30年の長期資産運用を考える、投資対象・ポイントとは。

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30年に渡る長期的な資産運用を考える、投資対象・ポイントとは。

「約30年に渡る長期投資・資産運用を考える際に、向いている投資対象・ポイントや、道筋のつけ方」について、以下回答いたします。

ご質問「投資の目的・手段・ゴール・投資方針」

ご質問

題名: 投資の目的について

メッセージ本文:
初めまして。Hと申します。

三菱サラリーマンさんのブログを2年ほど読んでおり、大変勉強になっております。
本当にありがとうございます。

私は資産運用歴3年の28歳(男)です。2020年2月頃から始まった株価の暴落を受け、投資の目的と手段についてご意見を伺いたいと思い、連絡いたしました。

①投資の目的

資産運用を3年間していることもあり、家族や友達に資産運用のアドバイスを求められることが多くなりました。

そういった機会に、私自身も資産運用を始めた頃そうでしたが、投資をすることが目的であったり、投資をして金儲けをすることが目的になっている人が多いと感じています

しかし、私は投資とは目的ではなく、あくまで手段だと考えています。つまり、自分や自分の家族が理想とする生活と将来自分たちが送るであろう生活のギャップを埋めるものが投資だと思っています(家計管理や副業等も)。

最近の株価暴落で大きな含み損に悩んでいる方は、金儲けが目的であるにもかかわらず、逆の方向に進んでいるように感じているのではないかと思っています。

しかし、特に長期投資家は、株価が暴落しても、埋めるべきギャップ(理想と現実)に変化がないのであれば、悲観的になることも、取るべき手段を変えることもないと思っています。

最近、アドバイスをした家族が金儲けのチャンスとばかりに、意気込んでいる姿を見て、少し不安になり、投資の目的についてご意見を伺いたいと思いました。

②手段

私の投資手段について、ご意見を伺いたいです。

  • 現在の資産額:1800万円
    (内訳)
    現金 1200万円
    高配当ETF 270万円(VYM)
    投資信託 290万円(米国株式270万円(eMAXIS Slim等)
    新興国株式 20万円(eMAXIS Slim等))
    DC 40万円(先進国株式)
  • 年収:600万円
  • 年平均貯金額:300万円

③目指しているゴール

資産運用の運用益で理想とする家を建てることと、ゆとりある老後

(具体的には、家を建てるまでに2000万円を投資する。想定利回り4.5%32年(住宅ローン期間想定)運用し、理論上8000万円とし、6000万円の運用益(税引き前)で住宅ローンと相殺する(ゆとりある老後も実現)。)

④今後の投資方針

年500万円(3年間)を以下のように配分して投資する。(3年後の運用額約2000万円、運用比率75%程度)

  • eMAXIS Slim 米国株式 90%(年450万円)
  • eMAXIS Slim 新興国株式 10%(年50万円)

(私が資産運用を始めた2017年頃から常に株価が割高であると言われていたことや投資を始めたばかりということもあり、なかなか運用比率を高めることができていませんでしたが、このタイミングで投資額を前述のゴールに到達できるように増やしています。)

お手数をおかけしますが、よろしくお願いいたします。

ご質問ありがとうございます。「投資の目的」のハイライトした部分については、別途、回答いたします。

「現状から目的・ゴール、そこに至る手段・現状の認識と、その上での投資方針」ということで、今後の青写真が明確な印象を受けます。

素敵なおうちの一角

では、以下項目ごとにコメントします。

現金比率

柔軟に投資決定が行える余裕を持った現金比率に思えます。

  1. 精神性を重視するか、
  2. 合理性を重視するか、

両者どちらを重視するかで、現金比率も変わってきますね。

合理性を取るのであれば、株式比率を高めることが過去傾向からは合理的と判断でき、精神性を取るのであれば、現金比率を高めることが一案です。

想定利回り

想定利回り4.5%という数字は、過去の傾向からその延長線上に未来を描く場合においては、一定の納得感がある数字ですね。

過去の傾向
 例)1989~2019年、S&P500のインフレ分を除いた実質トータルリターン:年率7.7%

投資対象

既存のVYMeMAXIS Slim等に加え、以下を積み立てるということですね。

  • eMAXIS Slim 米国株式 90%(年450万円)
  • eMAXIS Slim 新興国株式 10%(年50万円)

目的・ゴールとそのための手段・投資対象が概ね合致しているという印象を受けます。

本ケースの最大のポイントは、目的・ゴールが、記載いただいている通り、32年後という点です。であれば、投資信託を積み立てる形で、配当再投資の手間も省けますし、手間も最小限で済みます。

新興国はあくまでスパイス的に10%にとどめ、メインは米国に賭けることで、想定利回り4.5%を狙うということですね。

いずれにしても、「米国に賭けた投資行動である」ということを認識の上であれば、相場状況にかかわらず納得感は生まれやすいと思います。

当人に適した投資対象を考えるということ

ブログ内でよく「ゴール・目標を明確にし、現状を整理・認識し、その手段として資産運用・株式投資を活用する」とポイント・道筋が明確になることに言及していました。

まさにその内容に沿った、ご質問文の整理のされ具合に感じます。既に質問をする時点である程度のイメージが描けていて、頭の中が整理されているのではないでしょうか。

どういった投資が向いているかは、人によって異なると思います。なぜなら、目的・ゴール、ライフプラン・価値観が当人によって様々だからですね。

私にとって、セミリタイアに至るまで適していた投資対象とは、高配当株であり、連続増配株でした。本ケースのような場合は、投資信託がその方の目的にとって適している投資対象の1つと言えます。

「目的・ゴールが明確で、投資の傾向・性質を踏まえてゴールまでの道筋を描く」場合は、手段もシンプルですね。

30年の長期投資というのは、実際にやってみると続けるのが難しいこともあると思います。その時々で自分に正直に、スタイルを変えていくのもひとつですね。

ご参考になりましたら幸いです。

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公開日:2020年5月3日