「米国高配当株ETF【SPYD】を積み立てていきたい、しかし株価暴落など懸念して踏ん切りがつきません。どのように進めていけばよいですか」という内容のご質問に対し、以下回答申し上げます。
なお、SPYDについては以下記事に詳述していますので、ご興味ある方はそちらをご覧ください。
相場好調な目下、SPYDをどう買って積み立てていくか。株価暴落など懸念して踏ん切りがつきません。
三菱サラリーマン様
初めまして。ヒロと申します。
いつも大変勉強になる有益な記事をワクワクしながら拝見させて頂いております。
現在31歳 妻 子供2人の4人家族。自営業を開始して3年目になります。
事業自体は順調なものの自営業ゆえ将来への不安がいつも頭の中にあり精神的に疲れてしまっています。(自営業は多くの方がそうかもしれませんが。)
何年も前から「何か運用をしなくては」という焦りが募るばかりで実際にはほとんどの資産が銀行口座で寝たままと言う3年間でした。
(普通預金1700万 小規模共済150万 セーフティ共済240万 仮想通貨70万)
そんな中ある方のYouTubeの動画で紹介されていた三菱サラリーマン様のブログに辿り着き初めてブログを拝見した際、労働収入を最大化し節約した上で収入の8割を投資に回すというスタイルに
「これだ。。探していたものが見つかった!!若くして理想を現実化した人がいるんだ!!」
と感動したのを覚えています。
現時点では事業の事もあり、投資のみに注力して行く自信がないので個別株ではなく記事にあるSPYDにとても興味を持っているのですが、本日2020年1月10日時点では配当利回り5.08%(平均の4.19を大きく上回っている為、良い買い場?)
▶三菱コメント:配当利回り5.08%は直近12ヵ月の配当金ベースではなく、直近1回分の配当金をもとに算出された値と推察します。(後述します)
ただ価格が39.13ドルと積み立て想定取得単価の34.94ドルを大きく上回ってしまっています。
米国株価上昇中の今は、やはり期間を分散して長期に買っていくべきなのでしょうか?
性格的にやると決めたら極端にやりたいタイプなので、ある程度価格が下がったタイミングで出来るだけ大きい額(1500万程度)を早くいれて少しでも配当金を作った方が良いのではないかと考えたりしております。
過去3年間ではありがたい事に生活費を差し引いて年間貯蓄が700〜800万程度は確保できておりますので、今の収入があるうちに、出来るだけ早く配当金での年間収入をまずは150万位まで目標に考えております。
ただ今後いつ来るか分からない株価暴落など考えるとなかなか踏ん切りがつかない状況です。どの様に進んでいくべきでしょうか?
現在の株価などを踏まえた上で三菱サラリーマン様であればどの様なスタイルで積み立てられるのでしょうか?
ご教授ください。長文失礼いたしました。
いつもご覧頂きまして、誠にありがとうございます。
性格的にやると決めたら極端にやりたいタイプというのは、私と全く同じです(笑)
まず極端にやって、極端にやらない形もやって、自分に合った適度な塩梅を探ることは、良案と思います。
市場が楽観的な目下、SPYDは「両にらみ」で積み立てたい
私でしたら、現状においては以下の通りとします。「機会損失」と「暴落リスク」への両にらみを利かせる形です。
- 毎月入金額の一部または半分ほどをSPYDへの毎月など定期購入
- 購入で使い切らない余資は、下落局面でのスポット買付用にストックしておくようにするする
これならば、以下のお考えも、一定程度は実現できそうですね。
「ある程度価格が下がったタイミングで出来るだけ大きい額(1500万程度)を早くいれて少しでも配当金を作った方が良いのではないかと考えたりしております。」
(ご質問文より引用)
よく選択肢が複数あると、「これか、これか」という二者択一、あるいは「これか、これか、これのいずれか」という三者択一など、考えるかと思います。
私も性格的に徹底してやりたいタイプなのですが、さはさりとて、そういった場合は「片側へ寄らずに、穏当な中間を採る」、つまり「中庸を採る」ことが多いです。
