投資をするのとでは
手数料や税制の面などでどのような違いがあるのか気になっております。
その面でも何かご意見がありましたら、
見解を記載して頂けますと嬉しいです。

ご多忙の中、拝読して頂きありがとうございました。

ありがとうございます。

私が留学していたのは、10年ほど前になりますが、当時は銀行口座を開設しました。

ただし、投資用に開設したわけではなく、あくまで現地での生活用でした。当時は人民銀行の金利も今より高く、その後ゆるやかに円安・人民元高の基調でしたね。

窓口の風景、窓口の行員の対応の感じなど、これら自体は、10年ほど前も最近も、それほど変わりませんでした(コロナ後は存じ上げませんが)。

ちなみに、中国銀行(Bank of China)における行員の簡素な制服も、この10年で全く変わっていないですね、なつかしいです。

中国での銀行口座開設・資本規制

外国人が開設するのは社会保障番号が必須であったり、言語の面や手数料など心配な部分が多々あります。

私が留学していた当時は、パスポート・留学ビザ・居住証明ぐらいで手続きが完了したように記憶しています。(10年ほど前なので記憶がやや曖昧です、ご参考程度にとどめて頂きたく)

そこで、中国銀行に「外国人が銀行口座を開設する際に何が必要か」を実際に問い合わせたところ、以下回答が得られました。(こちらで、問い合わせ可能、中国語)

中国銀行(Bank of China)の回答

外国人开户需要什么资料?:

定居国外的中国公民,应出具中国护照。外国公民,应出具护照或者外国人永久居留证。
持护照办理开户业务的,需审核护照的签证类型,当签证类型为定居、常驻记者、贸易、长期探亲、人才、长期私人事务、长期学习、任职就业、礼遇签证、外交签证时,方可为开户申请人办理开户业务(其他情形除非特别批准不得为客户开立。
虽为其他类型签证,但能提供“外国人居留许可证”可提供账户服务),并按我行反洗钱相关要求对您进行持续的身份识别。

要約・和訳すると、以下が必要とされています。

  1. パスポートまたは、外国人永久居留証
  2. パスポートのビザ種別(定住、長期留学、駐在など)の審査

ただし、中国で注意したいのが、「公にAと言いつつ、実はBも必要」ということが、非常によくあります

良くも悪くも、日本で全然考えられないことが起こるのが中国です。面白いですね。

たとえば現在は、中国の金融機関(たとえば中国銀行/Bank of China)で銀行口座を開設する際は、日本で言う「マイナンバー」を記入する欄があります。

私が留学していた当時より、口座開設に必要な情報は増えています。たとえば、留学ではなく勤め人の場合ですが、実際に現地で働いて税金を支払った納税証明書がなくても以前はOKでしたが、現在は必要書類に加わっています。

中国の金融機関に勤める中国人の友人がいますが、「以前より政府の管理・指導が厳しくなっていることが背景」と言っていました。

こういうことがあるので、現地における規制・必要書類などは流動的なため、心苦しい回答ですが「都度確認」が安全ではあります。

中国の資本規制、人民元から外貨へ換える際の制限

また、象徴的な大きな変化として、主に「中国国内から国外へ持ち出す資本」に規制があります。(現時点における、現地銀行のガイドラインを参照)

  1. 口座からの引き出し自体は、1日1万ドルまで
  2. 外貨→人民元の両替は、年間5万ドルまで
  3. 人民元→外貨の両替は、1日500ドルまで

厳密にはこの制限を超えると、本人確認書類以外に、当局(外汇局)の認可が必要になります。ゆえに実質的な規制は、上記の通りです。

中国の一部の層では、国籍変更は当たり前

中国では有名人・資産家は、既にこぞって国籍を変えています。テレビや映画に出る中国人出演者の大半が他国籍であることも、普通にあります。

理由は明解で、上記資本規制などにも象徴されるように、規制が多いからですね。

それだけ当局が、「体制の瓦解に繋がるリスクを摘み取っておきたい姿勢」が感じられます。

中国の銀行では、為替スプレッドが日本より大幅に安い

ちなみに大注目ポイントとして、中国の金融機関は為替スプレッド(BIDとASKの差、売値と買値の差≒手数料)が日本の金融機関より大幅に安いです。

たとえば米ドル・円って、日本の金融機関では、平気で数円が必要も、中国銀行では30銭程度で両替が可能です。

三菱UFJ銀行の為替手数料(米ドル円)

