「アフターコロナで、変わるもの・変わらないもの」と「株式投資のスタンス」

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「アフターコロナで人々の行動様式が変わる」というやや仰々しい文言を目にします。

どうでしょうね…(笑)。一部変わるものも当然あるとは思いますが、人間の潜在欲求など根本的に変わる部分は限定的だと個人的には感じます。

未来を予測することそれ自体には、特段の意味は見いだせないのですが、所感を綴っておきます。

アフターコロナで、変わるもの・変わらないもの

以下の順で述べます。

  1. オンライン飲み
  2. 飛行機・旅行需要
  3. テレワーク
  4. 企業の投資・経営マインド
  5. 政府債務・民間債務のバランス

オンライン飲み

これ、定着しますかね…(笑)

ウィズコロナではあり得ても、アフターコロナでは定着するとはちょっと思えないというのが正直な印象。

人間って、「特定の対象物・時間・感情・嗜好・雰囲気などを表現し合い、感じ合い、共有すること」で、親愛の情であったり、親近感・ポジティブな感情が形成されますよね。

オンライン飲みは、会話・時間は共有できます。ただ、表情の機微・仕草から読み取れる要素などは、リアル飲み会ほど感じ取ることはできないですね。

また、同じものを食べて、「これ美味しいね」と言い合える環境が物理的に成立しません。

飛行機・旅行需要

これもアフターコロナでは、技術の変革等の特殊事象がない限りは、復調を見せると想定します。

  • 旅に出たい、
  • 外に出たい、
  • 知らない土地を見たい、
  • 知的好奇心を満たしたい、

という人間の潜在欲求は、超長期で緩やかな進化ないし大変動がない限りは、やっぱり尽きないであろうからです。

ましてやインターネットが発達し、情報が国境を超える現代において、人間の潜在欲求を喚起させるに十分な情報が溢れています。

テレワーク

これは、

  1. 適する業界
  2. 全社的に導入できない業界

の2つに大別できると思います。

たとえば、法律事務所なんかは弁護士自体はテレワーク可能な業務があっても、バックオフィス側はテレワークが物理的に不可能な業務があります。また、年配の方を相手とした業務である場合など、現状では対応ができない部分も見られます。

そもそも情報通信を基盤またはビジネスとする会社であれば導入は進み得る一方で、旧来のビジネスモデルというか、伝統的なビジネスにおいては、テレワークがそもそも物理的に適しない業界があるのも事実だと思います。

企業の投資・経営マインド

これは、変わる可能性を頭に入れておきたいところです。

というのも、今回コロナショックで割を食ったというか、影響を受けたというか、脆弱性が顕在化したのは、「資本を蓄積していない業態・事業・企業」であったからです。

ROEという指標があります。これは、「株主から集めたお金を効率よく事業に活かしているかを測る収益性の指標」です。利益を自己資本で除して算出します。

効率性の観点から、ここ数年はROE等の効率性・収益性が重視される風潮であったわけですが、たとえば債務比率を上げてROEを高める等の手法は、今回のような特殊事象でリスクが露呈する印象を受けます。

こういうことがあると、バブル崩壊後と同様、不確実性がさらに増した局面に備えて、企業は積極的に債務を増やすよりも、資本(俗にいう内部留保)の蓄積に傾倒しやすくなることは意識しておきたいところです。

政府債務・民間債務のバランス

特に日本では既にその兆候が起きていたわけですが、「政府債務↑・民間債務↓」という傾向がより強まると想定しています。

日本では企業部門で無借金経営の企業も散見されるなど、バブル崩壊後の事情もあり、もともと民間債務は限定的な傾向。

ではどこがバランスを取っているかといえば、政府債務です。つまり日本政府の国債発行残高ですね。今や政府債務は、日銀のバランスシートの拡大と一体化しつつあるわけですが、ここが果たしてどうなるのかは個人的に注目しています。

中央銀行は日銀を始めECB・FRBともに非伝統的な金融政策を行っているわけですが、中銀のバランスシート拡大は現時点でインフレに波及していないという、これまた非伝統的な事象が見えてきています。資金需要の変化に、現行経済システムが追い付いているのか、というところ。

中銀バランスシート拡大によるリスクに対する懐疑論は、徐々に萎んでいくのではないかと想像します。

民間部門の消費マインド

大量生産社会・工業化社会への移行期・過渡期と異なり、資金需要が以前より低下していることは見逃せない事実です。さらに見逃せない事象として、「消費」に対する人々の変化が徐々に起きつつあることも関係します。

これは必然の流れで、物質主義に対する違和感を弊ブログでも述べてきましたが、物質主義に対する人々の興味が徐々に薄れるのは、時間の問題ではないかとすら思います。

安価かつ良質なサービス・プロダクトが世の中で支配的になれば、消費という意味での資金需要も減ります。経済の中身自体が以前とやや変わってきている印象を受けますね。

株式投資のスタンス

以上見てきたことも踏まえると、今回のコロナショックでは、過去の傾向が通用しない局面の1つだったと言えそうです。

  • 以前まで暴落時に機能していたセクターが、鳴りを潜めたり、
  • 従前まで下落に強かった銘柄に脆弱性が見られる、

など、私の印象としてはコロナショックが市場に与える影響として、それまでと様相が異なりました。ヘッジファンドでもパンデミックはアルゴリズムに組み込んでなかったですね。

ますます、個別株は「マニア・上級者向け」という傾向、そしてETFの有用性および資金集中が、強まるのではないかと思います。

これは、許容PERが高まることにも繋がり得るでしょう。

投資するなら基本的にはETF、という形が、やはり一般的に認識されていくのだろうと思います。

Best wishes to everyone!

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