私の保有銘柄でもある、英電力大手ナショナル・グリッド【NGG】の国有化は目下立ち消え濃厚となりそうで、朗報です。
なお国有化は、最悪シナリオで無価値化リスクがあります。株式投資を長期的に続けていく以上、こういった無価値化リスクも厳然と存在する好例と思います。
そのようなリスクを包含しながらも、やはり長期的に株式投資を続けていくことになります。
【朗報】ナショナルグリッド(NGG)の国有化リスク、消失濃厚か
元々、NGGの株価は、上図の通り2019年3月末から軟調な展開が続いていました。
上記記事にも詳述の通り、英BBCによれば、「英最大野党である労働党が公益企業の再国有化計画を発表した」とされ、同社株価は2019年3月29日時点で3.3%安となりました。
労働党が発表した政策文書内に当該内容があるとされ、同党は野党であるため、この国有化の実現可能性は選挙に左右される見通しでした。
選挙自体は元々2022年までなく、労働党がその際に勝つ保証もなかったところ、EU離脱(Brexit)問題で揺れる英議会情勢も相まって、「今年解散総選挙 → 労働党勝利 → NGG国有化」というシナリオが急浮上。
当該シナリオはNGG保有投資家にとっては、場合によっては悲報になり得ます。
なぜなら、万一イギリスがNGG国有化をしたとして、更に国有化する際に、JAL/GM方式の国有化を採用するとなると、株券が紙くず・無価値になるからです。(詳細は▶「【NGG】ナショナルグリッドに国有化リスク浮上」ご参照)
そんな中、今年選挙自体は実施されたものの、労働党勝利とはならず、NGG国有化リスクは当面払拭された形と言えそうです。
欧州連合(EU)離脱の是非を問う12日の英下院総選挙は、離脱実現を掲げた与党・保守党の大勝に終わった。野党・労働党が地盤とする地方都市は離脱を求める有権者が多く、保守党がその牙城を崩した。労働党は40議席近くを失う歴史的大敗を喫した。(出所:日本経済新聞)
NGG株価は総選挙開票・保守党の大勝を受け、下図の通り、値を飛ばしています。
結果的には国有化リスク・Brexitなど悲観的な状況で買い増した投資家は、今その恩恵に浴する形になっていると言えそうです。
このように、単一銘柄1つとっても、選挙や国有化リスクなど政治的要因も絡み合うこともあり、良い時も悪い時もあるのが長期投資と思いますが、どのような状況でも規律を持って淡々と続けていくことが、やはり重要と思います。
Best wishes to everyone.
ナショナルグリッド(NGG)の国有化リスクについては、以下で詳述しています。
ナショナルグリッド(NGG)銘柄分析については、以下の通りです。