「イデコ・小規模企業共済の節税」と「米国株投資」、どちらを優先するか

日本では証券投資環境が今や良好に整備され、有用なツール・制度が従前より増えています。

iDeCoなんかも、その1つですね。ただし、「有用=万人に適する」というよりは、どこに力点を置くかで取捨選択が求められる、という側面も同時に生じると思います。

「イデコ・小規模企業共済の節税」と「米国株投資」、どちらを優先するか

「iDeCo・小規模企業共済」と「米国株投資」のどちらを優先した方が良いか、というご質問がありましたので、以下述べます。

▶ポイント: iDeCo・小規模企業共済の「資金拘束性」

イデコ・小規模企業共済、ともに節税の観点からは大変有用です。

下表は、「個人型確定拠出年金(iDeCo)職業別の掛け金上限金額」です。

職業 上限金額
公務員 月額1万2000円
会社員(企業年金あり) 月額1万2000円 / 2万円
会社員(企業年金なし) 月額2万3000円
専業主婦(夫) 月額2万3000円
自営業 月額6万8000円

個人事業主(自営業)は、イデコの節税効果が特に大きいことがわかります。

ただし、これはメリット・デメリットの大きさをどちらも増幅させます。

イデコ・小規模企業共済ともに、掛け金として拠出すると、基本的に60歳以降になるまで引き出せないという「資金拘束性」があります。

これはメリット・デメリットの以下両面があります。

  1. 老後資産形成目的では、先取り貯蓄的かつ節税として活用可能
  2. 若い時期に経済的な自由度を上げたい場合、その自由が制限される

資金拘束性のメリット

「引き出せない」ということは、機械的に老後資産の形成には万人に好適です。なぜなら、途中でやめず、定期的に・機械的に・自主強制的に積み立てることが必然的に可能となります。

意志・感情を介在させずに、きちんと積み立てられるというのは、投資においてはメリットになり得ます。感情が入ると、好ましくない結果を招くことが多いのが、株式投資だからです。

資金拘束性のデメリット

しかし一方で、資金拘束性は、どうも人生の柔軟性・金銭的な自由度を下げてしまう面もあります。若い時期(今日が一番若いため、全ての人にとって、今が「若い時期」です)における経済的自由度・キャッシュフローがより太いことは、のちに代替することが出来ないものです。

このメリット・デメリットのどちらを重視するのかは、価値観次第ですね。

では、アーリーリタイアをめざす場合、以上を踏まえて考えてみましょう。以下のようなご質問をいただいています。

ご質問:アーリーリタイアを志向(フリーランス)

ご質問

題名: 投資戦略について

メッセージ本文:
三菱サラリーマン様

いつもブログを拝見し勉強させていただいております。

また、素人にもわかり易く、読みやすく、毎日の更新を楽しみにしています。

お忙しいなか恐縮ですが、今後の投資方針についてご教授いただければと思います。

夢は少し早めのアーリーリタイアです。投資歴は1年程度です。

現状

以下、現状になります。

■34才、フリーランスエンジニアです。

■共働き、子供なし。今後も子供の予定なしですので教育費等は発生しません。

■投資額(一月)

  • ideco:15,000
  • 小規模企業共済:70,000
  • 個別株:100,000

→ 年間で2,200,000です。

個別株はNISAで米国の高配当株に投資しています。個人的には20年後のリタイアを目指しています。

懸念点

以下、懸念点です。

  • iDeCoや小規模企業共済の節税効果より、米国株投資に全力投資した方がよいか。
  • 上記3つをどれ位の配分で投資すべきか。

個人事業主ということもあり、やはり税金対策もしたいところですが、米国株に全力投資した方がリタイアに近づくのでは、とも思います。

なかなか自分では判断ができず、悩んでいる状態です。長文、乱文恐縮ですが、よろしくお願い申し上げます。

ご質問ありがとうございます。フリーランスということで、冒頭に述べた通り、iDeCoの活用範囲が大きい属性ですね。

  • iDeCo:15,000
  • 小規模企業共済:70,000
  • 個別株:100,000

投資歴1年程度ということでしたら、私ならば上記配分を以下の通りとします。これはアーリーリタイア時期を早めることにBETすることを最優先する場合です。

  • ETF:185,000

「これから投資に大きく時間を割きたい、趣味なみに興味がある」等ということでしたら個別株もよいですが、「時間対効果の高さ・分散の手軽さ・初心者でも取り組みやすい」等の観点からは、ETFが好適です。

数十年先を見越した節税は確かに、有用です。ただし、ご質問者さまの場合は、60歳より前の「54歳でのアーリーリタイア」をめざしてらっしゃいます。

この場合、老後前の自由に使える資金を多く確保しておきたいかが、やはりポイントになってくると思います。

また、アーリーリタイアを最優先する場合は、イデコ・小規模企業共済には拠出せず、その分は株式に回すことが一案です。

資金拘束性の観点からは、60歳より前にリタイアに近づく期待値が高まるのは、株式に回す方です。ただし、これはある程度のメンタル耐性も必要になります。

たとえばコロナショックで冷静でいられなくなる自分を見いだした場合は、引続きイデコ・小規模企業共済へ積み立てる方が無難です。先述の通り、「投資先の分散」・「機械的な積み立て」も可能になります。

ちなみに
小規模企業共済は途中解約すると、所得税・住民税が課税とされているため、ご留意くださいませ。(掛け金を拠出した際に所得控除となっていたので、当然といえば当然ですが)

ご参考になりましたら幸いです。

Best wishes to everyone!

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コメント

  1. 質問者 より:

    ありがとうございました。
    参考にさせていただきます。