通貨名 略号 (日本円→外貨) (外貨→日本円)
CASH CASH
米ドル USD 112.28 106.48

日本の金融機関、たとえばMUFGでは、5円80銭のスプレッドがあります。

中国銀行の為替手数料(米ドル円)

中国銀行(Bank of China)にて

中国銀行はなんと、29銭です。

あまりの違いに驚き、私は窓口の人に確認したことがありますが、間違いありませんでした。現地の友人に聞いても、「中国での為替手数料は安い」と。

政策上の意図・国有銀行であること、など考えられる要因は複数ありますが、いずれにせよこういうことになっています。

まとめ

30代の今、中国での銀行開設に挑戦されるとのことですね。

50代から中国語の勉強に挑戦し、そして留学し、さらには現地で数年生活までなさった女性を存じ上げています。

何を始めるにしても、遅いということは全くない、ということですよね。

自分が生まれた国、住んでいる国が、

  • いったいどういう国なのか、
  • どれほど恵まれているのか、
  • 良くも悪くもどんな特徴があるのか、

といった点は、外に出て、そして深く現地に根差して初めて、見えてくるものがあります。

そして、現地に根差した程度が深ければ深いほど、その過程で得たものは、人生観を変えると言っても全く過言ではありません、経験上。

興味があることは、なんでもやってみる、深堀してみる、こういった生き方が政治的にもイデオロギー的にも色々な観点において、ある程度は許される時代でもあり、そしてその姿勢が「没個性から、独自性へ昇華させ得るもの」でもあると思います。

ご参考になりましたら幸いです。

Best wishes to everyone!

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【追記】読者の方からの情報提供(深圳在住の方より)

なお、深圳在住の方より、以下情報をご提供いただきましたので、こちらもご参考まで、併記させていただきます。情報提供いただきまして、ありがとうございました。(就業証明書・納税証明は留学生向けではなさそうですね…)

頂いたコメント

始めまして。

中国深センに住むものです。

私も中国に住んでから長くなりましたが、ここ数年の中国のサービスやテクノロジーの発展には目を見張るものがあります。

同時に監視社会も進み、最近ではプライバシーの喪失こそあれど、監視社会の安全さに安心を覚えたりすることもあります。

さて、早速の本題ですが、現在中国で外国人が銀行口座を開くのは非常に難しくなっています。

  1. パスポート
  2. 住居証明
  3. 就業証明書
  4. 納税証明

等の書類が必要になるかと思います。

私も10年程前に口座開設したことありますが、その時はパスポートだけで開設出来たように記憶しています。

加えて1銀行につき2口座開設できたりしましたが、現在は基本的に1銀行1口座のみとなっています。

参考になれば幸いです。

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コメント

  1. さらりマン より:

    始めまして。
    中国深センに住むものです。
    私も中国に住んでから長くなりましたが、ここ数年の中国のサービスやテクノロジーの発展には目を見張るものがあります。
    同時に監視社会も進み、最近ではプライバシーの喪失こそあれど、監視社会の安全さに安心を覚えたりすることもあります。
    さて、早速の本題ですが、現在中国で外国人が銀行口座を開くのは非常に難しくなっています。
    ①パスポート②住居証明③就業証明書④納税証明
    等の書類が必要になるかと思います。

    私も10年程前に口座開設したことありますが、その時はパスポートだけで開設出来たように記憶しています。
    加えて1銀行につき2口座開設できたりしましたが、現在は基本的に1銀行1口座のみとなっています。

    参考になれば幸いです。