なぜなら、この手法が精神衛生上、納得がいきやすいからです。
「入金可能額の一部を毎月積み立て、余資をスポット買付用にストックしておくスタイル」であれば、今後いきなり暴落が来たとしても、来なかったとしても、両にらみを利かせる形なので、どちらに転んでも部分的に納得がいきます。
- 全く投資しない
→ 暴落が来ないと機会損失を感じて、後悔 - 出来るだけ大きい額を早く入れる
→ 短期で下落局面入りすると、自身の性急さを後悔
つまり、以下通りです。
- 下落を懸念または待望した結果、全く投資しない場合、下落局面に入るまでの期間が長ければ長い程、「投資しておけばよかった…」という感情、どうしても生じやすくなります。
- 逆に、機会損失を懸念してポジションを大きく取ると、短期間で下落局面入りした場合、「投資しなければよかった…」となりやすいです。
そのため、この中間を採る形です。
配当利回り算出:参照する期間に注意

SPYD「株価・配当利回り・平均配当利回り」推移(筆者算出)
現時点では事業の事もあり、投資のみに注力して行く自信がないので個別株ではなく記事にあるSPYDにとても興味を持っているのですが、本日2020年1月10日時点では配当利回り5.08%(平均の4.19を大きく上回っている為、良い買い場なのか?)
(ご質問文より引用)
配当利回り5.08%は、「直近12ヵ月の配当金ベース(1月10日時点:4.48%)」ではなく、「直近1回分の配当金を年間ベースにすべく、4を乗じたもの」をもとに算出されたものと推察します。
証券会社などによっては、直近1回分の配当金の値を参照して配当利回りを算出するケースも見られるため、算出方法の違いに留意必要です。
弊方算出の、SPYD平均配当利回りの値は、「直近12ヵ月の配当金ベース」で算出しております。
配当利回り確認方法(直近12ヵ月ベース)
「直近12ヵ月の配当金を参照して算出した最新の配当利回り」は、当該ETFの組成会社である「ステートストリート社の公式ページ」で確認可能です。
リンク先の中段「Yields」の欄の左から2つ目の赤枠で囲った部分「Fund Dividend Yield」を参照ください。

ステートストリート社「SPYD」詳細ページ(英文)
相場好調な目下、SPYDの積み立て方法まとめ
私でしたら、以下の通りです。「機会損失」と「暴落リスク」への両にらみを利かせる形とします。
- 毎月入金額の一部または半分ほどをSPYDへの毎月など定期購入
- 購入で使い切らない余資は、下落局面でのスポット買付用にストックしておくようにするする
なぜなら、この形が「精神的に恐らく比較的心地よいであろう」からです。
ご参考になりましたら幸いです。
Best wishes to everyone!
ステートストリート社が組成する、米国高配当株ETF「SPYD」については以下に詳述しています。
SPYDを毎月定額購入した場合の、平均取得単価をシミュレーションしています。
ご質問者さんが仰るように「投資のみに注力して行く自信がない」という場合、個別株よりETFがやはり好適と思います。
コメント
三菱サラリーマン様
質問への回答を頂き、本当にありがとうございます。感動やら感謝やらで何をお伝えして良いものか分からないですが、とにかくこの記事にある様一歩ずつ前進したいと思います。
年間配当収入150万を達成した際にはまたコメントよりご連絡させて頂きたいと思います。
本当にありがとうございました。
ヒロ
うれしいお言葉をありがとうございます。
一歩ずつ前進が大事と思います。こちらこそ引き続きよろしくお願いいたします。
有益な情報ありがとうございます。
同じく、三菱系サラリーマンです。
sbi証券でSPYDの自動積立を検討中ですが、
手数料負けの観点からすると、
12万/月以上入れる設定の方がよろしいのでしょうか?
手数料無料銘柄にSPYDがなるのを待つ機会損失はさけたいなと考えています。
ご覧いただきありがとうございます。
現在はSBI・楽天・マネックス3社とも最低手数料撤廃により「手数料負け」という概念はなくなりました。
そのため、少額からでも手数料負けはないのでご安心ください。